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           踊る綾里大権現



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権現舞は、悪魔払いと無病息災を祈願するもので、普通に見られる舞です。権現舞は神楽の最後に必ず舞われ、あらゆる災いを退散、調伏させ、人々の安泰を祈祷する舞で、特に格式が高いものとして取り扱われています。権現(獅子頭)とは、神が仮の姿になって現れたことを表し、神の化身として扱っていると言われてきました。今でも集落のお祭りや年末年始のお払いに、獅子頭を使っての権現舞が行われています。

私の家にも、子ども頃から床の間に桐の箱に入った獅子頭がありました。大きな鼻と目、そして髪の毛は分厚い障子紙を束ねたもので作られています。子どもの頃は大変怖い存在であり、暗い奥の部屋に一人で入るのがとても怖かったことを思い出します。


2006年7月19日、飛鳥Uの寄港を歓迎する大船渡港野々田埠頭に一際目立つ権現様がありました。今まで何回も飛鳥寄港を見に行っていましたが、見たことがなったので「でっかい権現様だなあ」と思い、特に気にしてはいませんでした。

大船渡市三陸町綾里地区で作られた動く大権現は、頭部だけで約2m四方もあり、重量は200kgにもなります。その頭部をショベルカーのアーム部分につけ、操縦者のテクニックで権現舞を披露します。アームの伸びた状態での権現様は10m以上もの大きさになり、見物する人々を驚かせます。

巨大な権現様の前では、三人の「大船渡つばき娘」の皆さんがにこやかに挨拶をしてくれています。
飛鳥U寄港歓迎広場にて 1 歓迎垂れ幕を口から降ろしています 大権現と大船渡椿娘さん達

権現様の周りの人々が除けた広場で、あの巨大な獅子頭がうなりを上げて動き出しました。お囃子に合わせて自由自在に、あたかも中に巨人が入って踊っているように見えます。

さて、この獅子頭を動かす動力源はなんだと思いますか。私も最初はあれれと思いましたが、うなりというのがエンジン音であり、中型のパワーシャベルが幕の中にありました。バケット部分に獅子頭を組み込み、足下の運転台で上を見ながら操作している方がおりました。獅子の衣で被われていますが、上を見ながらのレバー操作で権現様の踊りそのものの動きでした。

高さは最高で10m位あったでしょうか、凄いなあと感心しましたし、動きが速くてびっくりしました。
権現舞 1 権現舞 2 権現舞 3
権現舞 4 権現舞 5・・・凄い速さで回ります 権現舞 6
権現舞 7・・・この表情が良いのです 権現舞 8・・・口を開けた横顔です 権現舞 9・・・終わりました。この高さ10mはあります 

権現舞が終わり、獅子頭の上からお祝いの餅まきがありました。獅子頭の上に二人の方が乗り、このままの姿勢で頭が持ち上がり、5m位の高さから周りにまかれます。

私もなんとか拾おうと思いましたが、カメラを持ち撮影しながらではどうにもなりません。「こっちにまいて・・」の声があちこちから聞こえましたが、あれれという間に終わり仕方ありませんでした。
権現様の頭上からの餅まき 準備 権現様の頭上からの餅まき 高く上がりました 権現様の頭上からの餅まき