location:uchinome.jpトップ>自然の表情>昆虫の表情カブトムシの孵化>その2

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やっと、幼虫らしい形になりました。体が白く透きとおっています。体長はおよそ1.5センチぐらいです。

よく見ると、体の中に黒っぽいものが見えます。ものすごい食欲で、餌になる腐葉土や枯れた木のチップを食べています。
しかし、まだ弱々しい幼虫です。
これはすでに孵化していた別の幼虫で、体長が3センチぐらいあります。逞しい頭部と、がっちりとした牙が印象的です。
幼虫をごろりと横にしてみました。透きとおった体の内部に、食べた餌の腐葉土が見えます。

この画像はマクロレンズ(50ミリ)で等倍撮影をしたのですが、幼虫の体の構造が見えてきます。

昆虫の呼吸は気管で酸素を取り込みますが、その取り入れる穴が気門と言われる所です。この画像では8個の黄色い部分がありますが、これが気門になります。(両側にある)

気門はそれぞれ白い糸状のもので繋がっています。これが昆虫の血管にあたる部分です。

今まで何回も見てきたのですが、改めて拡大の目で見ると、私にとっても新しい発見に繋がります。

このカブトムシの幼虫達は、これから1カ月ぐらいで3令(終令)に達し冬越しに入ります。うまく越冬できれば、来年の7月頃室を作りサナギになります(蛹化)。サナギの期間は、およそ20日間ぐらいでしょうか、来年まで大切に育てたいと思います。

今の子ども達にとって、カブトムシは自然の林で採集するものでなく、ペットショップや量販店で買うものになりつつあります。今年の流行でしょうか、書店に行くと夏休みの課題と題してカブトムシやクワガタ、そして高価な外国産の大型カブトやクワガタの本が出回っています。このことに異論を唱えるものではありませんが、 カブトムシやクワガタの飼育を通して、生き物には限られた命があり、必死に生きているのだと言うことを是非感じ取って(学んで)欲しいものです。

外国産の高価(1頭数千円)な大型カブトムシ・クワガタの際限ない国内飼育や輸入は、近い将来日本に住む在来の虫たちの生態系を崩していきます。その時になって気がついても、失われた生態系は戻りません。私個人としては、全面飼育・輸入禁止にするか、ごく限られた範囲にするか、これからの大きな課題ではないかと思っています。

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