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           釜石市・仙人道路


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ループ状に道路をまたいで高度差を縮める仙人大橋とその周辺の様子です。仙人道路では、ここら辺が一番の見所にもなります。

内陸遠野市と釜石市を結ぶ国道283号線は、もともとは日鉄鉱業株式会社が探鉱の目的で着手したものと言われ、地元釜石市民の内陸部との交通を確保したいという熱望に会社が応え、日本道路公団の有料道路として1952年9月12日に完成したものである。(※ネット資料から)

通称仙人道路と呼ばれる道路は、峠を2,500mの仙人トンネルで抜け、釜石側は断崖絶壁の斜面を這うように道路が造られ、仙人大橋の所ではループ状に道路をまたいで通る設計になっています。遠野側のなだらかな道路とは違い高度差がかなりあり、便利になった道路とは言え車にとっては急勾配・急カーブの連続であり難所でありました。

三陸海岸・陸中山田町で通算十二年生活した私にとって、家に帰るための生活道路ですから何回通ったかは記憶にありません。若い頃はオートバイ、そして軽自動車から普通車と替わりましたが、喘ぎながら通過した交通難所でもある仙人道路でした。四季折々の風景を見ながら走りましたが、あくまでも風景の一部としてしか記憶にありません。

「仙人道路」の交通難所を解消するために、この場所より南側を通る新しい道路「仙人峠道路」が平成19年3月18日に開通しました。しかし、自動車専用道路ですのでそれ以外の車両や徒歩の方は利用が出来ません。ですから地元の方にとっては重要な生活道路でもあり、時間がかかり大変ですが現役の道路になっています。



遠野側の様子・・・

十月も終わりになった三十日、しばらくぶりの晴れ間と紅葉情報に刺激され、仙人道路を走ってみました。交通量は驚くほど少なく、路肩駐車や道路中心での撮影が可能なのですから驚きです。もちろん通過車両がありますので、万全の注意は欠かせません。

遠野側から見た旧料金所付近の様子です。この直線を進むと左に大きくカーブし、仙人トンネルまで続きます。懐かしい釜石市迄の虎の案内板をしばらくぶりに見ました。トンネル手前のカーブ付近には、巨大な岩石の切り通しが拡がり「片岩」と名付けられた名所になっています。
遠野側の仙人道路 1・・・以前料金所があった場所で、仙人道路がここから始まります。 遠野側の仙人道路 2・・・懐かしい虎舞の標識です。 遠野側の仙人道路 3・・・日だまり部分はきれいに紅葉していました。
遠野側の仙人道路 4・・・大きな岩場は「片岩」と呼ばれる露頭で名所にもなっています。 遠野側の仙人道路 5・・・道路下の谷川の様子です。 遠野側の仙人道路 6・・・赤い色が少なく黄色が主な彩りでした。


道路頂上付近になり、ぱっくりと口を開けた仙人トンネル(2500m)の入り口が見えてきました。入り口付近には広場と休憩場がありましたが、今はさびれて入られないようです。釜石に向かう時は、この場で休憩などしないで一気にトンネルに入り走りました。

今回気がついたことは、遙か彼方の出口がはっきりと見えたことです。以前は大型トラックの排気ガスで曇り、早朝でもない限り出口が見えることはなかったと思います。

今回撮影するために入り口付近を眺めましたが、軽便鉄道の碑があったり、仙人峠登り口を見つけたことでした。
トンネル入り口側のきれいな彩りです。
黄色の中の赤色は特にも目立ちました。 仙人トンネルです。正式名称は仙人隧道と上に書かれてありました。向こうの出口がめいていました。


釜石側の様子・・・

釜石側のトンネル口には、大きな休憩所と駐車場があります。出口にある道路は直角カーブであり、トンネルから猛スピードで直進して来ると曲がり切れずにフェンスを突き破り崖下まで落下する危険な場所でもあります。しかし、ゆっくりと眺めると最高の景観の場所でもあります。

遠野から来る時はこの先が急勾配・カーブの坂道になり、ブレーキばかりを踏み続けると加熱して大変なことになります。仙人大橋を下ったヘアピンカーブカーブからはほぼ直線になり、道路山側には緊急避難場所が二カ所ほどあります。釜石鉱山跡を見ながらトンネルをくぐり、やっと普通の勾配の道路になる大橋地区まで降りてきます。意外とこの場所は事故がほとんど無いのですが、それだけ怖い危険な場所なのでドライバーの皆さんが最大の注意を払っていることになります。
隧道出口正面から見ると、中央に点のような白い部分が見えますが遠野側の入り口です。この時はトンネルの中に車が一台も走っていませんでした。

入り口右側には「仙人の泉」と書かれたきれいな水場がありました。当時はここの山から「仙人秘水」が生産され人気がありましたので、ここから水をポリタンクに汲む方もありました。もちろんですが、「飲用不可」の張り紙がありました。

