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        2008厳冬の小岩井一本桜


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吹雪いている岩手山、真っ白な雪原に立ち春を待つ一本桜です。

2月7日のことでしたが、天気が良かったので小岩井農場で開催されている岩手雪祭りに出かけてきました。我が家の子ども達が幼かった頃、ソリを持って遊びに行きましたし、雪像のライトアップを見に出かけたこともありました。夕方近い時間帯でしたが、雪像を見る前に雪の中に雄々しく立つ一本桜を撮影しました。ここでは厳冬の小岩井一本桜とタイトルを付けましたが、厳冬の岩手山と風景の中の一本桜を紹介します。

昨年のNHK朝ドラマ「どんどはれ」の影響で、岩手の小岩井農場一本桜が全国放送され一躍有名な観光スポットになりました。今までは道路に車を止めてしか撮影できなかったのですが、昨年からは駐車場が完備され安心して見学出来るようになっています。しかし、本当に残念なことでしたが、皆さんの期待に反して桜の花はほとんど見られませんでした。

開花の少ない最大の理由は、山地に生息する野鳥「うそ」に開花前の花芽がほとんど食われてしまい、せっかく訪れた皆さんの目を楽しませてはくれませんでした。これは見方を変えると自然現象でもあり、小岩井の一本桜だけでなく周辺の桜とて同じだったと言います。


植物の生態に詳しい方のお話ですと、毎年沢山の花芽を付けて開花すると樹木の活力が落ちると言います。また、観光名所になった一本桜ですから、何とかして「うそ」の被害から花芽を守ろうという話もあります。「うそ」にとっても生きるための餌としての花芽なのです。観光対象や人間の綺麗なものを見たいという欲望心だけから、餌を求める「うそ」を害鳥扱いするのは間違っている・・・、そんな話題も出ていました。

一本桜の撮影は、草原に入っての撮影は出来ません。前回も書きましたが、道路脇の農場に柵があり撮影場所が限定されます。ですから、桜に向かって右端、中央、左端の三カ所が撮影場所になります。50m程の移動距離ですが、桜の木と後ろにそびえる岩手山の関係が微妙にずれてきます。高さの変化は背の高い三脚を使用するか、コンクリート製の柵に上がるしか方法がありません。

一番大切なのは天候ですが、必ず晴れてくっきりとした岩手山がいつも見えるとは限りません。盛岡近郷の方は良いとして、私の所からは岩手山のライブカメラを見て撮影に移動するのも一つの手段です。


右端からの様子 吹雪いている岩手山、真っ白な雪原に立ち春を待つ一本桜です。昨年もでしたが、関係者以外立ち入り禁止の場所に大型車の入ったような痕がありました。一般の方が雪原に入ることは考えられないので、農場関係方が目的があって入ったものと思います。
中央部からの様子 中央に移動した画像です。一本桜が岩手山頂側に寄ってきます。あいにく雲がかかりよく見えませんが・・。
左端からの様子 左側に移動した画面です。この左側はカラ松林になります。雪がないときは草木が生えて邪魔になるところです。

ここにも人の歩いた痕が通路になっていました。多分ですが、撮影する方が入ったものと思われます。少し前まではヤブの中は歩けましたが、今は完全に立ち入り禁止になっています。

桜の全容 望遠レンズを使って一本桜の全体をアップしてみました。後ろに見える岩手山の様子が見えてきました。左側は網張りスキー場ですが、現在は閉鎖されているはずです。
根元部分の様子 さらに拡大してみました。幹の根元に縄が巻かれていますし、下の方の枝に鳥が留まっているように見えるものがありました。

今年は「うそ」が花芽を食べないように、ビールのテープを貼って驚かすような方法がとられると聞きました。望遠レンズで撮影した画像には、それらしい対策が見られます。
一本桜と岩手山山腹 一本桜左に置き、岩手山の厳しい冬の風景との対比です。天気は良いのですが、雲が横に流れていますので山の中は風雪なのでしょう。
厳冬期の岩手山 山頂部に雲がかかりはっきりとはしませんが、崩落した谷に尾根の影が映っています。青空と山頂部のコントラストはすごく魅力的ですが、この風景も厳冬期ならではのものです。