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         早すぎたヒメギフチョウ

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例年にない暖冬で、生物の体内時計が大きく狂うのが危惧されています。先頃はサクラ開花が早いという報道がありましたが、まさか、我が家のヒメギフチョウは目が覚めないよなあと安心していた私です。何しろ家の周辺は、先頃の大雪で真っ白なのですから・・。

15日になり、何気なく越冬中のヒメギフチョウの保存場所に行ってみてびっくりです。3月中頃から例年より寒い日が続いています。しかし、それまでは暖かい日が続いていたので、サナギの体内時計が進んだと思われます。知らないでいる内に、何匹かのサナギが羽化しそのまま死んでいました。まだほとんどはサナギのままですが、これとて放置しておいては羽化が早まると思われます。慌てて冷蔵庫へ避難しました。



数日前に羽化して死んでいてヒメギフチョウの成蝶。 完全に羽化したのに、密を吸う花がないまま死んでいた二頭の成虫です。可哀想なことをしたなと反省しきりの私です。それにしても早すぎました。

昨年のデータですと、我が家での羽化は4月8日でした。自然状態よりも20日ほど早い羽化なので、野外へ放すことが出来ませんでした。

例年よりも40日ほど早い羽化、もしかすると、いつもの生息地でも異変が生じているのかも知れません。まだまだカタクリの芽ですら出ていないのですから・・。


その他のサナギの様子です。まだ数個ありますので、慌てて冷蔵庫へ保存しました。しかしこの措置は、サナギの中での変化(サナギからチョウへの身体つくり)にブレーキをかけるはずですから、不適切だったかも知れません。早い時期に外に出し、じっくりと変化を見なくてはなりません。
三個のサナギの様子。 一個のサナギの拡大です。目や折りたたまれている翼が分かります。


サナギから半分出て、死んだばかりの頭部付近の様子です。立派な触角や口吻、複眼がはっきりと見えています。尻の方には、幼虫からサナギになった時の殻が残っていました。

完全に死んでいたので、頭部や翼部分の殻をはぎ取ってみました。翼は展長していませんが、ヒメギフチョウ独特の黄色い模様が見えています。腹部の殻は取ることが出来ません。無理をするともぎ取れそうなのでやめました。

最後の画像は、腹の部分からの撮影です。ツタンカーメン王のミイラ、黄金のマスクに似ていてしばらく見とれていました。
上半身が殻から出て、立派な身体が作られています。尻には幼虫時の殻も付いていました。 翼の部分の殻を取った様子です。黄色い翼が見えています。
腹部から見た様子です。 ツタンカーメン王の黄金のマスクに見えませんか・・。

撮影について・・・

今回の撮影は、ペンタックスistDSとペンタックスリングストロボを使用しました。レンズはネジマウントのマクロレンズ
と接写リング等々です。以前にも報告しましたが、istDSは昔のレンズやストロボが使えるので嬉しくなっています。撮
影そのものは自動露出ですが、絞り等の連動は効きませんから手動で最小絞りにします。サナギがレンズに近すぎ て、ちょっぴり色が飛び気味ですが使えるのです。少々難しいことを書きましたがお許し下さい。