この場所でフェンス越しに見た紅葉が一番きれいでした。下に行くほどこれからだなあと思いましたから・・。
釜石側の入り口です。ここを出ると直角カーブになり急勾配の下り道になります。
今は見る人もない「仙人の泉」です。ここには宮沢賢治の碑もありました。

当時はこのような撮影はほとんど無理でした。仙人秘水製造工場がある場所までは、急カーブで勾配がきついので、ここを通る車はアクセルを一杯踏んで通り抜けます。こんな場所に立って撮影するなんて、本当に自殺行為に近いものがあったからです。もちろん車の往来の妨げにもなります。

交通量がほとんど無かったので、周囲に十分気をつけてガードレールぎりぎりにより、真下に見える仙人大橋の紅葉を眺めてみました。この場所は、仙人大橋とループが一望に見渡せる絶景ポイントでもあります。私以外にも家族連れの方が撮影していました。
仙人大橋 1・・・ヘアピンカーブの部分が見えています
仙人大橋 2・・・大橋の全景と道路、下を流れる甲子川が見えています。 仙人大橋 3・・・橋の周辺と山の稜線、谷底に道路が造られているのがお分かりかと思います。

一番怖かったのが仙人大橋(全長100m位)です。車で走る時は感じませんが、橋の上にいると車が通過する時の振動で物凄く揺れます。橋が狭いですし避ける場所がないのでそう感じるのかも知れません。

たまたまでしたが、撮影している時にトラックが通り過ぎました。反対車線とは言え狭いし揺れるので、ちょっと無茶かなと思ったくらいでした。

ひょいと見たら橋の金網に大きな穴(頭ぐらい)が開けられ、そこから真下を撮影できるのです。かなり錆びていたので、かなり以前に開けられた穴だと思いました。もちろんですが、撮影するための穴です。
仙人大橋の様子です。車道だけで歩道はありません。歩くときは車が来ないうちに素早く抜けるしかありません。
橋の中央からとんねるほうこうをみたようすです。道路の下に道路があります。 たまたま金網の破れを見つけ、そこからカメラを入れて釜石側のましたをみたようすです。怖い位の緊張感がありました。

一番の急勾配であるへピンカーブの場所です。ここを過ぎると仙人大橋になります。 仙人大橋を渡るとヘアピンカーブになります。登ってくる時はここまでが大変ですが、下る時はここからが大変です。ブレーキの使用は極力減らし、ローギアに切り替えてエンジンブレーキを併用して走ります。それでなくても加速されてスピードが出てしまいます。

このへピンカーブを過ぎると、頭の上に渡ってきた仙人大橋が見えてきます。ここの下り道路は嫌でもスピードが出ます。万が一止まられなくなった時のために、山側に二カ所ぐらい砂を盛り上げた緊急避難場所が設けられていたはずです。

昔の軽自動車(360cc)で走るといくら頑張っても加速が無いのでゆっくりとしか走られません。大型トラックに黒煙をかけられて追い越されたこともありました。

これもかなり以前の話です。正月のために北上に帰るときのことですが、スリップしたプロパンローリーが転倒し甲子川に落下。そのまま炎上したので、しばらくの間通行禁止になったこともありました。その時の運転手さんは助けることが出来ず、車が燃え尽きてから遺体を収容したという悲しい出来事もありました。通過する時想い出し、手を合わせたこともありました。
へピンカーブの場所から下を流れる甲子川を見た様子。 ヘアピンカーブの道路下には橋があり、甲子川が流れています。車が来ないことを良いことにして、下を流れる甲子川を撮影してみました。この川は釜石市内を流れ梅へとつながります。

このヘアピンカーブから山に入ると、仙人秘水工場があり一般の立ち入りは禁止されています。


紅葉撮影のために一旦大橋の登り口まで坂を下りました。下り道路では、良い場所を見つけても止まるのが大変です。撮影は坂道を上りながら絶景ポイントの安全な場所で車を止め、車から降りて歩きながら撮影しました。

遠野側から仙人大橋を渡る手前に待避所があります。ここから少し先に行けば仙人大橋ですし、道路を上ればはるか上の方にトンネル口付近が瓦礫の沢の上に見えてきます。標高差にしていくらあるのか分かりませんが、道路の下は瓦礫の沢になっていて土留めの堰堤が何カ所か見えています。

仙人道路周辺の渓谷は、紅葉情報に必ずと言うほど出てくる名所でもあります。以前の一般道路しかないときは走りながら見るのが精一杯で、車から降りたり駐車して見たりする場所ではありませんでした。今年はもう終盤になりましたが、来年以降紅葉見物に来られる方は太陽が頭の上にあるときが光線バランスから良いと思われます。私も初めて挑戦した懐かしい場所でもありました。
仙人大橋付近から見上げたトンネルの方向。 少し場所を変えるとトンネル口付近が見えます。その下は瓦礫の沢で怖い場所でもあります。