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     海フェスタ日本丸寄港・埠頭での様子


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20日のセイルドリルに訪れた日は、大船渡に近づくにつれてこの時期特有の「やませ」のガスが濃くなり、周囲の山のてっぺんはほとんど見えません。雨降りこそ無いものの、空はどんよりした曇り空でした。近いところで日本丸を見るのは支障が無いのですが、マストやヤードの高いところを撮影するためにはレンズが上向き方向になります。したがって、あまりきれいな色調にならなかったのが悔やまれます。くっきりとした青空と白い帆のイメージのセイルドリルなのですが、雨降りにならなかっただけでも良しとします。

嬉しかった事は、セイルドリルの進捗状態を細かに解説される方がおり、その内容をがっちりと記録できた事でした。1時間を超しますが、会場で見ている私達を退屈させない配慮だと思いました。家に帰り音声を聞きながらの原稿作成は大変でしたが、聞きながら撮影した画像を見ているとその時の様子がはっきりと思い出されます。私が陣取ったのは解説スピーカー近くで、メインマストの付近で撮影したことをお断りしておきます。解説の内容を案内テキスト文にかなり利用させていただきました。

日本丸の解説・・・

皆さんご覧の日本丸は、向かって右側が船の前方、左側が船の後ろ側で、我々は船の前のことを船の首と書いて船首、船の後方を船の尻尾船尾と呼んでおります。日本丸は船の長さ、船首から船尾までの長さが110mございます。幅、右側から左側の端まで長い距離で13.8m、船の重さは総トン数で言いますと2570トン、帆船は背の高い船ですから、船の高さマストのてっぺんまでは海面からおよそ50m、デッキ上からは45mの高さをもっております。

練習船日本丸は、ここ大船渡にかつて昭和62年の4月に入港しています。今回日本丸は、二度目の寄港と言うことで皆様の前に再び姿を見せています。帆・セイルを拡げた姿を皆様にご覧頂きます。

これから行います訓練はセイルドリルと呼びまして、日本丸あるいは僚船の海王丸の練習帆船の中で行います訓練のいったんで御座います。通常であれば沖、洋上で行う訓練の場ですが、せっかく皆様が日本丸が寄港しても帆を拡げている素晴らしい姿をご覧になる機会が無いと言うことで、午後の訓練を岸壁係留状態の中で帆を拡げる訓練、併せて皆様にその雄姿をご覧頂くという趣旨で行っております。

船首部分に大きく突き出たバウスプリット、帆船には必ずある構造です。フォアマストの支えになるロープが張られています。

船首にある船首像です。日本丸では両手を合わせて祈っている女神像「藍青」と呼ばれ、気高く優しさのうちに凛々しさを秘めた日本女性を表しています。

海王丸の女神像は、「紺青」と呼ばれる船の守り神で、嵐を鎮める笛を奏でていると言われる女神像が付けられていました。
埠頭から見た日本丸 1・・・船首側から見た様子、日本丸の船名が見えています。
埠頭から見た日本丸 2・・・大きく突き出たバウスプリットと呼ばれる部分。 埠頭から見た日本丸 3・・・船首先端部にある「藍青」と呼ばれる女神像。
埠頭から見た日本丸 4・・・船体中央部にある乗降用のタラップ。 埠頭から見た日本丸 5・・・操舵室と船首方向の様子。
埠頭から見た日本丸 6・・・船尾真後ろの様子。7mの喫水線が見えます。 船尾から見た様子です。大きな舵の部分に、喫水線の表示が7mと書かれてあります。海面下に7mもの船底部分があり、それによって浮力を得ているとは信じられません。

間もなくこの埠頭で帆船日本丸の総帆展帆、全ての帆を拡げる訓練・セイルドリルが始まります。


昨年の釜石公共埠頭での帆船海王丸のセイルドリルと同様に、帆船日本丸のセイルドリルと登檣礼を見たくて、大船渡市茶屋前埠頭まで二日間通いました。20日のセイルドリルの日は家から埠頭まで直行しましたが、23日の出港時登檣礼見学は釜石市から観光船はまゆりに乗船し海上からの訪問です。海上コースは濃霧と雷付の豪雨になり、大荒れに荒れたクルージングになりかなりダウンしましたが、大船渡湾に入港したら雨が晴れくっきりとした天気に恵まれました。

大型客船飛鳥Uは23日に入港し野々田埠頭に停泊していましたが、クルージング中に受けた豪雨と雷はこの埠頭でも大変だったようで、見学者の皆さんはテントから出られない時間帯があったと言います。それにしてもすごい天候でした。観光船はまゆりは、鏡のような湾内を滑るように走り大型客船飛鳥Uの側を通り日本丸の正面反対側の埠頭に停泊しました。そのためですが、海上から停泊中の日本丸を見る最高のポイントで撮影できました。


日本丸の構造

ご覧頂く船の船首方向からマストが4本御座います。前の方からフォアマスト、メインマスト、ミズンマスト、ジガーマスト4本のマストで御座います。前3本の帆の形は同じ形をしております。一番船尾方向にあるマストのみが帆げたが後ろの方に突き出ています。

それではまず前3本のマストについて説明致します。それぞれ各マストには、帆げた(帆を縛り付けている・・ヤードと言っておりますが)が6本御座います。それではまず一番右側のフォアマストをご覧下さい。フォアマストには、それぞれ現在直角方向に同じ色をした帆げたが6本あるのがお分かりでしょうか。一番下の長いヤードをロアーヤード、それから上に目を移しますと二本くっついた形であります。このヤードをトップヤード、上のトップヤードをアッパートップヤード、下のトップヤードはロアートップヤード、それからまた上に目向けますと二本のくっついたヤード、これをゲルンヤード、下をロアーヤード、上をアッパーヤード、一番上にありますヤードをロイヤルヤードと言います。

それぞれの帆げたには、セイルが一枚ずつ付いておりますので各マスト6枚、フォア、メイン、ミズンの3本で18枚の帆を張ることが出来ます。加えて前後ろ縦のセイルと言うことで各マスト間、そして船首方向に突き出たバウスプリットに張る帆を縦の帆(縦帆)と呼んでおりますが、これが18枚、したがって合計36枚の帆を張ることができます。

観光船はまゆりから見た日本丸 1・・・海面に映った帆柱が印象的でした。 すっきしりとした青空ではないのですが、沖合の天候とは違ってのどかな様子で私達を迎えてくれた停泊中の日本丸です。気に入ったのは、海面に映った四本のマストでした。

埠頭に停泊するためにゆっくりと近づいて行くのですが、どんどん見る角度が違っていきます。特にも、ほとんど正面から見たときはマストとヤード(帆柱と帆げた)が直交し見とれてしまう素晴らしさでした。
観光船はまゆりから見た日本丸 2 観光船はまゆりから見た日本丸 3
観光船はまゆりから見た日本丸 4 観光船はまゆりから見た日本丸 5・・・船に乗らない限り見られない前面からの様子です。
観光船はまゆりから見た日本丸 6・・・時間前なので閑散としていました。 セイルドリルの日とは違い、茶屋前埠頭は時間前なので閑散としていました。目の前100m位の距離に停泊中の日本丸ですが、埠頭の側まで行くとなるとかなりの距離になるので今回は遠慮しました。

出航時刻は14時ですが、これからこの埠頭ではお別れのイベントがあります。実習生達が全てのヤードに登り、ありがとう・さようならと挨拶をする儀式・登檣礼が見られます。
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