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八幡宮の馬場は220mあり、縄で走路が二本区切られてあります。的は三カ所あり、東側から「1ノ的」「2ノ的」「3ノ的」と配置されてあります。走路の設定上仕方がないのですが、一般見学者の向かい側に的場があります。たまたま私は中央にある「2ノ的」の手前近くにいました。ですから、矢を射る瞬間の射手奉行の顔が見えません。

的の近くには危険防止の幕がありますので、誰も近寄れませんでした。かろうじて許されていたのは報道陣のカメラマンだけで、これは仕方のないことです。

三人の射手奉行は、一回の走行で三回矢を射ます。交代に三回走りますので、合計で九回矢が射られました。全力で走る馬上で、手綱も持たずに中腰になり矢を射るのですから、本当に熟練技と言えます。どのくらいの速さかと言いますと、時速にして50kmぐらいはあるように見えます。馬の足が空中にあることからお分かりかと思います。

「1ノ射手」と「1ノ介添」の様子です。
矢を構える1ノ射手、馬の四つ足が宙に浮いています。 1ノ介添奉行の疾走
二回目の矢を構える射手奉行 1ノ介添奉行


目の前を車並みの速さで移動しますので、撮影するのも大変でした。向かってくる人馬を狙って流し撮りを試みましたが、ピントが甘くなったりぶれたりで気に入った画像が得られません。ここはカメラの連射機能を信じて撮影しました。


「2ノ介添」は射手奉行が矢を射た後、全力で走る馬上で「よう射たリやー」と叫びながら通り過ぎていきます。
二回目の矢を射る2ノ射手 日の丸扇を振りかざして通り抜ける2ノ介添奉行
的に向かって矢を放つ瞬間・・あたりませんでしたが。 2ノ射手奉行と後に続く介添奉行


九回の撮影で、矢の形を捕らえたのが一コマだけでした。九回矢を射た結果、私の居た中央の「2ノ的」には一夜も命中しませんでした。最初と最後の的には、かなりの矢が命中したようでした。的と的との間は、時間にして5秒ぐらいと言います。この間に次の矢を抜いて、構えて、的に向かって射るわけですから、流れるような一連の動作がなくてはなりません。遠野南部流鏑馬保存会の方々は、日頃の練習の成果が発揮されるのですから真剣勝負だと思います。

余談ですが、目の前の的から外れた矢が幕の後ろにある家の外壁に当たり、突き刺さりました。的係の中学生が矢を取りに行きましたが、食い込んだ矢は取れませんでした。幕の近くには、報道陣のやぐらとカメラマンが居たのですが、間違って人に当たれば大怪我をするんだなあと思いましたから・・。
3ノ射手奉行が矢を構えています 「よう射たりやー」と叫びながら通り抜ける3ノ介添奉行
的に向かい狙っています。 矢は放たれたのですが、的の上の方に向かっていました。


馬場が和やかな郷土芸能パレードの通路になりました。演ずるのは野崎神楽の皆さんです。

流鏑馬が終わると三本の縄が外され、観覧席の人が向こうの土手に移動します。各家毎にシートを敷き、ここで食事をしたりお酒を飲んだりと、演ずる方も見る方も共に楽しむ姿が印象的でした。

皆さんが見守る中、400年の伝統を誇る遠野八幡宮の馬場で、参加32団体約3000名による郷土芸能パレードが開催されました。各団体毎に、本部前の馬場で郷土芸能が披露されて周りの皆さんから盛大な拍手と声援が送られていました。

私の反省として、来年は撮影場所の検討が必要だなあと思いました。最後になりますが、この祭りのタイトルは「日本の故郷遠野祭り」とあり、さすがは民話の故郷遠野だなあと感心しました。

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