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        岩手田野畑村・鵜の巣断崖



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島越漁港入り口の松島、この左奥に集落があり観光船が発着しています。鵜の巣断崖展望台から3kmほど離れています。

三陸海岸の景観としての特徴は、宮古地区を中心にして北と南では大きな変化が見られることです。簡単に説明しますと、宮古以南の海岸は地形が沈降し入り組み典型的なリアス式海岸の様相ですが、宮古以北の海岸は海底が隆起して作られたために、容易に人を寄せ付けない断崖絶壁的な海岸線が見られます。

今まで何回となく国道45号線を走っていますが、何故かここ「鵜の巣断崖」へは足を向けていませんでした。田野畑村の観光名所に「北山崎」と呼ばれる場所がありますが、この場所は多くの観光客が訪れています。切り立った海岸線が200m程の断崖になり、太平洋に一気に落ち込む様子の素晴らしさに息をのむほどです。

国道45号線にある真木沢バス停から2km程海岸に進むと駐車場があります。駐車場からは徒歩で500m程進むと展望台に着きます。展望台迄の道路は散策道路といえるほどの快適な歩道で、ほとんど高低差が無く木材のチップを固めた歩道です。これならば車椅子でも安心して行けます。危険な場所には、車椅子は入れれませんと表示があったくらいでした。

鵜ノ巣断崖「鵜ノ巣断崖(うのすだんがい)」は、岩手県下閉伊郡田野畑村にある海岸景勝地。太平洋に沿って標高200mにも及ぶ大規模な断崖絶壁となっており、太平洋に突き出したような地形が特色。名の由来は中腹にウミウ及びカワウの営巣地があることに因み、鵜ノ巣断崖と名付けられたとされる。三陸海岸北部を代表する景勝地の一つで陸中海岸国立公園に属する。(※ウィキペディアから)



駐車場からは車が使えませんので、距離にして500m程を歩きます。ほぼ直線道路であり高低がありませんので、周囲の木々の緑を身体で感じながらのんびりと歩くことが出来ます。つきあたりにさんぽ道案内図があり、断崖から見下ろすだけでなく、実際に海岸線まで降りて散策できるコースの解説があります。

時間があればトライしたいなと思う反面、150mの崖の上り下りや往復を考えると思いつきでは出来ないようです。鵜の巣断崖から白池海岸まで延長3.2km、時間にして1時間30分ほどかかるからです。そしてここまで戻るとなると無理な話になります。
道路の奥が駐車場で、ここまで500mほど歩きます。 展望場所入り口にある案内板。 案内板の拡大です。


崖っぷちにはコンクリート製のフェンスがあり、頑丈な木材で作られた展望台が二カ所あります。広くて見晴らしが良いのは断崖側の方でした。たまたまでしょうが、ほとんど訪れる方が無くカメラを構えているのは私と息子の二人だけでした。からりとした青空はなかったのですが、展望台からの眺めは大変素晴らしく北山崎の方まで見えています。

展望台は二カ所にありますが、見晴らしの良い展望台は断崖に近い方であり、そこから20mほど離れた小さな展望台でも撮影が出来ます。撮影した画像からお分かりのように、奥の方に見えている島越漁港(松の小島)まで直線距離にして3kmほどあります。海岸線は一直線ではなく半島状の出っ張りが五つあることがお分かりかと思います。

展望台から撮影する限られた場所ですから、左右に動いてみたところで画像には大きな変化がありません。あいにくの曇り空ですが、特有の濃霧が無く遠くまで見えていたのが幸いでした。最後の二コマの画像は、200mmのレンズで引いてみました。


鵜ノ巣断崖一帯は、三陸海岸北部に見られる典型的な隆起海岸地形である。これは、一帯を構成する北上丘陵が、長い年月を経たことで海岸段丘面の波食の作用を受け形成されたものである。海岸段丘は、波食が緩やかな場所では低地部が残存したりするが、三陸海岸北部一帯は海流の影響などで波が荒れやすく海食、とりわけ波食が活発であり、また太平洋に面しているため、地震活動による津波の影響も受けやすい。

そのため、海岸段丘面の下部がほぼ全面に亘って削り取られたような形となっている。それゆえ、頂上部は平坦な丘陵地帯を形成するのに対し、ほぼ垂直に切り立った崖が展開される。また、このような作用から、この鵜ノ巣断崖はほぼ規則的に鋸歯状になっているのも特色である。これは、比較的脆い地盤が波食の作用を受けると、削り取られて窪んだ部分に波力のエネルギーが収斂されるからである。     (※ウィキペディアから)
鵜の巣断崖 1・・・鵜の巣断崖の定番画像になります。拡大すると、崖の途中で倒れている松の木が見えています。 鵜の巣断崖 2・・・五連の海に突き出した段丘部部。この高さが150m以上あると言います。
鵜の巣断崖 3・・・段丘とはるか遠くの北山崎方面を望みます。 鵜の巣断崖 4・・・6枚の画像で一番右に寄っているのですが、あまり変化が見られません
鵜の巣断崖 5・・・望遠気味に引いてみました。 鵜の巣断崖 6・・・縦位置の方が迫力があります。小島の近くから海岸沿いにさんぽ道路が見えています。


7月24日に発生した岩手北部地震で、鵜の巣断崖に今まであった亀裂が広がる可能性があると言うことで立ち入り禁止の場所がありました。ちょうど太平洋側に面する断崖の部分であり、立ち入り禁止のロープが張られてあります。多分ですが、この場所からは眼下に広がる150m下の景観が見られたはずです。安全な離れた場所から断崖の上部を見ると、これが崩落したら怖いなと思われます。

鵜の巣断崖看板脇の展望台、ただ風景を見るだけなら良いのですが目の前の松の木が気になります。撮影ポイントに邪魔だからの理由で伐採は出来ませんね、何しろ国立公園内ですから・・。設計するときに配慮が欲しかったと、勝手な思いでした。

いつの日にか、天候の良いときに訪れたいものです。そして島越方面から海岸沿いにさんぽ道を歩き、断崖を海沿いから見上げてみたいものです。

展望台と案内看板、遙か向こうは北山崎方面になります。 亀裂が広がり立ち入り禁止の場所です。
立ち入り禁止の海側の部分を眺める。この下が150mほどの断崖になっています。 鵜の巣断崖の南側の場所で、北側とは違った穏やかな表情の海岸線。