西和賀町・安ヶ沢カタクリ群生地に戻る


        黒サンショウウオの卵と成体


カタクリ群生地の中に大きな池があり、水面下に白い餃子状の物が沢山ありました。よく見ると水中に木の枝があり、その周囲に生み付けられている黒サンショウウオの卵でした。サンショウウオの仲間は、卵の形状が種類によって違うと言います。たまたま持参していたレンズがワイドレンズなので、大きな画像には取り込めません。
池の中にある黒サンショウウオの卵の固まり 1・・・見渡すとあちこちにあります。 池の中にある黒サンショウウオの卵の固まり 2・・・これ以上拡大できません。大きなブロックの中に沢山の卵塊があります。

水面近くに成体(親)が浮かび上がっては潜る動作をしています。水面で身体をくねらせていますが、その下には木の枝の廻りに沢山の成体が泳いでいます。この場所の卵の様子をよく見ると、卵殻が崩れていて幼生が出ているなと思いました。

池の畔にある看板には、モリアオガエルの産卵が5月中旬から始まると書かれています。そうなると又ここまで来てみたくなる私でした。
水面に出てきた黒サンショウウオの成体(親) 1 水面に出てきた黒サンショウウオの成体(親) 2・・・くねくねと身体をよじっていました。画像では反射して分かりませんが、このしての木の廻りに多くの成体が群れていました。


黒サンショウウオ・・・
全長13〜16cmで体色は暗褐色。種小名nigrescensは「黒っぽい、黒がかった」の意。胴体の左右側面にそれぞれ入る皺(肋条)は11本。尾は長く縦に平たく四肢は長い。止水性のサンショウウオで、幼体は3対の外鰓と眼下部にバランサーと呼ばれる器官を持つ。バランサーの用途は不明だが前肢が生えると消失する。

山地にある森林に生息し、夜行性で昼間は石や落ち葉の下に隠れて休む。天敵としては肉食性の鳥類や哺乳類、水生昆虫、アメリカザリガニ等が挙げられる。食性は肉食性で、昆虫類や節足動物、ミミズ等を食べる。

繁殖形態は卵生で、2〜7月に池沼、水溜り、湿地等に透明な層と白い層に包まれ、アケビの果実のような形で20〜80個の卵を収めた卵のうを1対産む。このため卵のうは白色不透明であり、全体が透明な多くのサンショウウオのものと外見が異なる。卵のうの先端は柄のようになりこの部分を水草や枝等に付着させる。

卵は4〜5週間で孵化し幼生になる。幼生は貪欲で、小型の水生昆虫や甲殻類、ミミズ等を食べるが、しばしば共食いをする。通常年内に変態し幼体になり、陸上生活を送るようになる。しかし幼生のまま越冬し翌年に変態する個体もいる。

環境破壊による生息場所や、産卵場所の減少により生息数は激減している。また、アメリカザリガニといった人間に持ちこまれた外来種による食害も生息数の減少の一因になっている。卵は止水にあるためか、場所によってはたやすく発見できるが、それでも大規模な繁殖場所は少ない。(※ウイキペディアより)