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        一関市東山・唐梅館絵巻


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9月24日の事でしたが、一関市東山町長坂地区唐梅館総合公園で第六回「唐梅館絵巻」が行われました。

唐梅館は、葛西氏重臣・千葉一族が領内を守った本拠地の長坂城跡です。その唐梅館を舞台に、天正18年(1590)小田原参陣で豊臣秀吉に従うか否かを決する、一族の命運をかけた「軍議」の様子を壮大なスケールで再現されました。

天正18年秋のこと、秀吉側の軍(蒲生氏郷、浅野長政、大谷吉継、石田三成、大村時貞等)に葛西一族の大将葛西春信とともに千葉一族が対抗したが負戦、400年の歴史を誇った千葉一族が滅亡する。しかし、城主広胤はその子重胤(盲目)に一族の生きる力を教える。(※会場で頂いた資料から転記)

本来であれば、軍議に参列する総大将を初めとする各武将の参上行列を見たかったのですが、会場に陣取っていた関係で見られませんでした。総大将役のテレビドラマ水戸黄門「飛猿」こと、野村将希さんが軍議の場に入場するところからになります。昨年は雨天だったとのことですが、今年は素晴らしい好天に恵まれ会場は多数の観客で賑わっていました。


唐梅館公園の様子 唐梅館総合公園の様子です。ここに始めてきましたが、グラウンドあり、池があり、きれいな芝生で整備されていました。軍議の日とあって、あちこちに戦国時代特有の旗や幟が翻っていました。
風にはためく幟 風にはためく幟の拡大です。独特の模様は千葉家のものでしょうか。

撮影場所を確保するために、2時間ほど前に現地に入りましたが、すでにかなりの皆さんが座っていました。
武将の入場を待つ軍議の場所 武将の入場を待つ軍議の場所と、きちんと置かれた床几の様子です。

幕の前の席が総大将や千葉家重臣等の席で、その左右に馳せ参じた各地の武将席が配置されています。

左右の席は前列が大将で、その後ろが大将付きの重臣の席になります。


長坂大膳千葉広胤役の野村将希さんの入場 唐梅館総合公園下の長坂商店街から武者行列があり、先頭切って入場するのが長坂大膳千葉広胤役の野村将希さんです。


さっそうと歩く野村さん 長身(181センチ)の野村さんは貫禄十分であり、背筋をピーンと伸ばし、堂々と歩く姿が印象的でした。

さすがに時代劇スターのベテランです。始めて姿を見た私も、いささか興奮気味でした・・。
総大将の床几に座る野村さん 総大将の床几に座り、貫禄十分の野村さんです。いよいよこれから各武将の入場が始まります。この日は珍しいくらいの晴天で、眩しいくらいの日差しでした。



群議に参加する各武将の入場です。二人一組になり、先頭が大将で、その後ろに大将付き重臣が従います。 ****何々殿、ご到着と紹介され、太鼓がどーんと鳴ります。

その後、二人で並んで総大将の前まで進み、一礼後に自分の席に座ります。大将は左右の席に23名ずつですから、重臣も23名ずつになります。この呼び出しと挨拶が延々と続きます。
入場する大将と大将付き重臣 呼び出し係り 総大将の前に一礼する武将達
自分の席に着く大将と大将付き重臣 左側の武将達 右側の武将達


軍議の進行を務める直参旗本役の平井アナウンサー

各大将と重臣の入場が終わると、いよいよ軍議開始のふれが始まります。この時の進行役は、東山長坂城主直参旗本役のテレビ岩手の平井アナウンサーが担当しました。

今年は澄み渡る青空の下、集まれし皆の衆、用意は良いな。呼び出し太鼓のように連打します。

「打て打て打てー、太鼓を打てー」
「のろしを上げー」
ここで何発かののろしが上がり開始を告げる。
「打てー打てーもっと太鼓を打てー」
「ほらを吹けー」
ほらの音がぼーーと聞こえて来ます。

太古を打ち鳴らす高台の場所 小高い丘の上にある場所に建物があり、ここに陣取った数個の太鼓が一斉に連打され、周囲に響き渡ります。


軍儀開始・・女性進行係による放送から

ここからのテキスト文は、テープに録音したものから作成しました。忠実に採録したつもりですが、間違い等があると思われますがお許し下さい。

時は天正十八年、豊臣秀吉による小田原征伐の旗は揚がった。この年の四月十七日、城主長坂氏はじめとする奥州葛西氏家臣団が唐梅館に集結し、軍議が開催された。秀吉の命による小田原参陣要請に背を向け、上方軍勢迎撃の方針を固めたと伝えられる。

その一族の命運をかけた重要な軍議の模様を、壮大なスケールで再現する唐梅館絵巻。激動の乱世に翻弄されながらも、己の忠義を貫かんとした直情径行な北方武将達の熱い生き様が、四百四年の時空を超え今甦る。ただ今から軍儀を進めてまいります。

東山松川内舘城主千葉民部信胤の勢揃いの一言 東山松川内舘城主千葉民部信胤殿

各将勢揃いの一言・・・

ただ今、気仙、江刺、胆沢、磐井、本吉、桃生、登米の四十七大将、重臣、家臣、軍師外二百五十五名、ここに勢揃いいたしました。
唐梅館長坂大膳直参旗本正山に夜軍議開始の一言

唐梅館長坂大膳直参旗本正山殿

軍議開始の一言・・・

唐梅館直参旗本正山にござる。各方ご苦労様にござる。これより我が一族の軍議を始める。小田原参陣についての軍議を始める。各々方一同心してお願い申し上げる。

唐梅館長坂大膳軍師、熊之郷育膳に夜軍師の一言 唐梅館長坂大膳軍師、熊之郷育膳殿

軍師の一言

各々方に申し上げる。すでに早馬をもって、秀吉公より小田原征伐に参陣せよとのことでござるが、晴信公の胸の内と同様、この件、果たして秀吉の軍門に下るか我が一門の意地を貫くかであるが、承知の通り秀吉公は全国の諸氏諸侯、刀をもって統一せんとするもの。

人の心、民の心を知らぬもの。我が一族はこれに異なり、人の心を大切にせんとす。人情に厚く領民もこれに同じく。よって、今日まで長い年月を平安に過ごしてまいった。我ら葛西、千葉一族、総力を挙げて秀吉軍と戦い抜く決意とする。
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