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     2007氷渡探検洞撮影会・青き地底湖


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狭い谷底の水路を歩き、今回の最奥部である青き地底湖に着きました。ここから先は地底湖が水没し先へは進めません。高度な潜水技術を身につけた専門家の分野になります。Oさんが所属するNPO法人日本洞穴探検協会の皆さんの調査によると、この先には6カ所の地底湖がありその先はまだ未調査であると言います。

第一の地底湖である青き地底湖は入り口になるわけです。青き地底湖と名付けられていますが、光が一切無い暗黒の世界です。ヘッドライトの明かりやストロボの光を反射して、水面下何メートルになるのか分かりませんが、澄み切ったきれいな水がエメラルドグリーンに見えるのです。

岩泉町で開催される真冬の地底湖巡りでも、この場所までは来ますがゴムボートでの地底湖入りは無いようです。私達はここからゴムボートに乗り奥を目指しました。



青き地底湖 1・・・初めて目にした様子、奥の方にずーっと続きます。 青き地底湖 2・・・じっくり見ると奥の方に隙間が見えてきます
青き地底湖 3・・・ゴムボートに乗り奥に向かいます。ゴムボートは不安定ですが、慣れると気にならなくなります。この隙間に入るのです。 ゴムボートに乗り、上にある画像の狭い隙間に入っていきます。隙間の広さは手を伸ばすと届くくらいですから、せいぜい2m位あるのでしょうか・・。

ゴムボートが壁にぶつからないように、慎重にOさんは小さな櫂を操作していました。私は中央に陣取り足を開いてしゃがんでいます。そろりそろりと中に進みます。
青き地底湖 4・・・深い水面下に白い綱が見えます。潜水時のガイドロープだと言います。 Oさんが、「水面下に白い綱が見えるでしょう・・」と言います。水面下をじっと見ると白い線が目に入りました。これは潜水したダイバーが、迷わずに奥へ移動するためのガイドロープであると言います。何とかストロボの光で撮影できています。

資料によりますと、この奥に地底湖が五カ所あり、そこまでは調査済みだと言います。しかしですが、次の地底湖に進むためには、水没している場所を潜水しなければ行けません。
青き地底湖 5・・・振り返って来た方向を見ました。 狭い隙間を通り過ぎた場所から後ろの様子を撮影しました。黄色に見えているのは、入り口付近に置いてきた荷物です。

水の色は透き通るような青色です。照明がなかったら暗黒の世界です。この説明文を書きながらそう思うのですが、撮影しているときはそんな気持ちにはなりません。周囲の初めて目にする様子に感動し、夢中になって撮影していましたから・・。


この青き地底湖は調査資料によると、水深9.6m長さ33mあると言います。私達も半分ぐらいゴムボートで進みましたが、これ以上進むのは限界ですとOさんが言います。狭くなっているし、水面下には鍾乳石の先端部が見えています。これに触れたらゴムボートの底が裂けてしまいます。

画像処理をし、ページを造りながらその時のことを思い出しながらふと思うのは、ここで帰られなくなったらどうしようと言うことです。地底湖でゴムボートに乗り、その場にいた私は何故か恐怖心がありませんでした。それだけ夢中であると言うことと、あまりの素晴らしさに感動しきっていたとしか思えません。
青き地底湖 6・・・ここがゴムボート立ち入りの限界です。水面下には鍾乳石の先端が見えています。こすったら裂けますので・・。 青き地底湖 7・・・更に奥へと続く地底湖です。

青き地底湖 8・・・浅いところの湖底に波状の模様が見えます。この場所は砂が堆積していますか・・。 戻りながら水面下を見ました。よく見ると底に波打っている模様が分かります。多分ここには砂が堆積し、流水の働きで波状になっているのでしょう。
青き地底湖 9・・・壁面の様子です。粒々の洞穴サンゴが無数にありました。側に行けたら風向きが分かるのですが・・。 周囲の洞穴の壁です。よく見ると小さなぶつぶつが分かります。これは洞穴サンゴと言われる生成物であり、この場所は常時空気中にあり、石灰分が粒状に成長していることになります。

台風や大雨、雪解け水等による増水時には水没してしまいます。


やっとボートに乗った場所に戻りました。地底湖の水がここから流れ出している様子が分かります。最初にもふれましたが、この時はそれほど水量が多くなかったのです。谷底の水深は10センチもあったでしょうか、歩くのに支障が無かったのですから・・。
青き地底湖 10・・・滝に流れ出す流出口です。本当に狭い部分になっています。荷物をここにおいてカメラだけもってボートに乗りました。 青き地底湖 11・・・流出口とその上の谷が見えています。水量が多くないのが幸いでした。


青き地底湖に別れを告げ、狭い谷底を歩いて戻りました。来るときとは違い気持ちにゆとりがあったので、立ち止まっては上を見上げて撮影し、足下の水路を撮影しました。天井にはきれいなカーテン状の鍾乳石や、隙間から突出した感じの色違いの生成物が見えています。この場所は造られ方が複雑な要素があるなと思いました。
青き地底湖からの戻り 1・・・天井部分にはカーテンやつらら石が見えています。 青き地底湖からの戻り 2・・・色違いの鍾乳石があり、複雑だなと思いました。

これから狭い谷底を歩き滝まで進みます。考えてみると、この狭い切れ込み(谷)は下を流れる水の浸食作用で造られたものです。どこまで続くか分からない深い谷の切れ目、そこには無数のつらら石や石筍が見えています。気の遠くなるような年月が経っていることですし、現在も浸食し続けているのです。この様子をじっくりと眺めるていると、自然の時間をかけた変化と言いますか無言の変化に圧倒されてしまいます。

来るときは慎重に滝の脇の崖を登りましたが、帰るときは滝の中を一気に滑り落ちました。水量が多くないこともあり本当に一気に滑り落ちました。水に汚れることを前提の装備だったら出来たことです。

この場所には20分ほど居たことになります。
青き地底湖からの戻り 3・・・巨大な右端の石筍や天井からのつらら石が見えています。 青き地底湖からの戻り 4・・・どこまで続く深い谷、この谷を造ったのが流れている水です。


私は都合3回目の氷渡探検洞への入洞になります。特にも3回目の訪問は、内部の様子をくまなく・・左洞と右洞を可能な限り・・撮影することがねらいでしたので、かなりの場面を撮影し画像化しました。あまりにも多い画像ですので、どのようにまとめて皆さんに紹介するか迷っていました。

今回は、龍の背本洞の最奥部にある鳴龍の滝と青き地底湖に限定して紹介しますが、時間をかけて撮影した画像をまとめ、改めて2007氷渡探検洞撮影会と題してページを作成しています。まとまり次第逐次紹介していきたいと思っています。