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        住田町・リニューアル滝観洞


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新装なった滝観洞入り口です。この場所だけは以前と同じですが・・・。

2008年3月16日、地域の皆さん待望のR283号仙人峠道路・滝観洞インターが開通しました。滝観洞インターの名は、近くにある鍾乳洞「滝観洞(ろうかんどう)」に由来します。上有住地区五葉のこの場所には、鍾乳洞で知られる「滝観洞・白蓮洞」があります。今まではアクセス道路が辺境でもあり不便でした。滝観洞インターの開通により、インターから2分ほどの場所になります。鍾乳洞フアンである私にとっても、訪れる皆さんにとっても気軽に訪れることが可能になりました。

また、開通に併せるように、滝観洞内部のリニューアルが行われました。報道記事等によりますと、16日の「滝観洞まつり」に向けて地域の老人クラブの皆さんが洞内の清掃をされました。14名の皆さんが十年ぶりの清掃と言いますから大変だったと思われます。

住田町としても、今回のリニューアルのために照明設備の交換と増設がされて、明るく安全に内部の探検が出来るようになったことです。何よりもうれしかったのは、塗装がはがれたり腐りかかった鉄骨製の手すりに替わり、つるつるのステンレス製の手すりに替わったことでした。安心して片手を滑らせながら歩くことが出来ます。最大の朗報は、自動車道からインターチェンジ経由で2分の距離になったことだと思います。

ここで映画「八墓村」を撮影したのが、今から30年前の1977年だと言います。当時はロケ地と言うことで、年間7万人を超える観光客が訪れたと言います。今までは交通不便の場所でもあり、一般の観光客からは敬遠され気味であったと思います。新装なった「滝観洞」です。洞穴フアンの一人として、これから人気が出ることを願う気持ちで一杯です・・・。



完全武装をして入り口から中に入る。貸し出し用のヘルメットとカッパが新しくなっている。最初の入り口は天井がかなり低く、ヘルメットをかぶっていてもがつんと天井の岩に頭がぶつかる。ここは変更がない。

内部の照明があちこちにあり40wの長い蛍光管である。すごく明るくて歩きやすくなっている。何よりも滑らないのが良い。2年前に入った時は暗くて滑り怖いくらいであった。手すりも塗装が取れさび付いた鉄骨から、ぴかぴかでつるつるのステンレスに替わっている。掴まって歩いても気にならないし、すごく安定感がある。以前は掴まりたくても触られない手すりであった。通路も狭い谷状の部分の側を歩くのだが、これなら安心である。

削られた谷はそれほど深くはないのですが、落ちたらちょっと元には戻れないようです。今までは、周りも上も暗くて見えないと言うことは、辛うじてわかる照明で足下を気をつけて見ることになります。ですからさびて腐っている手すりでも掴まろうとします。そうすると嫌でも足下を流れる部分に目がいきます。そうなると怖いのです。

リニューアルされた洞内はそんな不安がありません。しかし、天井の低いのはそのままですからヘルメットの着用は必ずですし、場所によっては水がかかるのでカッパもお借りして下さい。

洞内の通路 1・・・入り口からの狭いところを抜けるとこんな感じの通路になります。しかし、所々には天井の低いところがあり、油断は禁物です。 洞内の通路 2・・・この通路の下に地下を流れる部分があります。
洞内の通路 3・・・左側は浸食して刻まれた深い谷の部分があります。今度は手すりがあり安心して歩けますね。 洞内の通路 4・・・ノッチの平面とその下の平面、この部分を歩きます。
洞内の通路 5・・・新装なった手すりが見えています。 洞内の通路 6・・・ここを歩きます。


滝観洞は、奥にある「天の岩戸の滝」から流れ落ちた水が太古の昔から石灰岩を浸食し深い谷を形成して現在の姿になっています。鍾乳洞としてはまだまだ若い年代でもあり、内部を歩く場所は浸食された棚の部分(ノッチ)を歩くことになります。

ノッチ・・・
洞内を流れる地下水が、長い間一定したレベルに留まると、その部分の石灰岩が多く溶かされる結果、壁面に水平な一連の凹凸が出来ます。これをノッチと呼んでいます。これは、鍾乳洞の年代を決定するのに大きな枠割りを演じています。一つのノッチの中にも小さな凹凸がいくつもあることがあります。(※現場にある解説板より)
ノッチとその内側 1・・・水流により削られた面がきれいでした。 ノッチとその内側 2
ノッチとその内側 3 流れる水により鱗状に削られた壁面、スカラップと言うそうです。


内部が明るくなったせいでしょうか、今まで気がつかなかった様々な鍾乳石が目に入ってきます。素晴らしいなと思ったのは「乳房の岩」と名付けられた鍾乳石でした。大きな丸形の二個の石に、フローストーンが着いたものなのでしょうが、すでに茶色のカビが生えています。もしも純白であったら、ミロのビーナスを連想させる素晴らしい場面になりそうでした。二年ほど前に来たときもあったはずですが、今回発見したものです。

この付近は、天井からの水(滴下水)が多くて通路にはプラスチックの板が張られてありました。この場所で鍾乳石を撮影していたら、新洞発見に参加された東山ケービングクラブの方とお会いしました。その方から滴下水と言う言葉を教えられました。奥にある「天の岩戸の滝」にはまだロープが二本下がっていますよ・・・とのことでした。

乳房の岩・・・
流れ石(フローストーン)の発達した結果、このような美しい壁が形成されました。フローストーンのもつ独特の艶と味わいのある丸味が、見る人に母を連想させます。滝観洞では。床よりも天井の方が鍾乳石の発達がよく、特に「乳房の岩」の天井はつらら石と石筍がが調和し美しくなっております。

近くにある「白蓮洞」と違い、典型的な形のつらら石や石筍は見つけられません。洞穴の壁を気をつけてみると、最初に造られたつらら石にフローストーンが流れ込み、壁と同じ面になったのかなと思われます。また、照明が明るく当たっている部分には、独特の緑色のこけがついていました。

つぶやきですが、照明が明るくなり歩きやすくなった反面、そのうちにカビが生えて色が変化するのだろうなと危惧します。それほど時間が経たないうちに、観光開発と自然状態保護のジレンマが出てきそうです。
内部の鍾乳石 1・・・左端はカーテンのようにも見えます。 内部の鍾乳石 2・・・くつかったつらら石でしょうか?・・。
内部の鍾乳石 3 内部の鍾乳石 4・・・つらら石のように見えますし、下からの石筍とつながっているようにも見えます。
内部の鍾乳石 5・・・一番変化のあった部分ですが、こけが生えて緑っぽくなっていました。 内部の鍾乳石 6出っ張りがフローストーンに覆われています。
内部の鍾乳石 1・・・複雑なフローストーンです。 内部の鍾乳石 8・・・カーテンの出来かかりのようにも見えます。
内部の鍾乳石 9・・・乳房の岩、説明はいりませんね。 内部の鍾乳石 10・・きれいなフローストーンです。
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