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         一関市大東・山吹棚田


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稲刈りが終わり、はせににかけて干しています。黒い土と稲株が整然としていました。

国道343号線で大東・猿沢地区から陸前高田市に向かう途中、大原商業高校の北側に位置する山吹地区の奥まったところに棚田がありました。今が稲刈りの真っ最中でもありました。

棚田とは、傾斜地に階段状に作られた水田の様子を言い、日本では別名「千枚田」とも呼ばれています。棚田は、古来から米作りを営んできた農民の忍耐と努力による開拓で築き上げられてきた、米作りの原点とも言えます。

平坦地の恵まれた立地条件とは違い、水利はもちろんのこと、農作業の困難さを思うとき、本当に人々の苦労が偲ばれるからです。

農業用水のため池です 水利用のため池がありました。水路は従来の形で、コンクリートのU管ではありません。田んぼは黒々としていました。

減反政策のため、利用されていない田んぼも見えています。

棚田地区を含めた通称「山吹区域」は、旧大原地域を統治した中世の大原千葉氏の居城である山城「山吹城」に近接し、眼下に大原市街地、眼前に秀峰「室根山」の山並みを望むなどその景観は素晴らしく、山吹・室根山ともに、小中学校の校歌に詠われているとのことでした。
  ※ネット資料から
黄金色の稲穂が映え渡っていました。 棚田は生産環境も悪く、耕作に多大の労力を要するため、米の生産調整の実施と同時に、転作や減反の対象となり、数多くの農地が生産されず、放棄され荒廃化してきました。

しかしながら、棚田には多くの役割があり、洪水防止や土砂流亡防止など、自然環境の保全、農村の美しい原風景の形成、独特の景観美、伝統的な稲作技術、水の貯留や水質の浄化など水資源のかん養等々、様々な役割を果たしています。  
※農水省のサイトから
現場に建立された山吹の石碑

稲刈りが盛んに行われていました。ぬかっていて機械が入られない場所は手刈りで、乾燥したところはバインダーでの作業のようでした。刈り取った稲は、乾燥するために「はせ(乾燥用の柵)」にかけられています。

農水省は棚田の保全や整備活動を推進し、農業、農村に対する理解を深めるため、優れた棚田を「日本の百選」に選定しています。

現場には立派な石碑があり、日本の棚田百選北限の棚田「山吹」とあります。棚田と言いますと、石川県能登半島輪島市にある「白米の千枚田」が有名です。かなり以前に能登半島巡りをしたときに、現場を訪れ見た記憶がまだ残っています。山すそが海に落ち込む急斜面に二千枚以上の棚田がつくられ、目の前の日本海との対比がもの凄く印象的でした。

一番上にある棚田では、ぬかっていて機械が使えないようでした。ご夫婦でしょうか、お二人が一生懸命手刈りをしていました。私は最後に声をかけて、「写真を撮らせて頂きました・・」と挨拶をして現場を離れました。

来年は田植えの時期や、水張りの時期に来てみたいものです。
                     (2006.09.29 撮影)