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location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>民俗芸能アラカルト大船渡市・平組はしご虎舞>その2


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はしご虎舞に使われる梯子は二組あります。一組は高さが15m程、傾斜が60度(画像から測定)で上から少し下がった場所にネットを張った踊りが場があります。もう一つの梯子は高さ2m、長さ15m程の水平な梯子です。(ここに書いた数字はあくまでも推定です。)

10:00少し前でしたが、進行係の放送で平組はしご虎舞が始まるというアナウンスがありました。境内の空き地で演じられていた町内会の手踊りがぴたりと中止になりました。残念ですがはしご虎舞の解説等は一切無く、水平梯子の前では笛と太鼓のお囃子が始まりました。


先ほど神社で見た平組虎舞の才坊振りが水平梯子に登り、虎を梯子の上に誘い込みます。才坊の扇振りに合わせて、梯子の上でいろいろな演技をします。その後、才坊は餅をまきますが私の処には届きません。演技をする場所は梯子の中央ですが、柱の間に足を入れ身体を前後左右に大きく振り回しています。
水平はしご虎舞 1・・・梯子に登った才坊振りが虎を上に誘い込みます。 水平はしご虎舞 2・・・頭が低く、尾が高々に上がっています。
水平はしご虎舞 3・・・才坊と何かの語らいのように見えます。 水平はしご虎舞 4・・・餅が周囲にまかれます。あまり数が多くなかったようでした。
水平はしご虎舞 5・・・梯子の中央部での演技です。 水平はしご虎舞 6・・・衣をひるがえして梯子登りに向かいます。


虎が水平梯子上で演技をしている内に、口に榊(?)の枝をくわえた才坊は、するすると梯子の上まで登りました。梯子の先端部には籠が置かれ、ここから餅が周囲にまかれます。 梯子の上の籠から餅を取り出しています。 手にした餅は4回ぐらいまかれたようでした。


餅まきが終わった才坊は五色のテープを投げた後、右手に日の丸の扇、左手に榊の枝を持ち梯子の最上段に腹ばいになります。最上部をよく見ると、埋め込まれている梯子段の外側に丸い木がくくり付けられています。そして梯子を登ってくる虎に景気をつけています。

虎は登りながら周囲を見たり、身体を乗り出したりして登ってきます。才坊の身体を支えるものは何もなく、身体のバランスをとるのが大変です。先ほど説明した網の張った踊り場が安全ネット代わりになるのでしょうか・・。このシーンは最大の見せ場でもあり、はらはらしながら上を見ていた私でした。
虎を誘い込む才坊 1・・・五色のテープが投げられました。 虎を誘い込む才坊 2
虎を誘い込む才坊 3 虎を誘い込む才坊 4・・・狭い梯子の上で身体を水平に保つのは大変です。


才坊振りに合わせて、虎が一気に上まで登ります。虎に景気をつけていた才坊の居る場所が無くなりますが、梯子の上の段で足から網の張った台まで降ります。そして、登ってきた虎と場所が入れ替わります。
上まで登る虎 1・・・上に来る少し前の位置です。紅白幕の張られているところが網の張られた踊り場です。 上まで登る虎 2・・・口に榊をくわえて、虎と位置を交代します。
上まで登る虎 3・・・才坊は梯子にぶら下がりながら位置を交代します。 上まで登る虎 4・・・上まで登り切りました。ここでの演技はありません。

いよいよ最後の見せ場に入ります。先ほど傾斜角度についてふれましたが、およそ60度ぐらいあるようです。上から見たらほとんど垂直に見えるくらいの急傾斜になります。高所作業等でも言えますが、登るときよりも降りるときが大変です。この場合もただ降りてくるのでなく、才坊振り・虎舞の皆さんは演技をしながら降りて来ます。

たまたまでしたが、私が撮影している側に地元の方がいました。若い頃にはしご虎舞の経験がありそうな方が、「なんか、おんかながっているもな・・」、側で話している方が「○○さんの見てるがらな・・」そんな会話が聞こえてきました。ちょっぴりお酒を飲んでいたようですが、なるほどなと思ってしまいました。

それにしてもですが、60度近い傾斜の梯子をどこにも掴まらずに降りてくるのですから、見事な熟練技だと思います。
降りる虎 1・・・才坊が踊り場から梯子に戻ります。 降りる虎 2・・・両手に扇と榊の枝を持っていますので、どこにも掴まるところがありません。 降りる虎 3・・・早く降りて来いよとでも語っているようです。
降りる虎 4 降りる虎 5・・・上を見ながら降りますので慎重にも慎重です。 降りる虎 6・・・衣の中がどうなっているのか興味があります。
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