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ヒメギフチョウ羽化の撮影でかなりの数(約300コマ)を取り込みました。数多くの画像の中から厳選し、2コマだけですがお気に入りを選んでみました。


羽化して8日目の今、4頭が暖かい部屋に置かれたガラス水槽の中で元気に動いています。ヒメギフチョウの幼虫飼育は、通算で五年目になります。それまでは失敗の連続でした。五年目の今にして、なんとか自然の状態で羽化させることが出来たのかなと思っています。冬季間のサナギ保管場所の問題、羽化の時期の見極め方等々課題がまだまだあります。

次の目標は、ゴマダラチョウとオオムラサキ幼虫の採集と飼育を狙ってみたいなと思います。ゴマダラチョウは、家にあるエゾエノキに必ず親が採卵しています。エノキの幼木を見つけると、家の裏に移植してかなりの大きさにもなっています。私が小さい頃からのエノキも2本ほどあり、その数は数本にもなっています。

国蝶にもなっているオオムラサキは、現在は生息場所が限定され幼虫を見つけるのは至難になってきていますが、まだ不可能ではありません。学生時代からの夢は、家の回りにオオムラサキを繁殖させることでした。退役老人のはかない今後の夢になりそうです。

最後になりますが、この記事を書きながら学生時代の恩師を思い出しています。独学で蝶の研究に生涯を捧げた、今は亡き岡野摩瑳郎先生です。先生は、私が学生当時の生物学教官でした。丁度この頃でしたが、陸中海岸の田野畑で「チョウセンアカシジミ」を発見し、学名の最後にokanoとつけたと知らされたことがあります。また、昆虫採集に夢中になっていた頃、「現在の蝶の分類学は形態ではなくて、交尾器の構造の違いにあるのだよ・・」と指導されたことがありました。

また先生は蛾の研究者でもあり、「体長2mm位の野蛾の研究はこれからの分野で大変だが、誰もやっていないのでやりがいがあるのだよ・・」と示唆されました。スケッチの苦手な私は、それ以後は別の分野に進みましたが、ヒメギフやオオムラサキのことはいまだに脳裏から離れていません。50年以上も前の事になりますが、きっかけを作ってくれた今は亡き岡野先生(岩手大学退官後、富士大学学長に就任)に感謝しております。

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