location:uchinome.jpトップ>自然の表情>風景の表情>福島下郷町・塔のへつり |
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福島県会津若松市の南に位置する下郷町には、大川(阿賀川)の渓流が百万年の年月をかけて浸食・風化してつくられた景観「塔のへつり」があります。タイトルにある「塔」は、橋を渡った対岸にある浸食されて造られた石の柱のことを 「へつり」とは、地元の方言で険しい崖のことであり、一帯は凝灰岩、凝灰角礫岩、頁岩などが互い違いになっている。その軟岩部が、長年の歳月による浸食と風化の作用によって形成された柱状の断崖である。(※ウイキペディアより) |
休憩所から対岸に向かう入り口です。バスガイドの方が笑いながら話していましたが、へつりという言葉の漢字が難しくて読めなかったと言います。案内板の文字にご注目下さい。
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タイトルにある「塔」は、橋を渡った真上にある浸食されて造られた石の柱であり、規模は違いますが同じ形のものがずらりと並び、それぞれに名前が付けられています。本来の石塔の姿は、冬から春先にかけての時期がはっきり確認できると思います。 それにしても、気の遠くなるような時間の経過により造られた奇岩とでも言いますか、その形状の異様さには驚かされます。ちょっと見ただけで、良く崩れないなあと言うのが第一印象です。大小様々な板状の岩石が、不安定ながらも崩れることなく積み重なり、その姿を保っているのですから驚く他はありません。 |
対岸の浸食された部分に行くために吊り橋を渡ります。吊り橋ですから、多くの人が渡るとかなり上下に揺れます。しかし、橋の上から見た両側の景色が素晴らしいのです。 |
橋を渡り来ると、浸食されてけずられた岩石の通路を通ります。通路の端にはフェンス等がありませんので、景色に見とれているとかなり危険です。 個人的にはこの浸食部にすごい関心がありました。この部分だけに居ると、大好きな鍾乳洞に入っている様な錯覚に陥ります。可能な限り接写で撮影してみました。岩石の組成が凝灰岩、凝灰角礫岩、頁岩等の堆積岩であり、互い違いに堆積している。そして軟らかい岩石の部分が川の流れによって浸食され、川底の沈降により上に出た部分が風雨で風化して造られたと言います。 |
橋を渡ったところから崖の上に登ることが出来ます。そこには洞穴状の窪みがあり、虚空蔵菩薩を祀った祠があります。大同二年、坂上田村麻呂将軍が東征の折建立したと書かれてあります。そして、昭和45年七月、高松宮殿下が御参拝したという札が掲げられたありました。案内板の文字を読んでいると、歴史的にも由緒がある場所なんだなあと見とれてしまいます。 |
穏やかな流れの大川(阿賀川)の渓流です。現在も川沿いの岩盤部が浸食され深い溝のようになっていますので、これからうん十万年後には同じ景観になると思われます。 |
帰りは会津若松市まで列車に乗りました。たまたま選んで乗ったのがトロッコ列車(会津ろまん 風号)です。3両編成の中央にトロッコ列車が連結され、私達はトロッコ部分に乗りました。屋根はあるのですが窓ガラスが外され、外のさわやかな空気が入ってきます。ちょっと肌寒いくらいですが野趣満点の乗り物です。料金は乗車券プラス300円だったと思います。 |