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          深浦町十二湖・青池


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外国人男性が一人で訪れていました。

青池を訪れたのは2004年の事でしたので、今回は五年ぶりと言うことになります。前回青池のページを造ったとき、タイトルを白神山地・青池としたのですが私の思い違いでした。安易に世界遺産の白神山地の中にあるとばかり思いこんでいた私です。地形的には白神山地山麓にありますが、世界遺産の指定場所からははずれています。想い出すと恥ずかしくなるのですが、世界遺産指定地域なら車の乗り入れは出来ませんし、通路や見学場所のフェンスなど人工的に手を入れることが出来ないからです。

そんな意味もあり新しいページで紹介したくなり、田舎館村に出かけた帰りに寄り道してみました。夏場とは言え、青池を訪れたのは午後4時過ぎでしたし、少々曇り空でぱっとしない日です。直射日光がないと冴えないだろうなと思った通り、見た目にはきれいには見えません。千葉から来られた方が、「五色沼の方がきれいだよ」と私に話しかけてきました。しかし、何故かデジタルカメラで撮影すると予想通りの色調が再現できるのです。

新しく整備された場所の上から撮影していたら、若い男性が一人やってきてじーっと湖面を見つめていました。私が撮影していることに気がついたのでしょうか、彼が後ろを振り返りました。なんとなんと、見学に来られた外国人の方でした。まさに青池も国際化しているなあと感心しました。


十二湖は、青森県西津軽郡深浦町にある複数の湖の総称である。白神山地の一角で津軽国定公園内にある。鶏頭場の池十二湖を構成するこれらの湖は、1704年の能代大地震による崩山(くずれやま)の崩壊で塞き止められた川から形成されたのではないかと推定されている。

十二湖という名称は、広大なブナの森に点在する33の湖沼が、「大崩から見ると湖沼数が12に見える」ということに由来するとも言われているが、詳しくは分かっていない。ただし、偶然にも面積が一万平方メートルを超える湖沼数は12となっている。

近隣にはブナ林が密集し、それらの水分の含有量が多いため、自然の造った水桶あるいはダムのようであり、しかも自然の浄化装置を持つとでも表現できるほどの水質の良い水が各所で湧き出している。湖の総数は約30あり、それぞれ透明度は高い。(※ウイキペディアより)



青池までの通路から 1・・・駐車場から見た森の博物館です。 鰺ヶ沢・深浦とR101号を南下すると、JR十二湖駅の近くに十二湖入り口の標識があります。そこから山道をおよそ4.5km走ると、森の博物館有料駐車場に着きます。

ここから青池方面には車で入られませんので、徒歩と言うことになります。前回もそうでしたが、ここには案内ガイドの女性が二人詰めておられました。
青池までの通路から 2・・・遠くに見えるのは崩山です。この時の土砂が十二湖を造ったらしいと言います。 舗装された快適な道路を進むと、左側には鶏頭場の池がきれいに見えてきます。案内板に書かれていましたが、かなり大きな池(池と言うには大きいのですが)が見えてきます。たまたま風がほとんど無く、池の水面に映る対岸の山々がすごくきれいでした。

道路前方には崩れた山の斜面が見えてきます。資料によると、1704年の能代大地震により崩れた崩山(くずれやま)であり、この時に崩落した土砂で十二湖が造られたのではと推定されています。
青池までの通路から 3 青池までの通路から 4
青池までの通路から 5 ここから右に12km程歩くと、十二湖リフレッシュ村に向かいます。青池には左側の道路を300m程歩きます。緑一色の森林の中を歩きながら、右側下には鶏頭場の池の水面が鏡のように対岸の山々を映し出しています。
青池までの通路から 6・・・水鏡があまりにもきれいでした。 青池までの通路から 7・・・逆光線に映える木々の葉がきれいです。
青池までの通路から 8 森林浴という言葉がぴったりのウオーキングコースです。曇っていて時間が少し遅かったのですが、行き交う見学の人達もかなりありました。

青池までの通路が舗装されており、五年前に訪れたときよりも歩きやすくなっていました。

青池入り口の看板 1 池の入り口広場には、以前にはなかった看板が色々ありました。

青池・・・
その名のとおり、透きとおった群青色の水面をのぞかせているのが、「青池」と呼ばれる「十二湖」の代名詞ともいえる名湖です。

面積約975u、最大深度約9mほどで、十二湖の湖沼群のなかでは特に大きい方ではありませんが、倒れたブナや遊泳する小魚が透けて見え、「青インクを流し込んだような」と形容される、その美しい青さの秘密は、現代科学でも解明することができておらず、訪れる人々を神秘と幻想の世界へと導いています。
青池入り口の看板 2 現地にあった白神山地世界遺産地域図です。この地図からお分かりの様に、十二湖・青池は登録地域らはずれています。もちろんですが、白神山地と繋がる麓にあることになります。

入り口広場から広場から進むと青池になります。以前にはなかった木製の階段道路が整備され、上の段と下の段から高さ(角度)を変えて観察することが出来ます。

青池入り口から池に進みます。 青池入り口から続く快適な通路です。突き当たりから上と下に分かれます。


青池の様子・・・

ここでは広角レンズと望遠レンズを使い分けて撮影しました。広角レンズでは可能な限り青池と周囲全体の様子、望遠レンズでは池の水面に写る周囲の風景と、水面下に沈んでいる古木の様子を撮影しています。しかし、午後4時過ぎになると太陽の高度が傾き池に対しての光量が減少します。そのせいでしょうが、肉眼で見た目にはきれいなコバルトブルーには見えないのです。

