岩国市・錦帯橋を渡ると吉香公園があります。ここには天然記念物に指定されているシロヘビの飼育場があり、ヘビ好きの私は早速訪れてみました。シロヘビは古来から神聖なものとされ人々から畏敬の念で見られてきました。古い本ですが、畑正憲著「天然記念物の動物たち」の中にシロヘビについての記載があります。その中から一部を紹介いたします。
シロヘビは、アオダイショウが白化してできたものである。白化は、ほとんどの動物に見られる現象である。数万匹に一匹というごく低い確率ながら、動物の遺伝子の中には、すべての色素を失わせる劣性遺伝子が含まれている。動物の色素をつくるのは、メラニンという物質である。この色素を生みだすためには、チロシナーゼという酵素がいる。白化(白子)になる個体には、このチロシナーゼが欠けているのである。
判別の方法は、まず目を見ることである。羽毛や体毛が白い動物がるが、ふつうに見かける白いウマやイヌは、目が黒いはずである。白子になると目の色素も失われ、血液の色がすけて見えるので赤い色をしている。実験用のシロネズミやカイウサギがいい例である。
飼育場の中にはガラス張りの部屋があり、正確な数は分かりませんが何頭かのヘビが群がっています。ヘビが嫌いな方には悲鳴ものでしょうが、見学者の皆さんはシロヘビの神秘さにひかれ、悲鳴等をあげることなく眺めています。白という色は、白無垢の花嫁さん、死に装束等々私たちの人生けじめの場で、相反した思いを抱かせる不思議な色とも言えます。
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