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                >その2

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21:30頃・・・火たき登り

いよいよ火たき登りが始まった。この巨大な歳戸木には、火が入る前から男衆が登り気勢を上げていたが、煙と共にどんどん炎が大きくなってくる。最初は歳戸木の廻りを取り巻いていた観衆や男衆も、じわりじわりと遠のいていく。それほど巨大な火であり、熱気がもの凄い。

初めのうちは煙が気になりませんが、立ち上る炎と共に煙もものすごく出てきます。あまりの煙で上にいる男衆が見えなくなるくらいです。やがて一人降り、二人降りというように上にいる男衆が減っていきます。これは仕方のないことで、煙と言っても高温のガスですから吸い込んだり皮膚に触れれば火傷になります。

※この場面の画像は、歳戸木の東側にいた息子のブラカメが撮影しました。息子は今年の厄年連の男衆と同期であ
  り、お手伝いという形で現場に参加していました。もちろんですが、ファインダーで鮮明な様子が分かりません。燃え
  上がる炎が明暗で分かる程度の視力(?)なのですが、最初にカメラの固定をする時だけ、一緒にいた方に方向を
  見つけていただき撮影したと言います。

火たき登りの男衆 1・・・後ろに点火されたばかりでs。 火たき登りの男衆 1 火たき登りの男衆 1
火たき登りの男衆 1 火たき登りの男衆 5 火たき登りの男衆 6・・・右端で上がれよと引っ張っています。
火たき登りの男衆 7・・・火勢が強くなりそろそろ降り始めます。 火たき登りの男衆 8・・・正面には居られない火勢になりました。 火たき登りの男衆 9

同じ火たき登りの様子ですが、私は息子と反対の神社側にいました。無風状態なのですが、何故か神社側には煙が多くすさまじい炎がはっきりとは見えません。今回は歳戸木の上で気勢を上げる男衆の逞しい表情を狙ってみました。
煙の中の男衆、下にいる男衆から雪の固まりを投げてもらい、口にしている方もありました。

最後の画像は表紙の画像でも紹介しましたが、最後まで頑張った男衆です。下で見ている仲間から「早く降りろ・・」と声がかかりましたし、「あれでは火傷しているぞ・・」、そんな声すら聞かれました。間もなく飛び降りましたが、心配そうに下から見上げる人達の眼差しが気になって見ていた私です。

赤い鉢巻きをして居る方が今年の厄年連の男衆とのことでした。黄色の鉢巻きや鉢巻きをしていない方は、一般参加の男衆です。
歳戸木上の男衆 1 歳戸木上の男衆 1 歳戸木上の男衆 3
歳戸木上の男衆 4 歳戸木上の男衆 5・・・右端の方は毎回見る常連の方でしょうか。 歳戸木上の男衆 6
歳戸木上の男衆 7・・・煙が気になり始めます。 歳戸木上の男衆 8 歳戸木上の男衆 9・・・最後まで残った方ですが、燃えだした火勢が強くみんなで心配していました。


21:30頃・・・清めの儀式

燃え上がる歳戸木の火で焼けた長いカツの木の棒、火のついたまま雪の地面を横に払い、清めながら本殿東口に向かう。そして火のついた棒を思いっきり入り口の上を叩きつける。今年はあまり火の勢いが強くはなっかたが、叩かれた瞬間あたりに火の粉が飛び散り、一瞬であるが息を飲み込む瞬間になる。途中で火が消えると、周囲の観客や長老から、「だめだめ・・」と気合いが入ります。

火のついた棒を振り清める 1 火のついた棒を振り清める 2・・・側にいる長老から気合いが入ります。 火のついた棒を振り清める 3

本堂入り口に半纏と赤いほっかむりした長老が居て、「まだまだ、もっと強く・・」と言う気合いが入る。毎年見ていてすごい迫力がある場面である。入り口を叩かれた瞬間、長老は首をひょいと屈めて男衆を睨みつける。

この瞬間が気に入って毎回構えて撮影していたのですが、今年はハプニングがありひやりとしました。気合いを掛けられた男衆が思いっきり棒を振り下ろしたら、入り口の上ではなく長老の右肩部分を直撃したのです。偶然でしたがその様子が写っていて驚きました。

その後は長老は出ないで男衆だけの叩き清めになりました。あの勢いでがつんと頭を直撃したら、ただごとではすまないからです。うまい具合に右肩部分に外されたようですが、本当に命がけの荒技だと思いました。その後どなたも出られないので、いつも見る長老の熟練技だったのかなと思いました。何事もなければいいのですが・・。
棒を入り口上に叩きつけ清める 1・・・男衆に気合いが入ります。 棒を入り口上に叩きつけ清める 2 棒を入り口上に叩きつけ清める 3・・・一瞬ですがひょいと首を縮めます。
棒を入り口上に叩きつけ清める 4 棒を入り口上に叩きつけ清める 5・・・もっと強くと押し返されます。 棒を入り口上に叩きつけ清める 6・・・長老の右肩あたりを直撃したようです。見ていた私もビックリです。
棒を入り口上に叩きつけ清める 1 棒を入り口上に叩きつけ清める 8 棒を入り口上に叩きつけ清める 9

本堂東入口から中に入り、ひっそりとした本堂の床を横に払い格子戸を叩いて清めます。無言のうちに行われる清めの仕草、見ていると厳粛で神聖な場所なんだなと言う気持ちになってきます。
棒を本堂格子戸に叩きつけ清める 1 棒を本堂格子戸に叩きつけ清める 2 棒を本堂床上で横に払い清める 1


23:15頃・・・鬼子登りが始まりました。一緒に登ってきた男衆が、一斉に本堂に流れ込みます。今まで静かだった祭壇前の格子戸によじ登り、怒号と歓声があたりに響きます。

23:40頃ですが、祭壇から蘇民袋が男衆に渡り、争奪戦が始まりました。今回は本堂内でのもみ合いが長く続き、本堂から外に出たのが午前0:15分頃でした。私の居た場所は、神社の外側ですから、本堂内部の様子を撮影するのがやっとでした。

ここでは、争奪戦で見せた活気のある男衆の表情を追ってみました。一緒に揉まれては撮影どころではなくなります。少し離れた場所から勇ましい表情を切り取ってみました。赤鉢巻きが前厄と後厄の男衆、黄色が一般参加、それ以外は飛び入りでしょうか・・。

午前0:30頃、争奪戦の男衆は境内から参道を下り、下の道路まで降りていきました。私の撮影はこの時点で打ち切りました。残念ですが、争奪戦の結果と表彰式は見ることが出来ませんでした。

1月は2日の花巻胡四王神社蘇民祭、19日の伊手熊野神社蘇民祭、26日金ヶ崎永岡蘇民祭と続きます。そして2月になると、ポスター掲示のことで全国的に話題になった水沢・黒石寺蘇民祭が開催されます。昨年とは雪の量と冷え込みの厳しさが格段に違います。私も出かける予定ですが、お出でになる方は完全装備でご覧になることを勧めます。

格子戸に登り気勢を上げる男衆 1 格子戸に登り気勢を上げる男衆 2
格子戸に登り気勢を上げる男衆 3 格子戸に登り気勢を上げる男衆 4
境内での争奪戦 1・・・蘇民袋を誰が握っているのか分かりません。 境内での争奪戦 2
境内での争奪戦 3 境内での争奪戦 4
境内での争奪戦 5 境内での争奪戦 6・・・押し合う身体が熱気を持ち汗が湯気になって漂います。水が掛けられては居ません。
境内での争奪戦 7 境内での争奪戦 8
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