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      遠野市附馬牛町・茅葺きのバス停


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茅葺きのバス停は遠野市だけかと思われます。心休まる風景です。
遠野郷のシンボル的原風景として、道路脇等で見る看板に青笹地区の荒神神社の様子が紹介されています。原風景に惹かれている私は、5月頃でしたが現地を訪れてみました。しかし、そこにあった荒神神社は茅葺き屋根の葺き替え中でした。私の好みから言う原風景は、少々朽ち果て居る茅葺きが心象風景とぴたりと一致します。しかし、茅葺き屋根は朽ち果てると雨漏りがひどくなり、内部が腐りますので葺き替え作業は欠かせません。

先頃でしたが、「・・しし踊り・・遠野物語100年に舞う」を撮影した帰りに、市内の書店で「水木しげるの遠野物語」を購入しました。遠野物語のコミック版ですが、序章から始まり119話まで独特のタッチで描かれている内容に引き込まれてしまいました。その中にコラム「2010年遠野に風景」のページがありました。なんとバス停やゴミ集積場の小屋が茅葺きになっていました。ショックでしたね・・と言うことで、次回訪れたときに撮影する予定で居たからです。

この画像は、附馬牛地区にある早池峰神社入り口付近のバス停です。

道路脇で見つけた買うや葺きのバス停です。遠野ならではの風景です。 綾織地区から山越えをして来た道路でしたが、附馬牛地区に出た所ににバス停がありました。そして、水木しげるの遠野物語にあった茅葺きのバス停を見つけました。葺き替えて新しいバス停、車を隣に置き正面から横からと色々な方向から撮影しました。
バス停と背景の土壁の小屋がマッチします。願わくば小屋も茅葺きならば最高でした。 のどかな風景です。バス停の背景には土壁の農家が見えています。今まで見ている古い茅葺きの屋根には、夏になるとオニユリが咲きます。

バス停の屋根の上には木の枠があり、そこには草が沢山生えています。まさか百合の花は咲かないと思いますが、ここら辺の気配りが訪れる人たちにとって心温まる配慮だなあと思います。

このバス停の前で、地域のご老人達がバスを待ちながら談笑している様子は、最高の絵になると思います。
茅葺きの構造が分かります。

屋根の葺き方は本格的なものであり、梁や茅を縫っている縄がまだ新しく何とも言われません。きちんと切りそろえた軒先が見事でした。

バス停の大きさですが、目測で間口が3m、奥行きが2m程かなと思います。しっかりと柱が組まれています。

茅葺きのバス停と夏空の雲。

たまたま通りかかった地元の男性(同年代かな)に、「茅葺きのバス停は珍しいですね・・」と言ったら、「うん、民話の里だからね」と笑いながら答えてくれました。

「作りも本格的ですね・・」の問いに対して、「トタン葺きだってかなりかかる。今は茅を葺く人がいないからね・・。茅はいっぱいあるけどなあ・・」とのことでした。

茅葺き屋根の修理保全については全くその通りで、トタン張りよりもかなりの経費がかかるようですし、葺き替え職人があまり居ないのも事実です。

バス停の屋根の上には木の枠があり、そこには草が沢山生えています。こんなイメージは古民家の夏のイメージになります。そう思って屋根の上に拡がる夏空の白い雲を配置してみました。

これから夏にかけてのシーズンには、都会から涼を求めて散策する方が多くなります。休憩所としては最高の場所になりますね・・。