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<田植え>
苗の束を左手に持ち、何本かの苗を掴み、そのまま土に植えていきます。

苗が無くなると、腰に付けたかごから苗の束を取り、同じように植えていきます。単調な作業だけに腰が痛くなり、その場で腰を伸ばす回数も増えていきます。

<コビル>
田植え休みの一時に、おやつを取っています。コビル(小昼)とは、コビリとも言って当地方の(おやつ)のことです。

<稲刈り>
右手に稲刈りカマを持ち、すいすいと刈り取っていきます。

後ろにある案山子役の人は、ずーっとあの姿勢ですから大変だと思いました。

<稲こき>
足踏み脱穀機を使っての脱穀の描写であり、百姓踊りの最大の見せ場になっています。

稲束を持つ人の右足を踏むと、傘の中にいる人が傘を回し、もみを取った稲束はそばに捨てていきます。この破れ傘が、何とも言われない雰囲気を感じさせます。


<収穫>
軽々と米俵を背負っていますが、米俵一俵の重さは60kgありますので、誰にでも背負えるものではありません。

腰を曲げながら、重そうに動いているのはさすがです。

<収穫祭り>
フィナーレでの全員集合の場面でした。それぞれが使った農具を背負っての登場です。

二人の女性が入った胆沢牛と、豊作祈願の垂れ幕が印象的でした。



昔の農作業で踊り歌われている伝承芸能、楽しそうに踊られる様子を見ていると、農耕民族である我々の祖先の姿が浮かんできます。大昔から、人々の生活を土台で支えていたのは農民(百姓)でした。土地を耕し、そこに植えた作物の無事な生育と秋の収穫を願い、季節の節目節目で祝い・歌い・踊ることで秋の豊作を祈願してきていました。これは農耕民族としての原点であり、日本人の心の原点であると思います。

現在の農業は、以前の米作中心から多様に分化してきています。当然のことですが、機械化と共にかつての共同作業は見られなくなり、農家の子ども達であっても農作業をすることが無くなっています。先祖伝来の立派であった田圃も、生産調整の名の下に荒れ地になり、農地が宅地化されどんどん減少しています。

今は何となく忘れ去られ、失われつつある古き時代の農作業での歌や踊りが、心ある人々によって伝承活動として引き継がれています。これからどの様に生活様式が移り変わろうと、昔の人々の生き方に思いを馳せ、新しいこれからの生活に夢を託さなくてはなりません。まさに「温故知新」の心そのものであります。私はこの「温故知新」の言葉と生き方が好きです。ちびっ子達の拙いが真剣な演技を見ていて、この子ども達によって確実に継承されることを願わずには居られませんでした。

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