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       仙北市西木・かたくり群生の郷


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一面に咲き乱れるカタクリの花。
昨年から行ってみたいなと思っていた仙北市西木地区のカタクリでしたが、気がついたときはすでにシーズンオフでした。今年は欲張って、八幡平の雪の回廊と西木地区のカタクリと言うことで予定に入れていました。八幡平アスピーテライン雪の回廊は、天候の変化が激しく雨模様等で23日は通行止めとのことで、動き出した24日の午前中も解除になっていません。天候条件が良いので午後には通れるだろうとなり、先に西木地区のかたくりの郷を訪れました。

かたくり群生地・・・
カタクリは地元では「カタッコ」「カタンコ」と呼ばれるユリ科の多年草年草。特産の西明寺栗を栽培する栗林に自生しており、その規模は20ヘクタールにも及びます。これほどまでに群生した理由としては、栗の木の剪定や間伐により日当たりが良くなり、また徹底した肥培管理で堆肥が群生に適した栄養分になっているためと思われます。

カタクリが発芽してから開花するまでには約8年かかり、また種子はアリによって運ばれます。4月中旬から5月上旬にかけて「八津・鎌足 かたくり群生の郷」が開園されます。西木町の特産品である西明寺栗の栗林に、密度・規模ともに日本最大級の薄紫色の可憐なかたくりの花が群生しています。(※仙北市HPより)


この画像は、人気のスポットと案内にあった八津中心コースの久兵衛と表示のあった場所です。望遠レンズで撮影しましたが、中心にしかピントががっちりと合っていません。



盛岡から角館に向かうR46号を走り、角館からR105号を走るとほどなくして西木地区になります。道路脇には新しく作られた「かたくりの館・鎌足和紙体験館」があり、かたくりの郷のかわいいらしい幟が道路脇に立っています。

駐車場はかなり広くて関東地区の車もかなり駐車していました。館正面に受付がありお話を聞いたら、「車で入りますか?」と聞かれ案内資料を頂きました。「車で回れますので、案内の通りに進むと受付があります」とのことでした。

踏切を渡りかなり狭い道路(車一台分)を進むと受付になります。ここで一人300円の入場料を支払います。カタクリを含めて山全体(20Ha)が、杉林と開けた所に栗が植えられています。途中に鑑賞ポイントがかなりありますが、車を止めてゆっくりと鑑賞出来る場所はほとんどありません。

かたくり館駐車場。可愛い幟が目印です。 かたくり館の正面です。中には入らなかったのですが、産直のような感じでした。
車入場の受付です。ここからは道が細くなります。 注意事項の拡大です。

入園券、きれいなカタクリです。

入園券と園内案内マップです。鑑賞コースはA〜Eまであります。徒歩観察ならともかく、車で動くとなると駐車場の広い場所は限られますので、私はBの鎌足中心コースとDの八津中心コースを見ただけになりました。

しかし、徒歩でくまなく観察するとなるとかなりの距離を移動しなければなりませんし、咲き出す時期のずれ等で大変だと思われます。

かたくり群生マップ、これを見ながら売るまで移動します。


通路の両側は栗の林であり整然と植えられています。栗の木の下がびっしりと薄紫色のカタクリの花で埋まっています。あまりの数の多さにしばし圧倒されてしまいます。よく見ると、開花が終わりに近くなり花びらの先端が枯れかかっているもの、結実しかわいい実がはっきり分かるもの等々です。しかし、全体に目をやると、今が盛りのかたくりの絨毯であり、多くの皆さんがカメラに納めていました。

栗の木はここだけの品種・西明寺栗であり、やっと芽吹きだしたばかりです。栗林とかたくりの組み合わせ、なるほどなと思いました。私もカタクリの繁殖には興味があり、15年ほど前から播種をしてやっと咲き出したと思ったら、翌年は野ねずみに食われて発芽しない。ここでは、木の下にイガと一緒に栗の実がかなり落ちていたし、ネズミの穴もかなり見つけることが出来ます。

鎌足中心コース 1・・・駐車場脇の東屋で、休憩しながら飲食していました。 広い駐車場があり、ここに車をおいて観察することにしました。案内図では鎌足中心コースとなっていて、二番咲きの場所とのことでした。

駐車場は小高い丘の上にあり、この場所からはほとんどカタクリは見えません。遙か向こうに紫色の場所が見えているので向かってみました。

程なくして立て札があり、茂左ェ門と書かれた場所に出ます。
鎌足中心コース 2・・・茂左ェ門コースです。昔の人の名前のようです。 鎌足中心コース 3・・・通路にはビニール紐が張られています。見事な栗の木が沢山ありました。

通路の両側は栗の林であり、整然と植えられています。木の下一面にびっしりと薄紫色のカタクリの花で埋まっていいます。あまりの数の多さに「すごいなあ・・」としばし圧倒されてしまいます。

