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         大鳴門橋遊歩道・渦の道


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鳴門側から見た大鳴門橋です。橋脚の上を車が走っていますし、その下の鳴門海峡の流れが素晴らしい景観を見せています。

太平洋と瀬戸内海の潮位(干満時)の差による海水の移動により、淡路島と徳島県の狭窄部(鳴門海峡)に巨大な渦が発生することは子どもの時から知っていました。昔の小さな漁船(さっぱぶね)で漁をしていて、渦の発生に気がつくのが遅れ帰らぬ人もあった等々書物等に書かれてあり読んだ記憶があります。

所属するグループの旅行で現地を訪れたのは今回で二回目になります。平成元年に訪れたとき鳴門大橋は完成していましたが、橋橋脚下に作られている遊歩道などはありませんでした。この時は観潮船に乗り、海流の流れの中に発生する渦を間近で見て感動した覚えがありました。

今回は時間の関係もあり観潮船には乗りませんが、10年前に完成した大鳴門橋遊歩道・徳島県立渦の道を歩き海面から45mある場所からの見学です。台風9号の接近もあり、ものすごい風で飛ばされそうでした。


※実際の撮影には、空と海の色を強調するために偏光(PL)フィルターを使用しています。したがって、普通に撮影し
  たときとは色調が違うことをお断りします。



大鳴門橋・・・

伊丹空港から一路淡路島に向かい、明石海峡大橋を通過し鳴門市に向かうために大鳴門橋を渡りました。

大鳴門橋は、兵庫県淡路市門崎と徳島県鳴門市間の鳴門海峡両端を結ぶ吊り橋です。昭和60年(1985)6月8日に開通しました。全長が1629mあり、二本ある主塔の高さ(海面から)が144mあると言います。

バスのフロントガラス越しの撮影ですので、思うような色合いになりませんでした。
大鳴門橋 1
大鳴門橋 2 大鳴門橋 3
バスの窓から見た鳴門海峡の潮流。 かなりのスピードで走っていますが、釣っているワイヤーの間から潮の流れを眺めてみました。これから満潮時になりますので、太平洋側から瀬戸内側に海水が移動し川の流れの様に見えています。

大鳴門橋を渡り、鳴門北ICから一旦下りて鳴門公園口に向かいました。


鳴門の渦潮・・・

鳴門と言えば渦潮と言われるほど有名。瀬戸内海と紀伊水道の潮の干満によって、狭い鳴門海峡に1.5mもの落差ができ、すさまじい勢いで潮が流れることにより無数の渦が生じます。春と秋の大潮時には、直径20m以上の大きな渦に出会えることもあります。その迫力を間近に味わうなら観潮船がおすすめ。轟音を立て逆巻く渦に吸い込まれそうなスリルを体感できます。


鳴門海峡・・・

鳴門海峡は、孫崎(鳴門側)と門崎(淡路島側)に挟まれた、幅1340mの狭い海峡です。この海峡の鳴門側から約200mの所に裸島、淡路島側から約300mの所に中瀬と呼ばれる岩礁があり、その中間はV字型に深く落ち込み、最深部は約90mにも達します。また、海峡の南側には水深140m、北側には200mの海釜(凹んだところ)があり、この鳴門海峡独特の海底の地形が潮の干満に伴う海水の流れと合わさり、鳴門の渦潮を発生させています。

鳴門海峡に発生する渦潮の大きさは最大直径20mにも及び、世界でも最大規模と言われ、大潮の時の最大流速は時速20kmにも達し、この激しい潮流から発生する轟音から鳴門(鳴る瀬戸)の名が生まれたと言われています。

(※頂いた案内資料から)

大鳴門橋・渦の道・・・

大鳴門橋橋桁空間内に設置された海の上の遊歩道で、鳴門側主塔橋脚先450m先に展望室があります。展望室までは、金網越しに太平洋、瀬戸内海の雄大な景色を見ながら散歩できます。

入り口上の看板に、渦の道は開館10周年と書かれてありました。
渦の道の標識
渦の道遊歩道入り口です。 画面右端の看板に、今日(9月6日)の干満時刻が書かれてあります。渦の見ごろ時刻は、10:10、16:40の大潮前後2時間となっています。訪れたのが14時過ぎですから、満潮(上げ潮)へ潮の流れが始まったばかりのようでした。

遊歩道は両側が金網張りになっていて、足下の通路脇は一部ですがガラス張りになって見下ろすことができます。

天気は良かったのですが、台風接近間近であったことや風の通り道でもあり、かぶっている帽子が飛ばされそうな状態でした。
渦の道通路 1 渦の道通路 2
ガラス床から見下ろす45m下の激しい潮流 450m先の展望室に行くまで、4ヵ所ほど休憩室があり通路に畳一枚ほどの大きさのガラス床があります。

