津波、海岸で生活する人々にとって絶対に避けられない自然の災害です。当地山田でも、昭和8年の三陸地震津波、昭和35年のチリ地震津波が大きな被害を与えたことは周知のことです。人々の長い歴史の中で、有史以来の地震に伴う津波の悲惨な被害は数多くありました。2004年暮れに発生したスマトラ沖大津波の被害がテレビで報道され、自然の巨大なエネルギーの前には人間の力では及ばない自然の厳しさを感じます。
平成四年から、縁があって山田町の学校に20年ぶりに勤務することになりました。住宅があった大浦の岸壁で夜釣りをして居た時のことでしたが、サイレンが鳴り津波警報が出ました。しばらくすると、防潮堤の扉が大きな音を上げてガチャンガチャンとしまっていきます。20年前には見られない光景です。船越半島は太平洋に突き出ている半島です。地震が来る前にゴーという独特の地鳴りがし、その後間もなくぐらりと揺れが始まります。岩盤上にある半島特有の現象に驚いたものです。
私は子どもの頃、陸前高田市広田に住んでいました。今でもはっきり覚えていますが、陸地の高いところの道路端に大きな石柱が立っており、その四面には地震と津波の関わりと避難の仕方について書いてありました。災害は忘れた頃にやって来るという名言は、海岸に棲む人々にとって絶対に忘れてはならい事だと思います。