子どもの頃の事ですが、今と違い大豆をフライパンなどで炒ったものをまきました。大豆を炒ると、色が変わり腹の部分に割れ目が出てきます。この豆を持って、部屋の中で「鬼は外、福は内」と大きな声で投げます。最後に、縁側や玄関を開けて「鬼は外・・」と大きな声を出すと、外の暗闇に本当に怖い鬼の顔が浮かび、慌てて戸を閉めた事が思い出されます。
豆まきの後は、年の数だけ豆をもらっておやつにしたことも、今となれば懐かしいことです。おやつなど無い時代のことですから、炒ったばかりの大豆はおいしかった記憶があります。また、もっとおいしくと言うことで、大豆と砂糖を炒り甘くして食べたこともありました。
あれからうん十年を経過した今、やはり年中行事でこの時期になると豆まきをしています。私の分担は築百年を越す母屋の分担です。かなり前から投げられる豆は大豆から落花生になっています。落花生は鬼に対して大豆よりも効き目が無く「やさしい」感じがします。鬼と一口に言うと悪役ですが、他人の心に住む鬼には厳しくても、自分の心に住む一番嫌な鬼には甘いのは誰しもです。
色々な事件が多く、嫌な鬼の住む厳しい世の中になっています。まず最初に、自分の心に居座っている一番嫌な鬼を「鬼は外・・」と追い出せる勇気を持ちたいものです。 |