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     仙北市刺巻湿原・ミズバショウ群生地


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盛岡市から角館に向かうR46脇にあるミズバショウ群生地、数多くの観光客が訪れて賑わっています。
4月の末頃ですが、仙北市西木地区のカタクリ群生地を訪れる途中でしたが、盛岡市から角館に向かうR46脇にあるミズバショウ群生地に寄りました。事前に仙北市の花便りを検索していたら、カタクリ群生地とミズバショウ群生とがあることを知ったからでした。

この場所は良く通るのですが、季節が違がう事などからミズバショウの群生地があることを知りませんでした。早春の山間で、原野に可憐な姿を現すのがカタクリとするならば、湿地帯に春の訪れを見せるのがザゼンソウやミズバショウです。バショウと言うくらいですからかなり葉が大きく、緑の葉の生え際から白い花に見える仏炎苞と果実になる部分が出ています。果実になる部分には小さな無数の花が見られます。

個人的な好みですが、群生地の素晴らしい景観とは別に個々の株としてはあまり好きにはなれません。強烈な臭いやグロテスクな形から来る印象があるからです。


ミズバショウ(サトイモ科)・・・
湿地に自生し、発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開く。これが花に見えるが、仏炎苞は葉の変形したものである。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序(かじょ)である。開花時期は低地では4月から5月、高地では融雪後の5月〜7月にかけて。葉は花の後に出る。根出状に出て立ち上がり、長さ80cm、幅30cmに達する。(※ウイキペディアより)


盛岡市から角館に向かう途中、田沢湖入り口を過ぎたR46脇に刺巻湿原があります。ここには道路脇にかなり規模の大きい駐車場が整備されています。私が訪れたときは道路下の駐車場が満車で、大型バス用の駐車場に車を止めました。天気も良く、角館の桜を見に行く皆さんが休憩する場所になっていた様でした。

早速ですが、カメラを持って出かけてみました。
R46脇刺巻湿原駐車場 1 R46脇刺巻湿原駐車場 2
刺巻湿原駐車場にある湿原案内図 駐車場フェンスの脇に大きなマップの案内がありました。ここには刺巻地域の方が居られて、誘導と案内をしておられます。

湿地に降りる側には、「観光整備協力募金箱があり、ご協力よろしくお願いいたします」と書かれていました。
刺巻湿原駐車場から湿原に入る歩道があります。 フェンスを出たところが板張りの歩道になっています。歩道から出ないでくださいと書かれてありますが、歩道の下は湿地ですから立ち入ることは無理のようです。

3haのハンノキ林に、6万株のミズバショウが一面に咲き誇るのはみごと。国道沿いに位置しており,ドライブの途中気軽に立寄ることができる。(※頂いた資料より)


ここから散策歩道に入ります。湿地の中に足場を組み、板張りの通路が延々と繋がっています。場所によっては一本通路ですが、すれ違いが可能なように所々に待避所が設けられていました。 木製の歩道を散策する 1・・・駐車場から降りたところは二本の通路がありました。
木製の歩道を散策する 2・・・すれ違い交叉場所です。 木製の歩道を散策する 3・・・奥へ奥へと歩道が続きます。
ほとんど一方通行のようになっていて、皆さんは眺めたり撮影したりとゆっくりと眺めています。歩道の下には流れがある場所もあり、気をつけないと足を踏み外します。

まだ周囲の木々には芽生えがなく、一面の湿原には鮮やかな緑色の葉が延々と拡がります。その中で一際目立つのが白い仏炎苞です。

木製の歩道を散策する 4・・・ここは一本道です。脚物との水面に映るミズバショウがきれいでした。
木製の歩道を散策する 5・・・皆さんの善意で造られた新しい歩道です。心思橋と名付けられていました。

ここは造られてまだ新しい歩道でした。ミズバショウの姿もこれからのようで、新しい場所を皆さんからの善意で拡げていると思われました。

「心思橋」・・・
これより先は、皆様の温かい協力金をもとに、刺巻地区の皆さんのご協力により新設されました。今後とも皆様の温かいご協力をお願いいたします。

(※刺巻地区水芭蕉祭実行委員会)

