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   第34回東北馬力大会・馬の里遠野大会


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遠野市宮守、柏木平の整備された草原です。この丘の下で馬の熱き戦いが行われます。

2008年6月22日のことでしたが、第34回東北馬力大会馬の里遠野大会が遠野市宮守町で行われました。馬力大会を間近で撮影したのは、3年前の盛岡市競馬場(オーロパーク)以来のことでした。R283の猿ケ石川沿いの柏木平猿ヶ石川河川敷内にある会場は、家から40分ほどで行ける場所にあります。遠野市や釜石市に行くときは必ず通る場所でもあります。

駐車場確保のため現地に入ったのが8:00でしたが、すでに多くの方々が見えられていました。例年の観客は五千人を超えると言いますし、各地から参加する馬達も50頭位になります。まだ早かったこともあり、この草原の側に車を置くことが出来ました。草原の中央には馬力大会の垂れ幕とR283、その上の方にはJR釜石線が見えています。広い草原には、可愛いシンボルである馬っこの幟がはためいていました。



競技に先立ち、9時から開会式がありました。大会会長である遠野市長さんからは、開会の挨拶に先立ち地震被害者の方へのお見舞いの言葉がありました。

さて、岩手宮城内陸部大地震の直後ではありますが、第34回東北馬力大会馬の里遠野大会が宮守町柏木平優遊広場に置いて、県内はもちろん東北各地から沢山の関係者をお迎えし盛大に開催されることは、まことに喜ばしい限りであり心から歓迎申し上げます。

この馬力大会に熱い情熱を、そしてまた力を注いでいる関係者の皆様には、東北各地を転戦しながら各会場の熱烈な馬保護のために力一杯戦い、地域の活性化、あるいは地域の絆、そして産業振興を含めての活性化に多大なご貢献を頂いております。深く敬意を表しますと共に感謝申し上げる次第であります。

10月が参りますと、遠野と宮守が合併し丁度丸三年、この会場は文字通り遠野と宮守の住民が気持ちを一つにしながら、新しい地域町作りをしようという原点はこの会場にあると私は思っております。改めて関係者の皆様に心から敬意を表し、新しい遠野市は、この馬文化馬事振興を通じて頑張っているという姿を市内外に発信して行かなければならないと思っております。

この馬力大会は34回の回数を数えておりますが、回数を重ねる毎に関係者の情熱が馬というものに対する、また人馬一体という形が地域社会を作る大きなものを含んでいると思います。人馬一体、多くの関係者の拍手の中で力強い競技がこれから繰り広げられます。皆さん、馬にも、そしてまた馬に愛着をもって人馬一体、重いものを引きずる姿に大きな拍手を贈っていただければと思っております。

日頃の鍛錬の成果を十分に発揮され、馬を愛する仲間がここに集っております。今日の34回の大会が大きな盛り上がりの中から、先ほど申し上げました地震被害で懸命に頑張っておる皆さんへの一つの励ましと頑張ろうというエールがこの地から発信されますことを心からお願い申し上げまして挨拶に代えさせて頂きます。


審判長注意から・・・
観客の皆さんにもお願いがあります。レース中は大変危険ですのでコース内には絶対に入らないようにお願い致します。また報道の方やカメラマンの方におかれましても、十分な注意をして撮影されるようお願い致します。事故のない大会とするためにご協力をお願い致します。                        (※会場での挨拶から抜粋)


会場で頂いた資料によると、四流馬から一流馬まで10レースが行われ、第一障害は1mの高さ、第二障害は2.5mの高さ、距離150mの4コースで競われます。約200kgの鉄製のソリに乗せられるコンクリートブロックの重量は、100貫(750kg)から260貫(975kg)にもなり、制限時間は一流馬が7分以内でそれ以外は5分間です。レースの中にポニー(中・大)の種目があり、積載重量は50貫〜80貫(最大で300kg)となっていました。

馬力大会競技場の全景です。奥の方からスタート、第一障害、そして左端の第二障害となります。 2.5m第二障害の様子です。砂山ですからめり込んで大変です。
スタート地点の様子と、鉄ソリを引く現代の強力な馬っこのトラクター。 開会挨拶をする大会長である遠野市長のHさん。


