location:uchinome.jpトップ>岩手の鍾乳洞龍泉洞水源地帯観察会1>その2

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一路安家を目指して北に向かう。道路左側の牧草地の奥に江川ドリーネがあった。この並びに4個のドリーネがあると言います。見たのは(見られた)南から2番目と3番目の物でした。1と4は林の中にあり見られない。上段の画像は二番目の全景と中心部の様子、下段の画像は三番目の側と中心部の様子です。

ここの窪みに入った水がどこに行くのかと言うことで、以前に消防の協力で放水したことがあると言います。ここまで私達が来るのに峠(石峠)を越えましたが、地下には峠が無く龍泉洞まで行くのです・・、とはYさんの説明でした。

※参考までに江川ドリーネの大きさは以下の通りになります。南から一番目は林の中にあり計測していない。二番目
  は直径23mで深さ4m、三番目は直径55mで深さ12m、四番目は直径95mで深さ21m有ると言います。このデ
  ータは、講師のYさんからお聞きしました。

江川ドリーネ2全景 江川ドリーネ2の中心部
江川ドリーネ3の縁 江川ドリーネ3の中心部


氷渡洞側の冷や水湧き口に行く。きれいな水で飲料可能という。ここはどんなことがあっても濁ることはないという。氷渡洞の地底湖からの水だとのこと。氷渡洞側の冷や水は、完全に濾過されて濁ることはないが、氷渡洞の中の地底湖は濁ることがあるという。ここからの地下水は完全に濾過されて、龍泉洞の地底湖に貯まる。この地域が破壊されたら龍泉洞の水は濁ってしまう。

ここで水を飲もうとしゃがんだら、ポケットからどぼんとカセットテレコが水に落ちてしまった。慌てて拾い上げて乾かすが、どうなることか。残念だが、以後の録音記録が出来なくなってしまった。
氷渡洞側の冷や水湧き口 下を流れる安家川


長内(おさない)沢に入りました。ここも一般の車両は通られないところになっています。しかし、山菜採りの車が入っていました。かなり奥まで入り、途中から別れた道の沢沿いに更に登る。

最初の画像は上流からの流れがありますが、二番目の画像の場所で水が地下に潜り込んでいました。

そして最後の画像の端からは完全に干上がっています。
長内沢 1
長内沢ポノール ポノールから下流部分

音松沢(?)とか聞きましたが、沢水中のカルシウムイオンがすごく多く含まれており、沢の中に転がっている石の表面に白茶色の水あか(?)状のものが多く付いていました。これはフローストーンの仲間に入るのでしょうか・・。
音松沢 1
岩石表面の石灰分 1 岩石表面の石灰分 2

長内沢の更に上流、コナラの沢と言うところ迄来ました。この場所は、ここの沢水の潜り場所(ポノール)です。潜り口には岩に大きな穴があり、中に大量の水が流れ込んでいきます。

この場所の下流は、完全に水が干上がっていました。

水の流れているコナラの沢
コナラの沢ポノール ポノールからの干上がった下流


この観察会の目的にもありましたが、岩泉町の皆さんの使用する水道水(龍泉洞の水)はどこから来るのか。どうしてこのようにきれいなのか。この広大な規模の仕組みと現場の環境を知って、なるほどなあと心に刻み込まれました。
我々に説明する講師の方々の話を聞いていて感じたことは、この企画に町民の皆さんが多く参加され、より一層の関心を持ってもらうことが大切だと思いました。本当に意義深い観察会であったし、機会があったら秋にも訪れてみたい気持ちで一杯です。

私事ですが、岩手の洞穴巡りに興味を持ち訪れていますが、今までは、あくまでも表面的な変化や現象だけで見ていました。今後は、この洞穴を作る原因となった水系の物理的・科学的変化に目を向けなくてはならないことに気づかされた観察会でした。

また日頃疑問に思っていたことなどが、専門家の丁寧な説明ではっきりとしましたし、ますます鍾乳洞に引かれそうな心境になっています。改めて講師のYさん、Sさん、Tさんに感謝いたします。

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