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         全日本農はだての集い



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2月10日、岩手・いさわ[ワラと火のまつり]をテーマとして、第18回・全日本農はだてのつどいが、奥州市胆沢野球場特設会場で行われました。

例年と違った暖冬で、会場の野球場は土が露出しぬかっていましたが、胆沢区内の厄年連の皆様が中心となり、昔ながらの「庭田植え」の再現、日本一の大臼での餅つき、巨大な福俵引き、そして福餅まき等々多くの人出で賑わいました。


農はだてとは・・・

その昔、私たちの祖先は一年を休みなく働き、唯一の休みといえば正月十日間だけだった。
農はだてとは、その休みが明けて、新年の農作業を始める日をいう。

この日、男達は、朝早くからモドツと呼ぶ二十四本の縄をない、女達は、小さなワラを束にして取り出し、
稲ワラを苗に見立てて田植えをし、その上から豆がらをしいて豊作を願った。そうした行事が終わるとみ
んなで餅を食べて、農はだての行事は終わる。

昔ながらの風習が失われようとするとき、農耕文化の再生と地域活性化を目指す、全国的な広がりとつくり出そうとするのが、「全日本農はだてのつどい」である。(会場で頂いた資料から)



開会式で、豊作安全成功祈願がありました。神事による祭壇への玉串、奥州市相原市長が先頭でした。この様子は、グランドの一角にある巨大なスクリーンで紹介されていました。

映された農はだてのしおりと、揃いの法被を着用した奥州市長相原さんです。 神主さんの祝詞奏上。 主催者の祈願の様子。


進行係のアナウンスから・・。
祈願の式典が終わり、大松明の点火へとうつります。祭壇から聖なる火を採火して、今、実行委員会会長をはじめとして、十名の皆さんへ分火されようとしています。点火していただきますのは、胆沢の祭りの実行委員長である奥州市長相原正明様を始めとする十名の方です。

この大松明は、点火と同時にもの凄い火になる。みんなびっくりして下がってしまうほどでした。

大松明への点火、相原市長が先頭です。 一斉に点火しました。 乾燥しきったワラに火が入り、一瞬で巨大な火になりました。もの凄い熱気で近くには寄れません。


進行係のアナウンスから
昔の農家の人達は、自分達で作り、一年中休みなく働き、休みと言えば旧正月の十日間ぐらいのものでした。この休みが終わり新年の農作業を始める日を「農はだて」と言いました。

北国の東北は、大飢饉の時には飢えのため多くの尊い命が失われました。このため、年の初めに雪の上にワラや豆の殻を立てて豊作を祈りました。これが農はだての始まりで、この地方の風俗として受け継がれてまいりました。

お囃子と太鼓で景気をつけ、田植え歌を歌いながら・・、ワラを束ねた苗を、十人ぐらいの姉さんかぶりの皆さんが一列になり、雪の上にどんどん植えていきます。見事な手つき、苗が無くなると、投げて手渡しする動作は昔ながらのものでした。

後援会長の説明から
この行事は、今から400年ぐらい前からだと聞いています。
Q:農はだては女性だけのようですが、男の人達は何をして居てのでしょうか。
A:男の人達は朝早くから山に行って、もどちと言って農作業に使う縄をなって居たようです。
Q:昔からこの様にして庭田植えをしていたのでしょうか。
A:昔の庭田植えはそれぞれの農家がやっていたようですが、今は田植えも機械でやり手作業はありません。

田植え歌は農作業の歌です。田植えは単純な作業で、飽きたり疲れたりするので、みんながそれぞれに掛けあいして歌ったようです。昔は子供達も田植えの時は忙しいので、子守をしたり、苗運びをして手伝ったんです。今日も小さい子に手伝ってもらっています。

出演は大畑平・庭田植保存会の皆さんです。

庭田植え前の田んぼに見立てた雪です。基準になるワラ束が雪に植え込まれてあります。 庭田植え作業 1
庭田植え作業 2 庭田植え作業 3・・手際よくどんどん植えられていきます。
庭田植え作業 4 庭田植え作業 5
笛と太鼓に合わせて田植え歌を歌っています。昔はのどかな風景だったのでしょう・・。 おそろいの衣装と菅笠をつけ、作業がほどなく終わりました。


餅つき・・、ひめのモチ30kgを大臼でつきあげる。

この日本一の大臼は、アラスカ産のピクルスという木材で出来ています。直径2.4m、高さ2m、重さは何と7トンもあるそうです。つき上がったモチは、きな粉モチにして皆さんにお配りしたいと思います。テレビカメラによる中継で、大型画面にその様子が映し出されています。餅米、きな粉は胆沢産です。

餅つきコーナーにあった大臼です。とにかくでかい臼でした。 餅つき 1・・蒸し上げられたモチ米が30kg、臼の中に入れられていきます。 餅つき 2・・ヤカンを持った方がつき具合をみて水を足していました。
餅つき 3・・長い杵でどんどんつかれていきます。 餅つき 4・・最後の仕上げの段階です。 大臼コーナーの全景です。つき上がったモチはきな粉モチに加工され、皆さんに配られますが、限定配布となり沢山の行列が出来つつありました。
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