よく見ると、開花が終わり近くなり花びらの先端が枯れかかっているもの、結実しかわいい実がはっきり分かるもの等々があります。しかし、全体に目をやると、今が盛りのカタクリの花の絨毯であり、訪れた皆さんがカメラを向ける気持ちが分かります。

鎌足中心コース 4・・・カタクリの花の絨毯ぴったりの感じです。
鎌足中心コース 5 鎌足中心コース 6

この広い面積が栗の実とカタクリの球根だらけならば、ネズミに食われる分なんて気にならないだろう。ネズミとカタクリ、そして栗の実とうまく共存できているなあと妙なところで感心した私でした。

足下にウスバサイシンの株を見つけました。側には立て札があり、カタクリの受粉を助けるヒメギフチョウの食草ですと書かれてあったが、肝心のヒメギフチョウは一頭も見つかられません。すでに羽化して産卵が終わったものかどうかは分かりません。

いつもの私ならば、ウスバサイシンを見つけると葉っぱを裏返しにして見る癖があります。ここでは人目もあり遠慮しましたが・・。一頭も見えなかったと言うことは、これから羽化するのかもしれません。この広い場所に、ミツを求めて飛び交う数多くのヒメギフチョウの可憐な姿は、想像しただけで圧巻だろうなと思われます。

鎌足中心コース 7 鎌足中心コース 8・・・ヒメギフチョウの食草ウスバサイシン。


鎌足地区の次は八津地区に向かいました。園内は一方通行であり、標識のある場所には案内人が居て親切にガイドしてくれています。車から見ていると良い場所があちこちに見えますが、止められないことと駐車スペースがわずかなので(4台ぐらい)、先客があり入られません。やっぱり、かなり歩くことを前提にしないと気に入った場所での撮影は出来ないようです。

最後の八津中心コースに入る。たまたまでしたが駐車するスペースがあり、ゆっくりと降りて観察することが出来ました。案内図には「人気のスポット・絨毯のように咲く様は圧巻」と書かれてあります。上に行ってみると文字通りの場所であり、そんなに広い場所でなく道路から斜面を登るだけなのです。上の方は杉林があり、伐採された部分にきれいに整備された栗林になっています。

標識では久兵衛となっています。案内図を見ると、昔風の名前がずらりとあるのですが、人の名前のようにも思われました。所有者なのでしょうか、管理者なのでしょうか不明ですが・・。

八津中心コース 1・・・久兵衛人気スポット入り口です。 八津中心コース 2
八津中心コース 3・・・栗の木が差整然と植えられていて、その下には無数のカタクリが密生して咲き誇っています。 八津中心コース 4・・・上の方のカタクリを望遠レンズで切り取ったものです。少々絞り込みが足りなかったようですが・・。
ここは最高の撮影ポイントになっていて、目線が水平でなく見上げる方向になっています。多くのカメラマンが、私同様にがっちりと構えて撮影していました。

足元のカタクリの株を間近から撮影すると、いつも見慣れている可憐な花なのですが、距離を置き遠い目線で見上げると様子が変わってきます。

一つの株のカタクリの大きさは、肥培管理がなされているのでかなり大きいのです。それが無数にありますので、カタクリの紫桃色のカーペット(絨毯)は誇張でも何でありません。本当にその通りなのです。


八津中心コース 5・・・一株のカタクリ、大きくて花が十個以上あります。
八津中心コース 6・・・ここからはどんどん距離を置いて撮影してみました。 八津中心コース 7
八津中心コース 8 八津中心コース 9


カタクリ・・・
山の斜面の落葉樹林下の日だまりで、雪解けを待ちかねたように桜より十日も早く花を咲かせるカタクリは、フクジュソウとともに春の先駆けです。しかしこの花、早春のわずか二カ月の命で枯れてしまうのです。濃い紫桃色の花はまさに春の色で、上に反巻きした花形といい、葉と花のバランスといい、ゆり科植物の仲間でも可憐なお姫様です。
(※一から育てる山野草から)



同年代の案内の方が、「カタクリは日の光がたっぷり当たらないと育たないし、肥料も必要です。ここまでくるのに40年かかりました」とさりげなく話していました。一口に40年と言いますが、本当に気の遠くなるような地域の皆さんの管理の結果だと思われます。ふと思ったことは、以前は(昔と言うことになるだろうが)ここで本物のカタクリデンプンを収穫していたのかなと言うことです。それと、名産の西明寺栗です。

昨年見た西和賀町安ヶ沢のかたくり自生地は、規模と言い広さと言い同じぐらいであったが、西木地区のカタクリは本当にすばらしいと思います。あまりのカタクリの群生の見事さに、間違っても通路から中に入って撮影するなんて思えないくらいすごかった。もちろんですが、皆さん通路にはいつくばって撮影していましたから・・・。

八津中心コース 10・・・見上げる目線で撮影したカタクリの絨毯です。