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2008/01/07・・・冬の工事現場

天気が良かったので、全くの思いつきで胆沢ダム工事現場まで走りました。道路には雪が無く展望台下までは行けましたが、完全に閉鎖されて入られませんし、もちろんですがダム工事もありません。

何とかして工事現場の様子を見たいと思ったのですが、道路脇にある除雪の壁が2m近くあり入ることもできません。仕方ないなと思い引き返しましたが、同じ想いの方が居るようで道路脇の壁に切れ込みがありました。その切れ込みをよじ登り歩道に出て下の様子を撮影しました。

当然のことですが、冬場は豪雪地域でもあり作業等は春の雪解け後までお休みです。広大な白一色のダム堰堤の上に工事用の車両の軌跡があり、以前に見た工事機材整備場前に大型重機や車両が並んで休んでいました。更に道路側の所には、90トンダンプがずらりと並んでいます。

資料によりますと、2007年内の工事進捗率が合計で58%ぐらいと言います。

真冬の胆沢ダム工事現場 1・・・やっとよじ登った歩道の部分、展望台は閉鎖です。


道路には除雪されて無いのですが、除雪壁が2m近くあります。突き当たりの場所がダム展望台なのですが、完全にフェンスで閉鎖され立ち入ることが出来ません。

たまたま見つけた歩道への進入路の壁を登り、やっとの思いで歩道に降りてみました。撮影はこの場所から行ったものです。

ロックフイルダムの斜面は、巨大な岩石が積み上げられて出来ています。かなり積まれているのが分かります。


真冬の胆沢ダム工事現場 2・・・工事現場堰堤部分の全容。 真冬の胆沢ダム工事現場 3・・・左端に見える斜面は積み上げられたロックの部分。
真冬の胆沢ダム工事現場 4・・・堰堤とロック部分の裾野の一部。 平らな部分はダム堰堤中央部であり、中央からコア、その両側にフィルター部分となっているのですが、真っ白な雪の下になり区別がつきません。
真冬の胆沢ダム工事現場 5・・・重機整備場前に並ぶ重機。 工事用重機の整備場前にずらりと並んだ重機やバックホー、そしてダンプが見えています。
真冬の胆沢ダム工事現場 6・・・おなじみ90トン巨大ダンプ。 工事現場での主役である90トンダンプです。画像上から数えてみたら、一億五千万円するダンプが24台見えていました。


満水状態で胆沢扇状地に農業用水を配分する円筒分水工の全容です。
2008/04/22・・・工事開始の現場

晴天に恵まれたので、衣川区にある北館の桜を撮影しに出かけました。その帰りですが、胆沢区にある徳水園とダム工事現場まで足を伸ばして見ました。

徳水園迄来る途中の道路は、今が桜の見頃でもあり夜にはライトアップされるなど、交通量がかなりありました。昭和の一里塚と名付けられたここには、昔から水争いの絶えなかった胆沢扇状地の田畑に、胆沢川の水を平均的に流すための円筒分水工が設置されています。満水状態の円筒分水工を見ていると、巨大な胆沢ダムが完成するとこの施設は必要なくなるのかなあと思いました。
昭和の一里塚と名付けられた徳水園入り口です。 ここまで来る道路は桜並木の名所です。
四月の工事現場 1・・・ダム堰堤部分のほぼ全容。 早速ダム展望台に入り、眼下に広がる堰堤を見下ろしました。工事が始まったばかりの堰堤の様子で、中央に見えている茶色の部分がコアで、その両側にフィルター部分が見えています。

以前はコア部分が幾分低かったのですが、現在はほぼ平坦になっています。ロック部分の斜面が大きく目立つようになってきました。
四月の工事現場 2・・・堰堤を支えるロック部分。 四月の工事現場 3・・・コア部分とフィルター部分の落差がなくなりつつあります。
四月の工事現場 4・・・堰堤と山の崖との接続面、高さのレベルが刻まれています。 ダメ堰堤南側の斜面の部分です。前にもふれましたが、標高レベルが表示され、その中央には「監査廊」の溝がかなり上まで完成しています。

画面を拡大するとはっきりしますが、345.6mの表示が黒字で書かれてあります。ここが常時満水レベルで、ダム堰堤頂部は更に上の364mになります。上にトンネルがありますが、そこまで埋め立てられるのだと思います。
4月15日現在の工事進捗率の図 4月15日現在の工事進捗率

コア・・・65.3%、フィルター・・・62.7%、ロック・・・57.6%、全体で58.9%になっています。

コア部分の高さ・・・71mとなっています。
完成後の予想イメージ図 完成後の予想イメージです。このダムを造るのに、埋め立て原石を採掘するのは近くの「大森山」です。見学会で説明がありましたが、標高738mの山を600m位削り取って埋められると言います。