第一レース、四流馬の競技の様子です。積載重量は200貫(750kg)で制限時間は5分以内です。最初の撮影場所は、観客の皆さんと同じ斜面にいました。スタートや第一障害はよく見えていましたが、やっぱり一番の見せ場である第二障害の2.5mの小山に行かないとよく見えません。

係の方にお聞きしたら、絶対にロープ内のコースに入らないでくださいとのことで、後半からは第二障害の小山の上に陣取りました。

第一障害の上には黄色い馬の旗を持った方がいて、この方の旗の振り下ろしでスタートが切られます。会場内には競馬場等で聞かれるファンファーレと共に、馬を引く馭者の掛け声とガラガラという音が響きます。

第一障害に立つスターターの方、馬印のフラッグを持っています。
スタートの瞬間です。 地響きと掛け声を出して第一障害を目指します。

スタートから第一障害までは40mほどあり、どの馬も馭者と一体になって元気にそりを引いて越えていきます。

しかし、中にはここで一旦立ち止まる馬もあり、止まると走ってきた勢いが無くなるので馬が喘ぎだします。馭者は必死になって手綱を引き、助手は後ろから鞭を使い気合いを入れます。

当地は空梅雨でもあり、走路の土が乾燥しきっていますので、馬の踏み出しの勢いで土埃が立ち上がります。
四流馬第一障害の様子 1・・・楽に越えていきました。
四流馬第一障害の様子 2・・・立ち止まって再度動こうとしますが土煙が舞い上がるだけです。 四流馬第一障害の様子 3・・・それーと気合いが入る馭者と鞭を振る助手の方。


四流馬レースで2.5mの第二障害での様子を紹介します。第一障害を難なく越えた馬も、この場所は簡単には越えられません。足先が土(砂地)にめり込み踏ん張るのですが、総重量1トン近いソリがめり込み簡単には動けません。

ここからが馭者と助手との、文字通り人馬一体の闘いが始まります。3年前に見たときの競技でも感じましたが、助手のふるう鞭の扱いが気になりました。一見すると馬に対する残酷物語りに誤解されそうです。輓馬レースの場合、馬を叩くのは競争馬に比べ動きが鈍い輓馬に指示を与えるため必要な動作なのです。障害を越える際に、馭者の愛の鞭により人馬が一体となって力を出す事が出来るのだそうです。(※前回の説明記事から)

これは馭者と馬との掛け合いであり、本当に人馬一体という表現が目の前で展開されます。助手もむやみに殴打するのでなく「ほれ、頑張れー」の声代わりであり、馭者は馬と一体になって手綱を全力で引っ張ります。足が砂にめり込み、体を倒して馬と一緒に引っ張っていました。

以下、三組のレースの様子を4コマで紹介いたします。

四流馬第二障害 1・・・これから斜面になりますがソリがめり込み大変です。 四流馬第二障害 2・・・輓馬一代の背中の文字が冴えていますし、側で声をかけているのは馬主さんでしょうか。
四流馬第二障害 3・・・勢いよく踏ん張ると土埃が舞い立ちます。馬がやっと頂上まで来ています。 四流馬第二障害 4・・・頑張った末に何とか越えられそうです。

四流馬第二障害 5・・・踏ん張りが足りないのかソリは進みません。 四流馬第二障害 6・・・助手の長い鞭がしなります。
四流馬第二障害 7・・・力強い踏ん張りです。馭者の背中に馬力の絵が文字があります 四流馬第二障害 8・・・頂上まであと少しです。四つ足を使って踏ん張っています。

四流馬第二障害 9・・・気合いを入れて坂に挑戦します。助手の鞭振り、気合いが入ります。 四流馬第二障害 2・・・馭者と助手が交代し更に挑戦。
四流馬第二障害 11・・・ほぼ頂上近くまで来ました。あと少しです。 四流馬第二障害 12・・・何とかクリアしました。ソリに上にはコンクリートブロックが10個乗っています。
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