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         八戸市・八戸キャニオン



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「八戸キャニオン」とは、青森県八戸市にある露天掘りの鉱山である。住金鉱業株式会社が経営する石灰岩の採掘現場である。人工ではあるが日本一標高が低い(地上の)地点が存在し、その深さは海抜約マイナス160mである。 もっと掘り進めるとのこと。 地元では、八戸キャニオンと呼ばれている。
(※ウイキペディアより) 

住金鉱業の鉱山は、露天掘りの石灰岩鉱山であり、毎日一回の発破によって石灰岩を採掘し、お客様の要求する大きさにして出荷されます。鉱山から港及びセメント工場には、地下にある約10kmの長距離ベルトコンベアにて運ばれます。(※展望台にある説明板より)


5月の末に、ほっづぎある記で紹介した住金鉱業露天掘りの石灰岩鉱山「八戸キャニオン」です。現場は、八戸市街から階上町に向かう広域農道脇にあり、掘削現場は階上町になります。

農道脇に巨大な石灰岩の固まりがあり、そこに展望台と書かれた採掘場入り口の大きな看板があります。そこから少し入ったところに展望台があります。鉱山の入り口ですから、ひっきりなしに大型ダンプが行き来しています。
階上町に向かう途中にある展望台入り口の看板。 住金鉱業鉱山入り口の道路。このまま進みます。


駐車場と鉄骨で組んだ展望台があります。この上から眺めると足下部分は見えませんが、掘削部の様子が一望できます。あまりにも広い範囲なので、全体を撮影することはほとんど無理になります。展望台の下の部分にパネルが展示されており、この場所の詳しい様子が解説されています。

掘削部を上から見た様子が大きな掲示板になっていて、側には説明用の案内放送が設置されています。ボタンを押すとしばらくの間解説が流れる仕組みになっていました。

展望台左に置かれている90トン巨大ダンプのタイヤが大きいのです。同じダンプは、家の近くで工事中の胆沢ダム現場にもあり、1台およそ1.5億円、タイヤの直径が2.7mで価格が120万円するとのことでした。

掲示板にはこんな注意が書かれてあります。・・・展望台御利用の皆様へ・・・当社休日以外は、12:10頃に発破を行ないますので、11:45〜12:30は展望台から退場してください。

駐車場から見た展望台です。巨大なタイヤが目立ちます。 展望台案内と上空から見た写真。 上空から見た露天掘り鉱山の全景。


展望台から見た現場の左側の様子です。 展望台から見た現場の左側になります。すり鉢状に掘削され、巨大ダンプが通れる道路が作られています。展望台からは、かろうじて掘削の底面が見えます。現在の掘削深さはマイナス160mあり、4月の時は150mと書かれてありました。
ほぼ中央部の様子です。拡大すると、0mの表示が見えます。 ほぼ中央部の様子です。詳細に調べてみると、階段状の部分が12段ありますので、一段あたりの高さは10m以上になるのでしょうか・・。現地の案内放送によると、今後どんどん掘り下げていくとのことです。

言葉ではマイナス160mと言いますが、現場でしっかりと見回すとその壮大な光景に圧倒されてしまい、言葉が出ません。とにかくでっかいのです。
右側の様子です。一部ですがパイプラインが見えています。 右端近くの様子、底面にパイプラインがみえています。画面の右上に大型90トンダンプが見えていますが、あまりの広さにプラモデルぐらいにしか見えません。


掘削部左(東)側と、ほぼ中央部分の切り通しの様子です。画像の上の部分に90トンダンプが2台、石灰岩の運搬のために動いています。中央部分の画像を見ると、その少し下に「0m」と書かれた表示があります。この場所が、海面の高さと同じと言うことになります。この場所から底面までの深さが、最大で160mあることになります。

そうすると「0m」地点から底面まで160m、掘削地表まで20m以上あります。地表にぽっかりと空いた巨大な穴、深さ200m近くの穴の全景を見る場所はありません。もしかして、上空を通る飛行機の乗客からは、驚くような景観が眼下に広がって見えるのでしょう。こんな様子から、八戸キャニオンと名が付いても不思議ではありません。

左側の切り通し垂直部分の様子。 0mの表示のある部分よ様子


展望台付近は岩石公園があり、この場所の地層の様子、石灰岩や化石の説明があります。

当鉱山の地層は、ほぼ標本が示す角度(傾斜45°)で東から西に沈み、中央の「石灰岩」をはさんで上盤(石灰岩より新しい)は向かって右側の「輝緑凝灰岩」、下盤(石灰岩より古い)は左側の「粘板岩」です。
(※岩石標本案内板より)


標本の岩石がきれいに並べられてあり、よく見るとすべて一定方向に傾いています。この傾き(45°)がこの場所の地層の構成と言います。地層累乗の原則により、下になっている部分が古いと言うことになります。左側から力が加わり、押し上げられていることになります。日本列島の下に太平洋プレートの潜り込みがある証拠がここにもあり、私にとってもなるほどなあという発見でした。

岩石園 1・・石灰岩が積まれて整備されています。 岩石園 2・・ごろごろとある岩石が石灰岩です。
岩石園 3・・岩石標本の看板と、地層傾斜の説明になるほどなと思いました。 岩石園 4・・岩石標本では一番新しい輝緑凝灰岩(火山灰の堆積が岩石化したもの)です。