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       北上市稲葉湿原・ザゼンソウ



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正面から見た稲葉神社入り口です。境内には樹齢500年という巨大な杉の木がありました。池に周辺が湿地になっていて、何個かのザゼンソウが見られます。

R107から1.2kmほど盛岡に進んだところに稲葉神社があります。ここ北上市和賀町藤根には、以前には陸軍の飛行場があった広大な原野(後藤野)がありました。この神社の東側にある稲葉湿原には、地域の自治会の皆さんが大切に管理してきたザゼンソウの大群落があります。

稲葉神社の入り口付近には、枯れることのない清水が流れていて湿原を潤しています。正面の池の周辺も湿地になっていて、ザゼンソウが生育していました。

稲葉湿原・・・奥羽山脈に降り注いだ雨は、後藤野の地中を伏流水として下り、黒清水から湧き、ここ稲葉に湿原を作り、さらに岩手の名水20選の長清水も水を切らすことはない。

豊かな地下水は、此の稲葉湿原に、ざぜん草、エンコウ草など数々の植物群を育み、平地では他には例のない貴重な場所として大きな注目が寄せられている。特に、ざぜん草は自生地としては本州の東限ではないかと言われ、この大群生は西に広く分布し東北一とも言われている。(※現場にあるざぜん草の里案内板から)



私が訪れたのは、3月18・19日の二日間でした。この湿原までの道路脇には、「北上ざぜん草まつり」の幟がはためき、神社の駐車場には「北上ざぜん草の里」の大きな看板が設けられていました。かなり雪が融けてはいるものの、日陰や清流の脇にはごっそりと残っています。

駐車場から湿原に入る場所には手すり付きの階段が作られ、湿原の中には頑丈な木材で作られた通路が作られてあります。やっと芽吹き始めた状態でしたが、あちこちに小さな芽が見られますし開花しているものがありました。
神社の方から流れている清流です。流れのほとりには雪があり、雪の中からザゼンソウが頭を出して居ました。 湿原に入る木で作られた通路。幅が60センチぐらいあったでしょうか・・。 通路は中で分岐し、両側に分かれてぐるりと回ることが出来ます。中に入らないでくださいと、注意書きがありました。


湿原内の芽吹きの様子です。やっと芽吹いたいう感じのものがほとんどで、開花しているものは所々にしか見られません。そして残念だったのは、開花している紫褐色の仏炎苞のほとんどが、通路から見ると背中を向けて居ることです。訪れた方のほとんどが、こっちを向いていればなあと話していました。
湿原の様子 1・・・ぼちぼち芽生えが見られます。 湿原の様子 2・・・通路からは背中しか見えません。 湿原の様子 3・・・奥の方には行かれませんが、まだ雪が残っています。


ザゼンソウが開花する時、花の内部で発熱があり25度からら30度位温度が上がると言われます。そのためでしょうか、開花時には周囲の雪を溶かすとのことでした。ここではそのように見えるものを集めてみました。

実際に何度あるのか測定しなくては分かりませんが、皆さんが訪れている場所では無理な話ですし、その行為は疑問視されます。この発熱現象についてネットで調べてみましたが、難しい理論の裏付けがあり難解でした。ただ言える事として、生きている生物には全て体温があり、外気温よりは温度が高いと言うことです。厳冬期でも休眠中の植物は、決して凍ることがないことからもうなずけます。
雪を融かして芽が出た・・・そんな感じがぴったりです。 開花時には周囲の雪を融かすくらい高温になると言います。 ちょっと遠かったのですが、ローアングルで撮影したものです。


ザゼンソウ(座禅草)は、サトイモ科の多年草。仏像の光背に似た形の花弁の重なりが僧侶が座禅を組む姿に見えることが、名称の由来とされる。 また、花を達磨大師の座禅する姿に見立てて、達磨草とも言う。

寒帯、および温帯山岳地の湿地に生育し、開花時期は1月下旬から3月中旬。開花する際に、肉穂花序(にくすいかじょ)で発熱が起こり約25℃まで上昇する。そのため周囲の氷雪を溶かす。発熱時に悪臭を放つことから英語では Skunk Cabbage(スカンクキャベツ)の呼び名もある。(ウイキペディアより)

開花の様子を撮影しましたが、左右の画像はマクロレンズを使用しました。中央の画像は超広角レンズを使用し、可能な限り接近したものです。通路から湿地に降りないで、気に入ったザゼンソウを探すのは容易ではありません。

まだ開花して間もない花のようで、花粉等が見られません。 かなり接近し、ザゼンソウと周囲の景色を入れてみました。逆光なので中がはっきりしませんが・・。 花の下に黄色う粉がありますが、小さい花からこぼれた花粉です。


まだまだ葉っぱが開きませんが、葉っぱの様子が分かるものを選んでみました。4月になったら葉が開いてくるのでしょうか・・。

葉の開かない、まだ巻いたままの葉束のそばの根元から1花序を地上に出し、下は竹の皮状の鱗片で包まれている。
これから開く葉の芽 1 これから開く葉の芽 2 これから開く葉の芽 3・・・葉の芽が筒のように巻かれて出ています。

ザゼンソウ・フアンの方には叱られますが、私個人としては今まで好きになれなかった植物でした。その大きな理由の一つは、大型の花であり嫌な臭いがするからです。しかし、山野草の春二番と書かれた記事を見てから、やっぱり目を向けなくてはと思ったわけです。

これからの課題として興味があることは、小さな花の集まりをマクロ撮影してみたいと言うことです。誰もいない時をみてチャレンジする予定です。
もう一つは、夏頃になりますが種子を採集して蒔いてみたいと思います。果たしてどうなりますか、これからの課題でもあります。