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         遠野市・早池峰古参道跡


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早池峰古参道跡・・・

遠野と言えば、遠野出身の佐々木喜善が研究まとめた郷土の伝説を柳田国男に紹介したことにより、一躍有名になった「遠野物語」が心に浮かんできます。遠野物語で紹介される昔話や伝説は、古来からこの地に住み大切にしてきた生活の中から伝えられてきた財産であると思われます。

遠野地区の北側に位置する早池峰山は、古来から地域に暮らす人々の信仰の対象とされ、大出地区に早池峯神社が建立されたと言います。先頃現地を訪れてきましたが、参道の両側にはかつてここにあった杉並木の跡がありました。今ある杉並木もかなりの古木なのですが、その並木の間に朽ち果てた巨大な切り株があったのには驚きました。

ここで紹介する早池峰古参道跡は、現在の土淵地区伝承園・常堅寺入り口道路端にあります。ガイドブックによると古い鳥居跡は二カ所あるようですが、私が見たのは二番目の鳥居跡でした。


早池峯神社は、大同元年(806年)来内村(現在の遠野市上郷町)の猟師藤蔵が神霊を拝して発心し、山頂に一宇を建立したのに始まるとされています。

大出に鎮座する早池峯神社は、その後里宮(神参宮〜として建てられたものであります。神社神門の前に立つと、天気の良い日には正面に薬師岳が望め、その真後が早池峯山という事から、神門、拝殿、本殿と山頂の奥宮が一直線に遙拝できる場所に建てられています。さらに、真北に当たる早池峯山の上には北極星が輝き、山岳信仰の原型を今に残しています。

境内の建物のほとんどは、遠野市の文化財に指定されており、現在ではあまり見る事のできないかや葺き屋根が残っております(※早池峯神社例祭しおりから)

遠野盆地を遠く天頂から見守る早池峰山は、古くから人々の信仰の象徴でした。その登山道は険しく獣道も続き、幾多の難行が待っていたにもかかわらず、多くの参拝者が訪れたといいます。長いときを経て風雨に晒された古参道入口の鳥居は、傾いてなお路傍にしっかりと構え、遠野を代表する光景として写真集などにもたびたび取り上げられています。(※遠野市観光ガイドより)

平成22年(2010)は「遠野物語」発刊百周年を迎えます。
・・・「遠野物語」の発刊から100年、ふるさとで生まれた物語は多くの人々に愛されてきました。100年の物語から、永遠の物語へ、今、新たな「遠野物語」の歩みが始まります。・・・(※資料から)

6月12日から13日にかけて遠野物語100年祭が開催され、昔話や夜神楽、しし踊り、記念式典が行われます。天気が良ければ撮影に出かけてきたいと今から心待ちにしています。
斜め方向から見た石碑と古参道入り口鳥居です。 正面から見ると一般民家が入りますので、道路正面斜め方向から撮影しました。安政九年建立の金毘羅大権現の石碑が二基あり、その下にも小さな石碑があります。

現在は参道ではなく、果樹園になっていました。
鳥居左側と早池峯大神の石碑です。バックの茅葺きは伝承園の建物です。

鳥居跡(右側)と明治十五年建立の「早池峯大神」と刻まれた石碑です。石碑は自然石に刻まれたものであり、人々の願いを込めてこの地に建立されたと思います。

鳥居の材料は「栗」の木ですが、木質部が残っては居ますが固い繊維部分になっていました。どの位の年数が経過しているか分かりませんが、まだまだ朽ち果てる様子は見られません。

横木の部分の後ろは足場鋼管で支えられていました。後ろに見える茅葺き民家は、伝承園の建物です。

ほのぼのとした気持ちになった傾いた石碑です。 金毘羅大権現石碑下にある傾いた石碑に目がいきました。刻まれた文字「御はやつね山道・奉供養」を読むと、建立した当時の人々の気持ちが伝わってきます。

建立は「寛?」までは分かりますが、その後の文字が分かりません。私達は「はやちね」と読みますが、当時の読み方は「はやつね」なのでしょうか。新しい疑問が出てきました。
鳥居越しに見たカッパ淵入り口看板です。 古鳥居内側から、道路(R340)とカッパ淵・常堅寺入り口の看板を望みます。天気の良い日であり、撮影している側をリュックを背負った方や外国人ご夫婦の姿も見られました。

次の課題は、もう一基ある古参道鳥居を見つけて撮影する事でしたが、意外なことから解決しました。「遠野風の丘」従業員の方が伝承園付近の出身とのことで、あそこしかありませんよとのことでした。

小さい頃あの回りで遊びましたが、もっと傾いていたはずです。
紹介されている写真は、かなり古いものですよ・・。私は知らないままに、もう一ヵ所あると思っていただけのことでした。