ガラス床から見下ろす45m下の激しい潮流は、見下ろす人をとりこにさせます。割れないように金網の入った強化ガラスですが、撮影する立場になると少々目障りになりました。
鳴門側の橋脚と上に架けられている橋桁の部分

戻ってくるときに見た鳴門側の橋脚と上に架けられている橋桁の部分です。

資料によると、橋の幅は25m、主塔の高さは144m。橋は上下2層式となっており、上部は片側3車線の道路(現在は計6車線の内、中央4車線を使用)。

下部は将来的に鉄道 (四国新幹線)を通すことが出来る構造となっている。


休憩室、展望室から・・・

450m先の展望室は、太平洋側、瀬戸内側とも望める最高の眺めになります。畳一枚ぐらいの大きさがあるガラス床からは、45m下の激しく渦巻く海面を覗きこめますし、両側にあるガラス越しに太平洋側と瀬戸内側を見ることが出来ます。

干潮(南流)時は太平洋側に、満潮(北流)時は瀬戸内海側に渦が発生すると言います。
飛島と海水の流れ 1
潮の流れの拡大 1 渦の道を歩き始め太平洋側を見た様子です。金網越しですが切り取ってみました。

鳴門海峡と太平洋側にある飛島の間が潮流の流れる場所で、画面から見て右から左に海水が流れています。


下の画像二コマは、岸と橋桁中央付近からの眺めになります。波頭の前の方は、海水が流れている様子が分かります。
飛島と海水の流れ 2 潮の流れの拡大 2
ガラス床から見た潮流 1 ガラス床から見た潮流です。画面左から右の方へと海水が流れています。気をつけてみたのですが、渦の部分は見つけられませんでした。
展望室から見下ろした海面、うずが生じているのが分かります。 渦が発生していないかと撮影した画像をチェックしたら、何となく渦状になっている部分を見つけました。画面中央の右上の部分ですが、気をつけてみると右巻きの部分がありました。

平成元年・観潮船から・・・

職場の旅行で訪れたのは平成元年10月頃だったと思います。琴平町金刀比羅宮を参拝し、高松市栗林公園を散策の後、鳴門の大渦を見るために観潮船に乗りました。

海水の流れによって渦が生じますが、ここで見たのはすべて右回り(時計回り)の渦でした。下の二コマは明らかに渦が右巻きになっている状態です。

渦の直径は10m以上あるのでしょうか、中心に向かって落ち込んでいることが分かります。観潮船はほぼ近くまで接近しゆっくりと走りながら通過していきます。
大鳴門橋の下から見上げる。
小さな渦 1 小さな渦 2
かなり大きな渦です。中央が凹んでいるのが分かります。

観潮船・・・

展望室から海面を見ていたら、大型の観潮船がやってきました。白波の立っている部分が激しい流れの部分ですが、緩やかな流れの場所からゆっくりと本流に入っていきます。

船尾には、「わんたーなると 鳴門」の文字が読み取れました。風が強かったせいでしょうか、船縁に出ている方は3人ほどでした。


大型観潮船 1
大型観潮船 2 大型観潮船 3
こちらは高速船です。海面を滑るように走ってきました。本流に近くなると、船首から両側に水が飛び散ります。デッキに一人の方が出て見ていますが、風としぶきがかかると思われます。

船室キャビン内にはかなりの方が乗っています。船体には、「UZUSHIO LINE」と書かれてあります。大型船よりは迫力がありそうです。
高速観潮船 1
高速観潮船 2 高速観潮船 3


展望台から・・・

遊歩道・渦の道入り口の側に展望場所がありました。この広場には、「名勝 鳴門」と刻まれた巨大な自然石があります。

目の前の大鳴門橋と鳴門海峡の眺めが素晴らしく、記念撮影の場所になっています。
遊歩道・渦の道入り口の側に展望場所
渦の道展望場所からの眺め 1 二本ある主塔の間は876mあり、その下を干満時前後に海流の激しい流れが生じます。小さな船ですと航行に支障がありそうですが、大型船になると流れに逆らわない限りは安全なのでしょう。目の前をタンカーがゆっくりと進んでいました。

下の画像二コマは橋脚の様子を拡大してみました。本来の吊り橋だけならば、頑丈な橋脚部分は必要がありません。車が走るのは橋脚の上の部分であり、橋脚の中は列車が通行できる設計だと言います。
渦の道展望場所からの眺め 2 渦の道展望場所からの眺め 3
渦の道展望場所からの眺め 4 鳴門海峡に架かる大鳴門橋、下を流れる海流とのバランス、今回一番のお気に入り画像になります。少々絵葉書的構図になりますが、向かって右側(太平洋側)から左側(瀬戸内海)に流れる海流の様子もうかがえます。

あと二時間ほど経つと、大きな渦が見られるはずでしたが仕方ありません。

また、橋脚の中を走る「四国新幹線」の構想はほとんど望みがないようです。何故ならば、本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は、列車通行の計画なしに架橋されているからです。