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ウスバシロチョウの産卵
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昆虫の表情に三度目のウスバシロチョウの登場です。二度目の前回は、ぐっとくだけて交尾の様子が中心でした。今回のねらいとして、産卵の様子を撮影したいなという願いがありました。今年は例年と違い、ウスバシロチョウが飛び始めた五月の初めは天候が良くなく、風の強い日が続いていました。 ネット資料でウスバシロチョウの産卵の様子や生活史を調べたら、今の時期なら何とか卵にお目にかかれそうだと思いました。そのためにはまず手っ取り早くメスのウスバシロチョウを捕獲する必要が出てきました。ここではウスバシロチョウの産卵と書きましたが、実際には産卵後の卵の様子となります。ガラス水槽越しでは見ているのが精一杯で、撮影する段階までいけなかったのが本当のところです。 |
メスのウスバシロチョウを捕まえるため、半世紀以上以前の昆虫学生当時を思い出し本格的な捕虫網を欲しくなりました。しかし、購入しようと思いネットで調べてうなりました。ちょこっと捕まえるにはあまりにも高価だったからです。それならばと言うことで、レースのカーテン地を細工して直径30センチの捕虫網を作りました。張り切って捕虫網をうん十年ぶりに振り回しました。いい年した老人がチョウを追いかける様は、通行人の目を引きます。何人からか「何していますか・・」と言われ、「チョウを捕っているのです」と言ったら笑われましたから・・。 |
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花に留まっている状態ですが、尾部を見ると先端部に突起状のものが見えています。交尾後のメスの尾部には、受胎嚢と呼ばれる薄い袋状のものがついています。この袋、交尾後のメスが他のオスと交尾できないよう様に、オスチョウが分泌物を出して蓋をすると言います。メスチョウにとっては迷惑なことですが、オスの遺伝子を確実に残すというウスバシロチョウ特有の生き様と言えそうです。 下の画像は、指で固定して尾部を拡大接写してみました。恥ずかしそうにして私をにらんでいます。私もこの撮影は今回が初めてのことです。 |
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産卵させるために小さな水槽に小枝の切れ端を何本か入れ、食草であるムラサキケマンも入れてみました。その中に捕らえてきた5頭のウスバシロチョウを放しました。水槽に放されたチョウはあちこち動いていましたが、そのうちに小枝に止まるようになりました。 ネット資料で調べると、食草であるムラサキケマンには産卵しません。ムラサキケマンが来年生えるであろうと思われる地面の近く、木の小枝や落ち葉の部分に産卵すると有りました。ですから他のチョウのように食草には産まないことになります。産卵行動のチョウを見つける以外、自然状態で産み付けられたウスバシロチョウの卵を発見することはほとんど無理だと言うことになります。 |
水槽の小枝を点検したら、かなりの広範囲の場所に合計で130個ぐらいの卵を確認できました。ものすごく嬉しくなった私でした。 最後の画像は、状態の良い部分を切り取ってみました。別の方法で拡大撮影をすれば良かったのですが、準備をするのが大変で今回は出来ませんでした。機会を見て撮影する予定でいます。 |
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今後の扱いについて・・・ 来春孵化した幼虫は、食草であるムラサキケマンを求めて徘徊する。そして葉を食べた後は、その近くに潜み姿を隠すと言います。幼虫は三月末頃から急成長しサナギになり、五月初め頃羽化し華麗な姿を見せてくることになります。 楽しみでもあり嬉しい課題が生じましたが、ヒメギフチョウで何年か経験してきているので、その時のノウハウを生かしてトライしたいと思います。それと同時に、ムラサキケマンの種子をまき散らし食草園を作らなくてはなりません。 |