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        花巻市大沢温泉・金勢まつり


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開会式の配置図。中央に御神体のコンセイサマが置かれ、右端でマイクを持つ方が主催者の方です。

大沢温泉金勢神社の由来・・・

当金勢神社は、大沢大久保山遷座する神社であって、昭和46年8月20日岩手県岩手郡玉山村巻堀の宮司によって分神遷宮式が行われたものである。巻堀神社は、永正年間(1504〜1521)の創立と伝えられ、金勢大明神を祀っていることで著名で、全国津々浦々にまで広く知られている。

当神社の御神体は木製で、大沢の住人照井政弘作である。11月中旬頃、大久保山から大沢温泉敷地内の仮宮へ移され冬を越す。翌春、4月29日、例大祭にて露天風呂に入浴、洗い清められ、5月の連休中に大久保山の本宮へと戻される。

金勢さまは、一般に男女の縁結び、子もち、出産、下の病などに効験あるとされているが、本来は、道祖神などと同じく境神として信仰されているものである。(※会場で頂いたお祭り資料から)


金精神・・・

金精神は、金精大明神、金精様などとも呼ばれ、男根の形をした御神体を祀った神の一柱である。「金精」以外に、金勢、金清、金生、魂生、根性、根精などさまざまな当て字がされている。同じく男根の形をした御神体を祀った道祖神と混同されることが多いが、基本的に男根形の道祖神(塞の神)と金精神は異なる神である。しかし、栃木県などの一部の地域では金精神と道祖神が習合してしまっている例が多い。

金精神を祀った神社は全国各地にあるが、特に東日本の東北地方から関東地方にかけての地域に多くみられる。

金精神は、豊穣や生産に結びつく性器崇拝の信仰によるものから始まったとされている。子宝、安産、縁結び、下の病や性病などに霊験があるとされるが、他に豊穣や生産に結びつくことから商売繁盛にも霊験があるとされている。祈願者は石や木や金属製の御神体(男根)と同じものを奉納して祈願する。

金精神を祀る神社としては、金属製の男根を御神体としていた岩手県盛岡市巻堀の巻堀神社や、巨根として知られる道鏡の男根を御神体として祀ったのが始まりとされる栃木県日光市と群馬県利根郡片品村との境の金精峠に鎮座する金精神社などが有名である。(※ウィキペディアより)


遠野史跡巡りをすると、カッパ淵のある北側に山崎のコンセイサマがあります。何回となく近くを通過していますが、いまだに現地を訪れては居ません。なにしろ巨大な男性のシンボル(石)そのものですから、今まで存在は知っていても気軽に撮影しHPページで紹介する気になれませんでした。

大沢温泉の金勢まつり、かなり以前から知っていましたが今回初めて訪れてみました。ケヤキ彫りの巨大なコンセイサマ、見ている皆さんも私もその巨大でユーモラスな姿が印象に残りました。ページの構成は温泉神社周辺の様子、仮宮前での神事、仮宮から御輿に乗ってホテル玄関前に移動し、そこでの開会式の様子、そして、露天風呂でのお清めと入浴の儀、最後に6名の女性がコンセイサマに乗っての風呂内での移動の様子をまとめてみました。

ただし、私を含めて参観者は対岸の菊水館側からしか見ることが出来ません。撮影条件が大変厳しく、木の枝の間から撮影しました。露天風呂までの距離が40m位あり、かなりの望遠レンズでないと表情がアップで撮影できませんし、少々ピントの甘いのが気になります。



金勢神社(仮宮)周辺・・・

今まで何回となく大沢温泉に来ていますが、車で一気に下の駐車場まで入るので、途中にある金勢神社仮宮の存在は気がつきませんでした。

当日はあいにくの雨降りであり、せっかく準備した会場での太鼓や神楽の奉納は出来ません。
金勢神社仮宮の周辺 1・・・温泉ホテルへの通路。
金勢神社仮宮の周辺 2 金勢神社仮宮の周辺 3・・・晴天時のイベント広場です。
金勢神社仮宮の周辺 4・・・雨降りの中に大きな水車がきれいでした。 仮宮の入り口にある水車小屋と鳥居、仮宮は鳥居の奥にありました。

仮宮奥にでーんと鎮座する御神体の金勢様です。資料によりますと、高さ1.4m、重さが150kgある巨大なものです。

仮宮の側には、自然石と思われる金勢様が地面に立っていました。
金勢神社仮宮の周辺 5・・・御神体のコンセイサマ。 金勢神社仮宮の周辺 6・・・側にあった自然石のコンセイサマ。
金勢神社仮宮の周辺 7 一番奥にあった神社ですが、詳しいことは分かりません。この神社も金勢神社と繋がりがあるのでしょう。雨が降っていたので側までは行きませんでした。

後日確認してみます。
金勢神社仮宮の周辺 8 山水閣、菊水館に降りていく通路の上に神社の一角がありました。中央に見えるのが水車小屋で、その隣に仮宮入り口の鳥居が見えています。

神事・・・

あいにくの本降りの雨で、傘をさしての神事になりました。
主催者や来賓の皆さんは、上着の上に裃を着用しています。降神の儀、祓い言葉、玉串奉奠等々の儀式があり、祝詞奏上がありました。

その場にいた私も、皆様と同様に「御低頭下さい」の指示に従って礼拝をしました。
神事 1
神事 2 神事 3
神事 4・・・御神酒をあげています。 神事 5・・・祝詞奏上


御神体移動・・・

神事が終わると、安置されている仮宮から御神体を持ち出し、御輿状の台座に乗せます。しかし、かなり重量がある御神体ですので、四人がかりで慎重に持ち上げ台に乗せていました。

