年の瀬も近くなった12月10日の夜、皆既月食の話題が飛び込んできました。それまで気にもしていなかったのですが、皆既月食報道を目にし空模様を気にしながら赤い月を待ちました。予報では雲がないのは太平洋側であり、当地はもしかしたら見えるだろうという状態でした。
夕食後に東の空を見たら、満月状態のきれいな月が見えています。部分食が始まるのは21:45頃ですから、その前に外に出たら左側の欠け始めた月が見えています。しかし、雲の動きがあり西の空は厚い雲に覆われて星も見えません。完全ではないが、雲の切れ目から見えるだろうと期待し庭に出て構えることになりました。
雲に覆われた皆既月食の様子を、私の装備で記録した画像から紹介してみます。肝心のレンズですが、息子が航空機撮影に使用していた古いタイプの300mmレンズ、それに2倍のテレコンバーターを装着し600mm換算にします。カメラはD300ですから、画角的には900mm(フルサイズに比して)になります。
撮影感度はISO400、当然ですがオート露光は効きませんのでマニュアルで10秒前後にしました。以下は雲とのタイミングで撮影した月食の様子です。後半は薄い雲に覆われ、皆既状態を探しファインダーに捉えるのが大変でした。
ここでは原画のままでははっきりとしませんので、明るさについてはデジタル処理をしております。
ねらった赤い月ですが、雲の中に入り輪郭がはっきりとしませんが雰囲気だけは捉えたと思います。
皆既月食について・・・
12月10日の夜、日本全国で皆既月食が観察できる。国立天文台によると、晴れていれば日本中で皆既月食の初めから終わりまで見ることができ、このような好条件の月食は約11年振りとのことだ。
月食の開始は10日の21時45分から(部分月食)。そこから徐々に月が欠けていき、23時05分には、月が地球の影にすっぽり入り「皆既月食」が始まる。その後、月は23時58分に影の反対側に達して影から出てくる。そして徐々に欠けている部分も小さくなり、翌11日の01時18分には部分月食も終わりとなる。
月食は肉眼でも十分観察でき、10日の21時45分頃に南東の空を見上げれば、簡単に見つけることができるとされている。もちろん、双眼鏡や望遠鏡を使っての観察も可能。気象庁の予報(9日15時現在)によると、北海道や東北の日本海側、北陸地方では曇りや雪の心配があるが、太平洋側では概ね晴れる地域が多くなっている。
次の皆既月食は世界全体で考えても2014年まで起こらないとされ、国立天文台では、今回の皆既月食は頻繁には訪れない絶好の機会、ぜひ機会を逃さずに観察してほしいとしている。皆既食最大時の高度は北海道南部より南では70度を越えます。東日本では南中時刻と皆既食の最大の時刻がほとんど変わらないという好条件です。
皆既月食が起こる理由・・・
地球の影の中を月が通っていく。月食とは、太陽−地球−月の順に一列に並んだときにおきる天文現象で、満月のときにしかおこりません。普段、月は太陽の光を反射して輝いていますが、月食のときは太陽光をさえぎった太陽と反対側に伸びる地球の影の中を通るため月面は暗くなります。月は地球の周りを公転しているので、時間経過とともに欠けて行き皆既となります。そして、また満月へもどります。
太陽の光が完全にさえぎられる本影に月がすっぽり入ると皆既月食となります。本影の外側の半影部分(太陽光線の一部が当たっている部分)での半影食はよほど注意して観察しないとわかりません。
皆既月食が赤く見える理由・・・
赤い光が月を照らす。皆既月食中の月は、赤銅色ともいわれ、赤っぽい色をしています。月が地球の影に入っても完全な真っ黒にはなりません。その理由は、太陽光が地球の大気によって屈折や散乱され、うっすらと月面を照らすためです。赤くなるのは、朝焼けや夕焼けの原理と同じように波長の長い赤い光のほうが大気中を通過しやすいためです。(※ネット資料から)
2011.12.11 作成
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