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        八幡平市・松川地熱発電所


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日本で最初に実用化された松川地熱発電所です。

日本最初の地熱発電所・・・

松川地熱発電所は、1966(昭41)年10月に日本重化学工業(株)が日本で初めて運転を開始した地熱発電所で、以来30年以上も発電を継続しています。多くの地熱地域では、生産井から蒸気と熱水が混じって噴出しますが、松川は蒸気だけが噴出する、我が国では唯一の蒸気卓越型地域です。

地熱発電所では、一般の火力発電所のように蒸気を作るための燃料(石炭、石油など)が要らず、発電する際に排出される炭酸ガスも火力発電所の20分の1から200分の1なので環境にやさしく、また再生可能でもある貴重な国産エネルギーです。松川では発電のほか、温水を造成して地元に供給しています。(※ネット資料から)


私がこの地を訪れたのは、営業間もなくの1969年(昭44)頃でした。その時は見学申し込みをしていたので、グループの皆さんと施設内に入り見学し撮影もしました。その当時のプリントがあったことを思い出し、探したら何コマか白黒画面の写真を見つけました。後ほど紹介したいと思います。

今回の東日本大震災により福島第1原子力発電所が壊滅的な被害を受けました。地震と巨大津波に飲み込まれた発電所は、予期しない放射線拡散により近寄ることすら出来ません。保安職員の決死的作業によりいくらかは回復の目処が立ちつつありますが、相手は目に見えない放射線ですから対処の仕方がないと思われます。

8日のテレビ報道でも特集を組んでいましたが、クリーンで再生可能なエネルギーとしての地熱発電に注目が集まっています。しばらくぶりに現地に入ったら、テレビ撮影の方が中に入り撮影していました。


ふもとの施設に温水を送る二本のパイプです。

樹海ライン入り口から谷川に降りたところに駐車場があります。入り口には東北水力地熱株式会社「松川地熱発電所」の看板があり、見学の注意等が書かれてあります。

右上の二本のパイプは、高温の水蒸気を冷却して生じた温水がふもとの施設に供給されているとのことでした。パイプ表面には、高温に注意とありましたのでゆっくりと触ってみたのですが、特には熱くありませんでした。

ゲートがあり先へは進めません。 蒸気の送られる太いパイプと冷却塔が見えています。ゲートがあり、ここから中には許可無しには入られません。受付がありますので、申し出れば良かったのかも知れませんが、目的が雪の回廊撮影でしたので遠慮しました。

テレビ取材の方が案内の方とゲートを開けて中に入っていきました。
巨大な冷却塔

タービンを回転させた高温高圧の蒸気は、この冷却塔で冷やされて温水になります。高さが46m・直径が45mあるコンクリート製の巨大なドームで、常に上から白煙を上げています。新緑や紅葉の頃にこの地を通過しますが、周囲の景観と調和し思わず見とれる迫力があります。

冷却塔と地熱館

松川地熱館の入り口です。内部には地熱発電の解説パネル、実際に使用していたタービンのカット模型が置かれてあります。また、売店等もありました。


地熱タービン・・・
このタービンは、二本で最初の地熱タービンです。1966年(昭41)から1993年(平5)まで約27年間松川地熱発電所で使用されました。

新しい現在のタービンは、出力23,500kwの高性能タービンであり、一般家庭約5万世帯が使用する電力を安定に供給しています。


地熱発電の成り立ち・・・

地上に降り注いだ雨は長い時間をかけて地下深く浸みこみ、岩石の隙間や割れ目の中に貯えられます。火山の近くでは、地下にマグマ溜まりがあるため、岩石中の水はその熱で熱せられ高温・高圧の蒸気や熱水の状態になります。この地下で熱せられた高温・高圧の蒸気や熱水を地熱流体、地熱流体が貯えられた場所を地熱貯留層と呼びます。

地熱発電では、いろいろな科学的手法を使ってこの地熱貯留層を見つけ出し、そこへ向かって磯を掘削して、高温・高圧の蒸気をとり出します。とり出した蒸気は、地下のマグマ溜まりから得られたエネルギーを地上まで運び上げてきますので、その力でタービンを回して発電を行います。

地表から地下に浸みこんだ水とマグマの熱から生まれた地熱エネルギーは、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーであり、ほぼ永久的に利用できる再選可能なエネルギーです。

(※松川地熱館内の展示資料から)



松川地熱発電所の概要・・・

松川地熱発電所は1956年(昭和31年)に調査を開始し、その成果を元に1963年(昭和38年)より建設に着手、1966年(昭和41年)に日本で最初の商業用地熱発電所として運転を開始しました。当発電所は、再生可能な地熱エネルギーを活用した発電所として、安定した運転を続けています。

主要設備・・・
発電所認可出力・・・・・23,500KW
蒸気生産井・・・・・・・・・10本(深度1,000m〜1,600m、坑径21cm)
蒸気輸送管・・・・・・・・・全長約2.200m
蒸気タービン・・・・・・・・定格出力:23,500kw
冷却塔・・・・・・・・・・・・・自然通風式1基(高さ46m、直径45m)
発電機・・・・・・・・・・・・・1台(25,000KVA、電圧11,000V)

(※駐車場看板より)