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      2009アテルイの里・田んぼアート


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ドラえもんの顔の目玉部分の様子です。

梅雨の時期に入るまでは連日の猛暑が厳しかったのですが、7月上旬過ぎから不安定な空模様になっている岩手県南部です。田んぼの稲も順調に生育し、ほとんど株間が無くなり緑の絨毯の穀倉地帯の風景になりました。このまま成長すれば平年作を上回ると思われます。

この時期になると必ず話題になるのが、田んぼに色々な品種を植えて地域の活性化を促進する「田んぼアート」があげられます。私の近くでは、一関市の遊水池に植えられた平泉の文字(新幹線列車からはっきりと見える)、当地奥州市水沢区でもアテルイの里の田んぼで実施されています。

今までは近場と言っても岩手県にはなく、青森県田舎館村の田んぼアートが有名でした。ほっづぎ親子を自称する私は、三年ぐらい前から毎年訪れて楽しんできていました。今年もそろそろ話題になる頃だと思われます。

さて、当地奥州市でも昨年から地域活性化の事業として田んぼアートが始まりました。今年の田植えは去る六月一日に行われたと言います。地域にお住まいの約二百名の方々の手作業により植えられたものです。二年目でもあり、昨年とは違った緻密で素晴らしい図柄が日に日にくっきりと浮かび上がってきています。今年のテーマは、上に「ドラえもん」、下に郷土芸能である「二頭の鹿踊り」の図柄になっています。

新聞報道でこの話を知った私は、翌日の6月2日に訪れてみました。田植えが終わったばかりで、田んぼには色取り取りのビニールテープで区画され、テープに沿って可愛い苗が植えられていました。その後になりますが、26日後の6月26日、44日後の7月14日に現地を訪れて撮影したものから選んでみました。

残念だったのは、快晴の日に恵まれずきれいな色合いが出せなかったことでした。最初の画像は、ドラえもんのアートから目玉の部分を切り出したものです。画像では黄色っぽくなっていますが、白色の品種のようで黒色との対比がくっきりとして素敵でした。



田植え直後の様子 1・・・巣伏の櫓(復元)です。

6月2日(田植え後)の様子・・・

北上川沿いの一角に跡呂井公園があり、その小高い丘にそびえる巣伏の櫓(復元)です。ここは今から1200年程前の古戦場跡であり、朝廷軍と地元の民が戦い勝利をあげた場所として史実に残っています。

朝廷軍の総大将は有名な坂上田村麻呂であり、地元の民(朝廷から蝦夷と侮蔑された民)の大将は阿弖流為(アテルイ)でした。

田んぼアートの場所は、櫓手前の田んぼ二枚(10アールと20アール)の場所になります。

田植え直後の様子 2・・・拡大すると何とかドラえもんの顔になります。 田植え直後の様子 3・・・二頭の鹿踊りの配置に見えるでしょうか。
田植え直後の様子 4・・・全体の様子。 田植え直後の様子では水がたっぷり張られており、細かい所までは分からないようです。20アールの田んぼにはドラえもん、10アールの田んぼには郷土芸能の鹿踊り二頭が配置されています。

最後の画像は全体を俯瞰してみた様子です。ビニールのテープで縁取りされているのが分かります。


6月26日の様子・・・

稲の株間が埋まってはいませんが、基本になっている周囲の「ひとめぼれ」よりも色取り取りの古代米が成長が早いようです。特にも、ドラえもんの表情がくっきりとしています。

書きながら思ったのですが、周囲の田んぼの「ひとめぼれ」は株間が埋まっています。もしかすると、対象となるアート画像を浮き上がらすために間隔が多くとられているのかも知れません。
26日後の様子 1・・・ドラえもんの顔。
26日後の様子 2・・・二頭の鹿踊り。太鼓の配置の違いがお分かりでしょうか。 26日後の様子 3・・・全体の様子。


7月14日の様子・・・

ほぼ完成に近くなってきました。今までは撮影するために訪れても、櫓の上は私一人だけでした。櫓に上って撮影していたら、同年代の女性が眺めていました。「今年はきれいですね・・」と話しかけたら、こんな事を教えてくれました。「田植えをした後で、何人かの人達でかなり植え直しをしたのですよ・・」、曲がっていたり倒れたりして大変だったようです。

多分ですが、この方は何回もここにお出でになって、稲の生育の様子を見ているのだなあと思いました。
44日後の様子 1・・・ほぼ完成ですね
44日後の様子 2・・・鹿の角や背中の長いささらがくっきりとなっています 44日後の様子 3・・・全体の様子。


アテルイの里・田んぼアートの見頃は八月頃までと言います。それ以後になると、稲の品種全てが大きく成長し倒れたりして境界線がはっきりしなくなるようです。昨年の「アテルイの顔」がそうでした。

櫓の最上階の手すりに、今回の具体的な設計配置の様子が書かれてあります。以下その内容を紹介いたします。

遠近法を使った図面・・・
真上から見ると、見た目以上にドラえもんは大きく田植えが行われています。

土地家屋調査士による杭打ち作業(最新の測量器械、GPSを使用)・・・
光波三台とGPSを使用し、区画のビニールひもに沿って約10センチ間隔でピンを刺していきます。約1700ポイントで、一点一点にピンを刺し、田植えがしやすいように目印にテープにピンに巻いております。

6月1日、田植え作業・・・
200名以上の方々により、田植え作業が行われました。6月1日の天気予報は雨でしたが、好天に恵まれました。田植えが終わったとき、しし踊りが披露されました。田植え後、二週間で6種類の稲が徐々に色を発色してきました。


家から30分以内の場所にありますので、快晴の時に出かけて様子を見たいなと思います。また、青森県の田舎館村田んぼアートにも出かける時期になりました。