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           岩国市・シロヘビ



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ガラス飼育箱の横木に絡まるシロヘビです。かなり迫力がありました。

岩国市・錦帯橋を渡ると吉香公園があります。ここには天然記念物に指定されているシロヘビの飼育場があり、ヘビ好きの私は早速訪れてみました。シロヘビは古来から神聖なものとされ人々から畏敬の念で見られてきました。古い本ですが、畑正憲著「天然記念物の動物たち」の中にシロヘビについての記載があります。その中から一部を紹介いたします。

シロヘビは、アオダイショウが白化してできたものである。白化は、ほとんどの動物に見られる現象である。数万匹に一匹というごく低い確率ながら、動物の遺伝子の中には、すべての色素を失わせる劣性遺伝子が含まれている。動物の色素をつくるのは、メラニンという物質である。この色素を生みだすためには、チロシナーゼという酵素がいる。白化(白子)になる個体には、このチロシナーゼが欠けているのである。

判別の方法は、まず目を見ることである。羽毛や体毛が白い動物がるが、ふつうに見かける白いウマやイヌは、目が黒いはずである。白子になると目の色素も失われ、血液の色がすけて見えるので赤い色をしている。実験用のシロネズミやカイウサギがいい例である。


飼育場の中にはガラス張りの部屋があり、正確な数は分かりませんが何頭かのヘビが群がっています。ヘビが嫌いな方には悲鳴ものでしょうが、見学者の皆さんはシロヘビの神秘さにひかれ、悲鳴等をあげることなく眺めています。白という色は、白無垢の花嫁さん、死に装束等々私たちの人生けじめの場で、相反した思いを抱かせる不思議な色とも言えます。


飼育場内には、解説と共に説明用のパネルが沢山ありました。

古文書にみられるシロヘビ
天然記念物「岩国のシロヘビ」は、山口県岩国市の限られた地域にだけ生息する世界にも珍しいヘビです。このシロヘビがはじめて文献にあらわれたのは、1738年(元文3年)の「岩邑年代記」にある記録で、「岩国市横山の千石原御門の付近にシロヘビが1匹いた」という意味のことが書かれています。

また「昔、今津の錦川の河口に吉川藩の米蔵が沢山あり、この米を食べるネズミ常食していたアオダイショウが、白化してシロヘビになった」という伝説が伝えられています。シロヘビがこれらの米蔵の付近に沢山生息していたことは「錦川志」という古文書にも記述されており、事実だったようです。

岩国の人々はこのシロヘビを幸福の神として大切にし、弁天様のお使い姫で商売繁盛の神、金運の開ける神として崇拝しています。この珍しいヘビが、今日まで絶滅を免れて来たのは、このような岩国住民の深い崇拝の念と愛情があったからなのです。


シロヘビをじっくり眺めると、身体の色は純白ではなくうすいクリーム色をしていますし、アオダイショウ特有の縦縞がうっすらと見えています。そして目が特徴的で、白化個体特有の赤い色をしています。シロヘビの長さは目測で1m位あるのかなと思いました。

岩国市シロヘビ 1・・・鉢の中にとぐろを巻いていました。 岩国市シロヘビ 2・・・目が赤いのが特徴です。
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天然記念物「岩国のシロヘビ」
山口県岩国市のひとたちは、アオダイショウというヘビの白化個体(体の表面の色素を作ることができない個体)であるシロヘビを、古くから神の使いとして大切にしてきました。現在では、「岩国のシロヘビ」は国の天然記念物に指定され、岩国市教育委員会と岩国白蛇保存会が中心となって、シロヘビの保護・管理を行っています。岩国のシロヘビの数は順調に増え続け、今では1000匹近くになっています。

シロヘビの保存活動について
大正13年12月8日、山口県岩国市を縦走している今津川をはさんだ今津・麻里布地区と川下地区が、「シロヘビ生息地」として天然記念物に指定されましたが、第二次大戦後は生息環境の急激な変化によって、その生息数は激減しつつあります。
地元岩国市と文化庁は、この現象を憂慮して昭和47年8月4日、シロヘビそのものを「岩国のシロヘビ」として天然記念物に指定し、その保護につとめています。


シロヘビの入ったガラスケースの周囲には、成長記録とも言える脱皮した抜け殻や標本がありました。シロヘビとて生き物ですから、飼育するためにはエサをやらなくてはなりません。皆さんの見ている場所ではエサ等は与えないと思いますが、カエルやハツカネズミなどが与えられているように思います。

飼育場の外には白蛇神社があり、様々なお守りが売られています。入場料も決められて無く、保存会の基金にいくいばくかの寄進をお願いしますとありました。

岩国市シロヘビ 3・・・純白ではなく、クリーム色でした。 岩国市シロヘビ 4・・・二匹のシロヘビです。身体をよく見ると、アオダイショウの特徴である長い縦縞が分かります。

岩国・白蛇神社で購入した可愛いお守りを紹介します。この神社の御祭神は、宇賀弁財天、宇賀御魂神です。説明書によると、シロヘビ弁財天は五穀豊穣ばかりでなく、如意宝珠の力によって、希うことはことごとく叶い、福を得ることとなり、合わせて本来の能力である、音楽・学問・叡智までの力を授けて下さります。

左側が願い叶う御守り、右側が宝冠白蛇弁財天となっています。願わくば万分の一でも御利益があれば、私としては願ったり叶ったりというところです。なおこの御守りの撮影は、息子のブラカメがマクロレンズでストラップの感覚で撮影したものです。

御守り 1・・・願い叶う御守り、願うことはことごとく叶うと言います。 御守り 2・・・不思議に幸運を招く宝冠白蛇弁財天。