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         花の蜜を吸うホウジャク


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スズメガの仲間のホウジャクですが、拡大するとすごく怖い表情になります。何に見えますか?、この目が怖いのです。

庭で車を洗っていたら、側にある花にぶんぶんと飛んできた蛾がいました。ひょいと見たら、空中浮揚しながら長いストローを花に差し込みミツを吸っています。あーっホウジャクだ・・・、慌ててマクロレンズを装着し追いかけました。今まで見てはいたものの、本気になって撮影したことがありません。あまりにも動きが早いので、今回はシャッター優先で撮影してみました。

望遠ズームレンズですから、ホウジャクまでの距離は1m位あったでしょうか・・。1/400のシャッターですが、羽根の動きが止められません。でも最初にしては何とかうまく写っています。もちろんですが、連射機能を使用しバシャバシャとシャッターを切り、その中から画像を選んだことは言うまでもありません。


ホウジャク(スズメガの仲間)・・・
翅開長が40-50mm、分布は日本全土。昼行性の蛾で、容姿が蜂に似ることからホウジャク(蜂雀)と呼ばれる。棍棒状の触角を持つ。全身は褐色だが、後翅に黄色い模様が入る。7-11月に出現。

成虫・・・
スズメガの成虫は鋭角を持つ三角形の翅をもち、これをすばやく羽ばたかせて、種類によっては時速50km以上の高速で移動する。その飛行速度は、数多い飛翔昆虫の中でも一番速い部類に入る。また翅を素早く羽ばたかせる事で空中に静止(ホバリング)することもでき、その状態で樹液や花の蜜を吸引している姿が頻繁に観察できる。

食性・・・
成虫は口吻が発達していて、様々な植物の花の蜜を吸引するが、樹液に集まるものも多い。成虫の口吻の長さは種類によって様々で、それぞれ好みの花の蜜腺に届くような長さをしている。たとえばウチスズメは2cmほどしかないが、エビガラスズメは11cmも伸びる口吻をもつ。成虫は主として夜行性だが、オオスカシバやホウジャク類のように日中飛行するものも多い。

スズメガの利用・・・
その広範な食草の種類と旺盛な食欲から、一般にスズメガは害虫として認知されているが、それと共に非常に利用価値の高い昆虫としても注目されている。成虫はミツバチと同じく花から花へと飛び回るので、植物の受粉に大きく貢献している。  (※ウイキペディアより)



ホバリング(空中浮揚)しながら密を吸う状態を、連射した画像の中から違う様子の角度で選んでみました。画像で見てはっきりするのは、蛾と言うよりも小さな鳥を連想させる姿です。ハチドリという小さな鳥と似ていますが、チョウと同じように口吻(これは管でなく二枚が合わさって管状になっていますが・・)で密を吸います。

もう一つの特徴は、鳥の目と見間違う様に中心に瞳のように見える部分があることです。もちろんですが、昆虫類の大きな目玉は複眼であり、単眼は頭の先端部にあります。鳥などに襲われる事がないような擬態とも言えそうです。自然界の不思議とでも言えますか、拡大して見ると怖いくらいの表情ですから・・。可愛いなと思ったのは、頭部についている棍棒状の触角です。

資料によると飛行速度が50kmと言いますから、簡単には捕捉されないと思います。身体が流線型であり最新鋭のジェット戦闘機の様にも見えてきます。
花の上にホバリングしミツを吸うホウジャク 1・・・前の花が動いているが後ろの羽根は留まっています。こうやってバランスを取るのでしょうか。 花の上にホバリングしミツを吸うホウジャク 2・・・身体ぐらいの長さの口吻をうまく曲げて差し込んでいます。
花の上にホバリングしミツを吸うホウジャク 3・・・羽根が少し留まっています。 花の上にホバリングしミツを吸うホウジャク 4・・・後ろからの様子です、羽根の前にある口吻が見えるくらい羽根が上下に動いています。


連射撮影の二場面です。上の画像では素早く口吻を差し込み、次の瞬間にはすーっと伸びています。

下の画像ではその逆であり、引き抜いているように見えます。どちらが本当であるか、知る由もありませんが・・。
ホウジャク吸密活動連射 1 ホウジャク吸密活動連射 2
ホウジャク吸密活動連射 3 ホウジャク吸密活動連射 4・・・四枚の羽根がかろうじて分かります。


水平の位置から口吻を素早く花の中心に差し込みます。じーっと見ていると、空中給油機の様にも見えてくるから不思議です。それにしても長い口吻です。身体の長さ以上ありますね。
ホウジャク吸密活動連射 5・・・一番のお気に入りです。すごく不気味な感じがします。超低空で飛んできたジェット戦闘機です??。 ホウジャク吸密活動連射 6


ホウジャクを撮影していたら、側にはセセリチョウがいました。こちらは花の上にがっちりと留まり、長い口吻を伸ばして花の中に入れています。

撮影速度は1/500であり、かなり間近に接近しても逃げません。ホバリングしていないので、比較的全体にピントが合っています。

肉眼では良く分かりませんが、カメラの連写機能を使い約秒速4コマぐらいでの撮影です。口吻を丸めて伸ばす瞬間から、直系5mm位の花の中心にうまく差し込むのですから驚いてしまいます。

セセリチョウの吸密活動 1・・・口吻が丸まっています。
セセリチョウの吸密活動 2・・・口吻が花の中心に入っていきます。 セセリチョウの吸密活動 3・・・口吻が引き抜かれています。
セセリチョウの吸密活動 4・・・口吻が最初の花にまた入るところです。 セセリチョウの吸密活動 5・・・口吻をしっかりと中に入れています。


本当にしばらくぶりに昆虫たちの表情を撮影しました。元々私の趣味は昆虫などのマクロ撮影が本流でした。全くのカメラ任せの撮影で、これほどきれいに昆虫たちの表情を記録できるのですから、昔の苦労が嘘のようであり感動ものです。

スズメガの仲間のホウジャクは、今回が最初の撮影です。おかしいもので、構えて撮影しようとホウジャクの飛来を待っていても出来ません。機会があったら、何とかしてホバリングしている羽根を止めてみたいと思います。シャッター速度は1/1000秒にしてみたいなと思います。