台座に真っ直ぐに立てられた御神体は、動いて倒れることの無いように紅白の綱でしっかりと固定します。
御神体移動 1
御神体移動 2 御神体移動 3
御神体移動 4 御神体の頭に注連縄を廻し、紅白の綱で四隅にしっかりと固定します。かつぐのは前後左右二人ずつの八人の男達になります。

これで準備が出来ました。
御神体移動 5 八人の男達によってがっちりとかつがれた御神体です。これから山水閣前のロータリーまで、御神体渡御とでも言いますかゆっくりとした歩みで進みます。
御神体移動 6・・・大きな二個の玉玉を持つ若者二人です。 一番若い男達、重そうな木の塊をがっちりと携えて歩きます。これは御神体同様に大切なもの、玉玉ですと書けばお分かりかと思いますね。

こうやって行列が皆さんの待つロータリーまで歩きます。この時は小降りになったとは言え雨が降っていました。
御神体移動 7・・・神輿をかつぐと言う方がぴったりします。 御神体移動 8
御神体移動 9・・・ロータリー広場に安置された御神体です。 開会式会場になる山水閣前のロータリーに安置された御神体(金勢様)です。右下には先ほど重そうに持ってきた玉玉が二個置かれてあります。

左端には来賓の方々がずらりと並んでおりました。


入浴の儀開会式・・・

午後二時半、主催者の挨拶で入浴の儀の開会式が始まりました。挨拶された方の役職名が分かりませんが、大沢温泉の責任者の方とお見受けしました。


皆様いらっしゃいませ。雨の中有難うございます。花巻市長様・県南振興局長様を始めとして大勢のご来賓の皆様にご臨席いただきまして誠に有難うございます。先程司会の方から話がありましたが、この金勢まつりは今年で39回になります。私は平成になってから参加しておりますが、雨に当たったのは今までたった一回だけでした。

桜の咲かない金勢まつり・・散ってしまったときはありますが・・今年が初めてでございます。そう言うことで、今日はお客様がいらっしゃらないだろうと思っていましたが、このように大勢の皆様にお運びいただきまして重ねて御礼申し上げます。有難うございます。

ちょっとお時間を頂いて説明させていただきます。この金勢さんは県北の巻堀神社さんが持っておられまして、そこから分家して道祖神、子宝安産、縁結び、家庭円満の神様でございます。そう言うことで地区の皆様もこのおまつりを続けて参りました。昨年の11月に大杉山という山から下りて参りまして、冬の間こちらでお過ごしいただいて、このご神体は5月5日に山にお戻しする予定でございます。

昨年は入浴の儀で露天風呂にご神体を浮かべまして8名の皆様が参加されました。遠くは四国松山からの参加でございました。お祭りが近くなった頃、富山の方から赤ちゃんが授かりましたとお便りが御座いました。一昨年は4人の方に赤ちゃんがお生まれになりました。

この後、入浴の儀は6名の方がご参加される予定でございます。皆様、足下が悪いのですが露天風呂の方にお運び下さるようにお願いいたします。対岸の菊水館からご覧頂けます。本来ですと、神楽の奉納をしてからお風呂にはいるのですが、このような天候でございます。今日は太鼓と神楽の方は割愛させていただきますのでご了承下さい。

また、五穀豊穣の神様でございますので、花巻が雑穀生産日本一と言うことでございますので、雑穀の入ったパックを捲きますのでお取りいただきます。(※会場での記録から抜粋で)

御神体が中央に置かれ、側には神官様、右端でマイクを持って挨拶される主催者の方です。周囲の人の背丈と比較すると、金勢様(御神体)の大きさがお分かりかと思います。 開会式 1・・・会場の様子です。
開会式 2・・・開会の挨拶をされる主催者の方です。 開会の挨拶をされる主催者の方です。
開会式 3・・・挨拶される県南振興局長のSさん。 挨拶される県南振興局長のSさん。

大沢温泉金勢祭りは全国ニュースにも取り上げられ、ゴールデンウイークの始まりを告げる風物詩となっており、岩手を代表するイベントとしてすっかり定着しております。

大沢温泉は歴史も古く、宮沢賢治先生、高村光太郎先生もいくどとなくこの地を訪れたと聞いております。岩手の観光につきましては、来年平泉の文化遺産の世界遺産の再登録、再来年にはJRグループと協力して行いますキャンペーンなどの大きな話題が控えております。

県南広域振興局といたしましては、本県の観光を全国に発信するための色々な事業を関係機関と連携しながら進めて参りたいと考えております。

開会式 4・・・雑穀パックの入った升を持つ来賓の方々。 案内にもありましたが、雑穀生産日本一を誇る花巻市です。花巻市で収穫された雑穀をブレンドし、12穀入りのパックが大きな升箱に入っています。

本来ならば周囲にばら捲くのだそうですが、雨天のために汚れないように直接手渡しで捲かれました。最初は遠慮していた私ですが、沢山ありますよと言うので升から何個か頂いてきました。

そう言えば花巻市内をドライブすると、減反対策の品種として大規模な畑を目にします。説明をお聞きするまでは、日本一の生産を誇るとは知りませんでした。
注連縄を廻した御神体の拡大です。 御神体(金勢様・・コンセイサマ)の拡大です。ケヤキ造りの巨大で立派なものでした。観客の中には、あまりにも巨大な男性のシンボルですから嫌らしさを感じる方もあると思われます。

しかし、注連縄を廻しぴかぴかに磨かれたケヤキの御神体です。さすがに側に来て手で触る方はありません。カメラを手にしじっと見とれている男性、報道関係の方とお見受けしました。
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