2013年(平成25年)の完成を目指し、現在ダム本体の盛土工事を行っている。


2008/06/26・・・地震後の工事現場

平成20年6月14日8時43分、岩手県内陸南部を震源とする震度6強の地震が発生しました。私はその時滝沢村のちゃぐちゃぐ馬コを撮影するために、皆さんと一緒に田んぼの中に座り込み行列が来るのを待っていたのです。突然下からずしーんと突き上げられ、座っていてもぐらぐら揺れ田んぼの水が跳ね上がりました。その場にいた方からの情報で、震源地が奥州市だよーと知らされ驚いたわけです。


6月15日の資料から(※胆沢ダムWEBサイトから)

平成20年6月14日8時43分に発生した岩手県内陸南部を震源とする震度6強の地震による胆沢ダム関連の被災状況について報告します。(支部非常体制継続中)
1.被害の概要
  @胆沢ダム周辺の国道、市道の山腹崩壊等により通行不可。
  Aダム関係施設では右岸斜面法崩れにより下段仮排水トンネル呑口埋塞。
  B胆沢ダム工事現場作業員が落石により負傷し搬送先の病院で死亡を確認。



6月30日の資料から
点検及び確認調査の結果、貯水池周辺法面については、46箇所の法面崩壊(空中写真判読)が確認されましたが、その殆どは法面地表部の崩落であり、大規模な地すべり等に起因するものは確認されておりません。盛立施工中であった堤体表面に発生した亀裂については、深度調査の結果、30cm〜2.0m程度であることが判明したことから、除去範囲を速やかに決定し、一日も早い堤体盛立再開を図ることとします。

また、施工中であった洪水吐については、打設したコンクリートの一部に発生したヒビ割れの調査等を実施しており、その処置等について今後検討して行くこととしております。


地震以後の事ですが、ダム周辺はもちろんの事、胆沢地区や震源地に近い衣川地区への立ち入りは厳禁になりました。ここではそのことについては触れませんが、地震から十日ほど過ぎた頃にダム周辺に近づいてみました。ダム入り口にある胆沢ダム学習館までが一般の車両が入れました。
胆沢ダム学習館駐車場から見た地震被害の様子。駐車場には工事関係の方や、明らかに視察関係と思われる方が訪れています。

単なるほっづぎ目的の私は恥ずかしくなりましたが、車を入れて可能な限りの撮影を試みました。道路脇の斜面の崩落、山体が崩れ落ちて道路にかかる橋桁が埋められかけている場所、大きなクレーンが垂直に延び修復しているのかなと思える場面が伺えました。
地震被害 1・・・整備されたのり面が崩落しています。
地震被害 2・・・山体がずり落ちた感じです。 地震被害 3・・・クレーン車で整備しているのだと思います。
今まで通れたダム展望台への通路は、センターライン付近に亀裂が入り陥没しています。ラインの幅は15センチぐらいありますので、ずれが15センチぐらいと見て良いのでしょうか?。詳細については分かりません。

近くにあったタイヤを展示している場所の区画、これのコンクリートが割れてずれていました。また、下水道のマンホールでしょうか、亀裂が入りずれています。
地震被害 4・・・センターライン部分の陥没。
地震被害 5・・・きちんと並べられたブロックのはずですが。 地震被害 6・・・マンホール付近のずれ。


(※胆沢ダムWEBサイトより)
岩手・宮城内陸地震によってダム堤体の表層、洪水吐き構造物、貯水池斜面等に被害を受けました。しかし、地震一ヶ月後には堤体表層の復旧工事に着手し、その後、10月には堤体盛立量1000万立方メートルを達成することができたところです。付替国道の全線開通が延期を余儀なくされたなど地震被害の影響はありますが、今年は本来の建設工事と共に、付け替え道路・橋梁の修復、斜面崩落箇所の対策などの復旧工事を行っていく予定としております。

胆沢ダムの堤体盛立が冬期間に入るため、12月15日をもって今ーズンの工事を完了しました。シーズン当初の盛立量は、全体量1,350万.に対し約778万.(57%)から開始して、12月現在で約1,095万.(81.1%)まで盛立を行いました。来シーズンは、雪が溶ける春から工事を再開をする予定となっております。また、堤体盛立工事等は冬期間は休工しますが、付替国道の工事などについては引続き工事を行っております。


ここでは今回の地震被害については一切触れていません。ましてや一般人が、物見遊山気分での現地入りは厳しい批判を受けます。ですから私は撮影等には訪れてはいません。今回の地震でお亡くなりになった方や、いまだに不自由な生活を余儀なくされる地域の方々を思うと心が痛みます。

でもあえて、胆沢ダムの現在の様子をお知らせしたくてページを構成したことをお許し下さい。胆沢ダムサイトの資料によると、平成20年の工事進捗率は12月現在で81%位であると報じています。また、地震発生から九カ月ほど経ちますが、いまだに道路が閉鎖され一般車両は立ち入ることが出来ません。

雪が溶け去り暖かくなる頃、胆沢ダムの工事が始まると思われます。工事関係者の皆さんの安全を願うと共に、一日も早く崩落した道路が改修され、再び展望台から眺められる日の来ることを願う一人でもあります。

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