木製の歩道を散策する 6・・・歩道とは違う場所からの入り口、近くには売店がありました。

以前からあった入り口のようです。ここには湿地内唯一の売店があり、色々な地域の産物が売られていました。
はるか向こうに、駐車場からの入り口が見えています。

ここは、水芭蕉群生地として景観の維持に努めていますので、木道以外には立ち入らないようお願いします。

(※田沢湖町)



ここからはミズバショウ生息の様子を紹介します。群落全体の姿や、比較的アップの撮影画像があります。通路から出ての撮影は出来ないので、歩道にしがみついて可能な限り接近してみた部分もあります。

様々な表情のミズバショウ達 1
様々な表情のミズバショウ達 2 様々な表情のミズバショウ達 3
水の流れに写る白い仏炎苞が、水面に映る様子を何とか捕らえようと試みましたが困難です。通路に誰も居ない時を待っての撮影は、ゆっくりとした時間がないのでかなり大変です。

広角レンズでかなり接近し、遠くを歩く人を入れてみたりもしたのですが・・・。
様々な表情のミズバショウ達 4・・・水面に映る姿を期待したのですが・・。
様々な表情のミズバショウ達 5 様々な表情のミズバショウ達 6・・・思いっきり接近し、バックの歩道の人達配置してみました。
たまたまでしたが、湿地のはずれの方に出たら腐った以前の歩道の場所に出ました。気をつけないと履き物が湿ってしまいますので大変でした。でも新しい歩道から見た様子よりも、朽ち果てた場所が気に言った私です。 様々な表情のミズバショウ達 7・・・朽ち果てたかつて歩道の部分です。ここではカメラを地面まで下げて撮影しました。
僅かですがザゼンソウも見えていました。 ザゼンソウが所々に見えていますが、あまり数が多くはありません。でも、見つけた人達は必ずと言うほど、「ザゼンソウがある」と大きな声を上げていました。ミズバショウ群落の中では、目立つ存在でしたから・・・。

そして、一番奥の高い方には可憐なカタクリが咲き乱れています。ここは湿地ではないので、かなり乾いた場所でした。
カタクリの群生 1

水芭蕉群生地の保全活動を通じ、地域全体で水環境の向上を進める・・・

刺巻集落では、以前から共同で水路の整理、草刈り等を行いながら、生活用水、農業用水の水源地である、刺巻湿原の「刺巻水芭蕉群生地」の維持保全に取り組んできた。平成7年から、水芭蕉群生地を訪れる観光客を歓迎しようと「水芭蕉祭り」を開催し、農産物の直売や、集落内で米の品評会を開催するなど、水芭蕉を通じて、地域の活性化を図る取り組みを行ってきた。

19年度から始まった「農地・水・環境保全向上対策事業」を活用し、刺巻水ばしょうの里環境保全グループとして、これまで以上に水源地の環境維持のため、水芭蕉群生地の保全活動や、道路や農道沿いに桜の木を植樹するなど、景観形成も行いながら取り組みを継続している。

同グループでは、共同作業だけではなく、各構成員一人ひとりが普段から集落の水に関心を持ってもらうために、水質調査を実施すると共に、家庭から出る生活排水を改善しようと、環境に優しい洗剤の使用や、食用油の処理、生ごみの活用など、家庭でできる環境に配慮した生活を進める取り組みも行っている。

また、構成員の家族の方々にも活動状況をお知らせするため、「水ばしょう通信」を定期的に発行するなど、地域全体で水環境の向上を進め、昔のように小魚が生育し、蛍が舞う自然豊かな農村の環境づくりに取り組んでいる。
(※東北農政局HPからお借りしました)


刺巻地域住民が一体となった地域の水環境の向上の取り組みがあり、自然状態の湿原の活性化に取り組んでいる姿に素晴らしいなとエールを送ります。広い田んぼの中にある私の集落でも、農家・非農家を問わずに水環境の整備と保全に取り組んでいます。集落一斉に揃っての水路清掃や河川敷の除草等、水環境を良くする作業は大変です。しかし、昔と違い田んぼの水路はパイプラインに替わり、水棲生物も住めなくなった環境がよいわけではありません。難しいバランスの問題もありますが、子どもの頃の楽しかった水環境を想い出している現在の私です。