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紫波町南部曲がり屋・武田家屋床祝い
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location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>催しアラカルト>紫波町南部曲がり屋・武田家屋床祝い |
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紫波町の志和古稲荷神社から北に進んだ所に、新装なった見事な曲がり家「武田家」があります。私もここはよく通る所ですが、うっかりと言いますか今まで気がつかないで居た場所でした。記録によると、今年で築240年を超える本当に歴史と家格のある曲がり屋です。 |
儀式が始まるまで時間があったので、武田家曲がり屋に入ってみました。カメラを持った人、スケッチブックを持った人等々がすでに来て見ています。うーん、かなりでっかい曲がり屋です。昔の農家と言っても単なる農家でなく、それなりの地位と家格がある家の様でした。家の入り口には、案内看板と家の歴史等が書かれてあります。藩政時代の肝いりの住宅で、1677年(延宝5年)以来の古文書700点が残っているとのことです。なんと今から330年以上前の資料等が残る、歴史的な武田家でした。 コンクリートが張られた土間に見学者用の休み所があり、年配の女性が応対しています。私も挨拶をして色々な話をお聞きしました。「我が家も今はトタンがかかっているが、本体は茅葺きです・・」と言ったら話が弾んでしまった。どこから来たのから始まって茅葺き談義になり、雨漏りで苦労した話をされたが、分かるよなあが実感です。 葺き替えの茅は地元になくて、業者に頼み塩釜や東北各地から広く集めたと言います。「だからすごく金がかかるのです・・」、そうだよなあ、茅を大量に集めここまで運び、葺き替え職人だって昔と違いそんなに居ない。しかも大きな屋敷の全面葺き替えだし、5年がかりである。だから3000万円もかかるのだろう。
茅葺き屋根の維持管理には最低で三段階があります。 |
13:30屋床(やどこ)祝いの儀式が始まりました。見学する皆さんは200人位でしょうか、保存会会長、武田家当主、紫波町教育長の挨拶があり、その後二団体の郷土芸能の奉納がありました。奉納された郷土芸能は、紫波町赤石の南日詰大神楽(獅子舞・竹の子舞・大黒舞)と地元水分の宮手獅子踊りです。この詳細内容については、後日紹介したいなと思います。 これらの「貰いもの」は帳面につけておいて、先方の家の葺き替えのときかえす。つまりユイ(結)ッコである。 |
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進行係挨拶・・・ ただ今から、武田家住宅屋根葺き替え作業が終了したことに伴う屋床祝いを行います。屋床と言うのは、紫波地区の従来ありました屋根の葺き替え作業、または葺き替え作業が終わった後に、「ゆいっこ」で参加した人達が夕食を一緒にするという一式を屋床と言っておりました。 今回15年から20年度まで、約5年間かけて曲がり屋の葺き替え作業が終わりましたので、これから約30年曲がり屋を維持する事を目的として、皆さんでお祝いしたいという事で本日の祝いになりました。 屋根の改装作業は今年終了しておりますので、これから20から30年はこのまま持つことになっております。武田家住宅守る会では次に何をするかと協議し、この馬屋の方の土壁を昔のままに作り直そうと言うことで、来年からボランティアをお願いしてみんなで作りたいという予定をしております。 屋根の葺き替え作業の時、皆さんに募金をお願いして50万円ぐらい集まり全額使って頂いております。今度はこの土壁を塗り替えるという事にあたって、土を見つけてこねて間に貼り付けることになります。そうなるとこの費用も結構かかりますので、ボランティアの方々の応援を頂くにしても資金が不足しておりますのでカンパをお願いしたいと思います。 |
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武田家住宅を守る会会長挨拶・・・ 皆さん遠くから、お忙しいところをお集まり頂いて有り難うございます。この建物は曲がり屋で、岩手県では沢山ありました。 武田家の曲がり屋は、建ててから240年も経っていると言うことは、岩手県でも4、5番以内になっている古い建物で御座います。前の方の窓とかは後から作られたわけで、中の方とかこの馬屋は古いもので御座います。 皆様のおかげさまで、屋根の葺き替えをさせて頂きました。当家の武田さんは大変苦労なさって、沢山の経費がかかったがほとんど武田さんが出費されました。私たち守る会でも周りの環境整備、又葺き替え工事にもお手伝い致しました。 これからこの文化遺産の曲がり屋を保存し、若い人達に分かって頂き、また活用も色々と考えておりますのでご協力をお願い致したいと思います。 |
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武田家当主挨拶・・・ もう一つは、周りの庭と言いますか林があるので、何となく癒される気持ちがあると言うことです。私も環境整備をしながら、守る会のご協力を頂きながら頑張っているところで御座います。これからも皆さんのご支援ご協力を頂きながら、後世にこのままで保存維持をしていきたいものだなと考えております。 特にも、子ども等にこういう場所をお見せしたいなと思っています。機会が御座いましたら、子どもさん達を出来るだけ連れてきて頂ければ幸いだなと思います。 |
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紫波町教育長挨拶・・・ 今日お集まりの皆さんから多大なご援助を頂き、このような素晴らしい屋根の葺き替え、屋床で出来上がったと言うことは、皆さんの力のおかげだなと思っております。ここの家はまだまだ手がかかると思います。 |
屋床祝いが終わってから家の廻りを廻ってみました。ここで生活している方には迷惑なことですが、自分の家と比較したかったからです。 家の北側や西側は、どこの家でもそうですが一番痛みやすいところになります。昔ながらの土台石の上に土台(基礎材木)がありますが、かなり痛んでいたように見えたし土壁も同様でした。 |
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何故か茅葺きにひかれる今の私です。水沢区にある正法寺の日本一の茅葺き屋根修理にも見学に行きました。屋根裏などと言うものではなく、巨大な工事現場のような印象が残っています。我が家の場合は雨漏りがひどくなり、自分で差し茅の真似事をしたり、天井裏の梁に登ってタライを置いたりしたこともあります。厚いはずの茅が抜けて無くなり、上を見上げると茅の隙間から空が見えます。そうなったら茅葺きの屋根は悲劇です。 |