たまたまでしたが、千葉から見に来たという男性が「福島の五色沼の方がきれいだね・・」と話しかけてきました。私は思わず「そうですね。光線の関係で見た目には青くは見えませんが、カメラにはきれいに写っていますよ・・」と話したら笑っていました。実際にそうなりますので不思議というか、デジタルカメラの特性に助けられると言うことなります・・。

いつも同じ事で悩みますが、緑の森林の中で人物や風景を撮影すると、決まって緑一色にフィルターを掛けたようになります。私達の目は自動的に色調の補正をしてくれるようですが、カメラの目はその色光の通りに記録します。実際には画像処理をして自然の色に近づけますが、これもかなり手のかかる作業になります。

今回も広角レンズでの撮影は、この影響が強く出て緑の色調が強い画像になっていることをお許し下さい。


広角レンズ見た青池全体 1・・・青池の看板です。 広角レンズを使用して撮影した池全体の様子です。

青池のきれいな看板です。池を眺める見学通路も木製の階段で、高いところと低い所の二段になっています。以前は木の根が張り付いていて、狭い場所を歩きながら撮影した記憶があります。
広角レンズ見た青池全体 2・・・撮影していたことに気がつきひょいとこちらを向いてくれました。 トップページ表紙に使用した画像です。新しく整備された上の通路で撮影していたら、若い男性が一人やってきてじーっと湖面を見つめています。

私が撮影していることに気がついたのでしょうか、彼が後ろを振り返りました。なんとなんと、見学に来られた外国人の方でした。一人での散策のようでした。

最初にお断りしましたが、以下の4コマの画像も緑が強い表現になっています。肉眼で見たときはそれほどではないのですが・・。
広角レンズ見た青池全体 3・・・外国人男性が眺めていた場所です。 広角レンズ見た青池全体 4
広角レンズ見た青池全体 5・・・ 広角レンズ見た青池全体 6・・・下側の通路。

望遠レンズで、池の水面に写る周囲の風景や水面下に沈んでいる古木の様子をねらってみました。水面に映る周囲の木々の様子は良いのですが、水面下にある古木や魚影ははっきりとはしません。

やはり、太陽光線で湖底が見えないことには無理でした。前回訪れて時は、湖底に沈む古木や木の葉、泳いでいる魚まで見えていました。
望遠レンズ見た青池水面の様子 1・・・対岸の木々が写っています。
望遠レンズ見た青池水面の様子 2・・・池の上に張り出している枯れた木のこけが映えています。 望遠レンズ見た青池水面の様子 3
望遠レンズ見た青池水面の様子 4 望遠レンズ見た青池水面の様子 5・・・何とか水底に沈む古木が見えていました。
望遠レンズ見た青池水面の様子 6・・・左側が白っぽくなって見えます。 気のせいでしたが、何となく水面に白い霧状のものがあり何故だろうと思っていました。

池の撮影が終了してから、入り口広場でしばらく眺めていたら不思議なことを発見しました。以前は無かったのですが、入り口付近に立ち入り禁止のロープが張られてあります。側に行ってみたら青池の端の方が細長くなって水際まで行けるのです。

カメラを水面レベルにして撮影ようとしたら、思わず「うーん、何でこうなるの??」とうなってしまいました。入り口の水面レベルから見た青池は、水面から1m位の高さまで白いガス状に霧がかかっていたからです。

入り口から奥の方に青池を見たら、いm以上の高さに霧状のガスがかかっていてびっくりです。
少し高いところから見下ろしたら、霧状のガスが減りました。 何でだろうと思い、少し逆戻りをして上から見下ろすとガスが見えなくなり何となく青池に見えてきます。

梅雨明け前の湿気の多い時期だと言うことと、気温が高いせいで水面から水蒸気が出ているのかなと思ったわけです。

五年前に訪れたのは、新緑の6月と紅葉の10月でした。前回はこのような現象はありませんし、気がつきませんでした。


青池の水面が見せるコバルトブルーの吸い込まれるような発色、科学的にも解明されていないと言います。しかし、池の水面が見せる特有の発色は、太陽光線の青色色光を強く反射させるから見えることになります。温泉等で見かける銅イオン特有の色とも関わりがありそうですが、詳しいことは私にも分かりません。

池の上から眺めていると、池の周囲よりも深くなっていくにつれて青色が特にもきれいです。水深と太陽光線の反射が、池の水に含まれる特有のイオンによると思われます。きれいなコバルトブルーの湖面が見られるのは、木の葉の茂っていない春から新緑の頃か木の葉が落ちた紅葉後の時期、それと一番肝心なのは晴天で木漏れ日が差すような時間帯(10:00〜14:00)でないと、吸い込まれるような青色には見えにくいなと思いました。しかし、何故かデジタルカメラではきれいに写るのです・・・。


何回か訪れて納得できる湖面を撮影したいのですが、岩手江刺の家から3時間半ぐらいかかります。次回は機会があったらと自分に言い聞かせております。

最初に訪れた2007年6月の様子はこちらから御覧下さい。