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           北上市・綱取断層


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綱取断層全景 国道107号JR北上線岩沢駅付近を走るとき、道路の北側に見える巨大な切り通しがあります。この場所は、綱取断層と呼ばれ高さが50m以上もある断崖で、道路側から見て左から右にかけて傾斜しています。

文献によると、この地層が作られたのは新生代新第三紀(約1900万年前)であり、地殻の変動により隆起し傾斜して今の姿になったと言われます。
崖の堆積の様子の拡大 断層というと、地殻変動により地層がずれるのですが、この場所は隆起した地層が下を流れる和賀川の浸食や風化作用によって削られ、堆積の様子が見えるようになったと考えられています。

遠くから見ると地層の縞々がすごくきれいですが、側で見ると幾重にも重なり、軟らかくもろい部分は崩れ落ちています。岩石成分は砂岩や凝灰岩とのことです。

この地層が作られた(新生代新第三紀)当時、今の北上川流域付近は海底にあり、ここに海底火山の活動による火山岩や火山灰が堆積し、地層が形成されていったと考えられています。

軟らかい部分と硬い部分の違い 砂岩等の軟らかい部分は風雨により削られ、凝灰岩等の硬い部分が残っています。この崖の下には、崩落した大小様々の岩石が転がっていました。
ダム上流と和賀橋 中央に見える橋が、石羽根ダム上流部分にかかる和賀橋です。かなり以前ですが、この場所が大変狭くカーブのきつい難所でした。現在は難所が改善され、快適なドライブが出来る国道107号線です。

断崖から続く地層が、そのまま傾斜してダムの中に沈んでいきます。この周辺は北岸に綱取断層があり、南斜面の岩肌には赤松があります。この風景は、日本三景である松島の海岸線を連想させるダイナミックな姿であり、「和賀の松島」と呼ばれているとのことでした。

紅葉にはまだ早いのですが、周囲の樹木の葉が色づき、湖面に色とりどりの木々の葉が映る頃、再度来てみたいと思います。