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         大船渡市・碁石海岸


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穴通磯の全景です。バックに大船渡湾の入り口になる防波堤が見えています。

三陸海岸の大船渡市や陸前高田市は、私にとって心の故郷ともいえる幼少時の想い出が多い場所です。車で北上山地を越えると90分ぐらいの距離にありますので、一年を通して何回も足を運んでいます。私にとって海の風景を眺めることは、本当に心が洗われる癒やしの場所と言えます。

海岸に引っ越しをしたのが小学二年の時でした。父親に連れられて初めて広い海を眺めた時、水平線が直線ではなく曲がっていることを知り、子供心にもおぼろげでしたが「地球は丸い」と言うことを知りました。以来うん十年になる今でも、やっぱり雄大な海の風景が大好きな私です。



大船渡市の観光パンフレットを開くと、一番先に目に入る風景が碁石海岸の穴通磯です。碁石海岸とは、大船渡市南部の末崎半島から延長6km程ある海岸線の総称でもあります。ここには、世界13カ国から集めた260種ほどの椿が咲き誇る「椿館」、古生代から現在に至る大船渡の地層等の歴史が分かる「大船渡市立博物館」などがあり、一年中人出が絶えない地域になっています。

碁石海岸の北に位置する穴通磯は、海中に作られた島に海水の浸食作用で大きな穴が三つ空いたもので、見事な自然の造形美に目を奪われます。海が穏やかなときは、小型の遊覧船で穴の中をくぐることも出来ると言います。何回か訪れて撮影しましたが、青空と岩にぶつかる白い波との対比が願ったようにはなりません。一番良いのは、台風一過の晴天と荒れた海をいつかは狙ってみたいものです。

この岩場をじっくり観察すると、岩肌に地層の堆積跡が見えてきます。資料によりますと、ここら辺の地層は約1億3000万年前の中生代の海底で堆積したものです。その後、地殻変動による隆起や沈降を繰り返した結果、三陸海岸の複雑に入り組んだ地形が形成されたと言います。

穴通磯 1 穴通磯 2 穴通磯 3


展望台から見た大船渡湾入り口方面です。対岸に見えているのが綾里崎半島になります。頂いた資料によりますと、中央の画像に見える小島は「海馬(トド)島」と言い、昔、トドが休んでいたことからこの名が付いた言います。
展望台から対岸を望む。 中央に見えるのが海馬(トド)島。 逆光に輝く太平洋。


乱瀑谷(らんぼうや)・・・高さ30メートルをこえる断崖絶壁と、海食による断崖が狭い水道をつくり、北乱瀑谷・南乱瀑谷と呼ばれています。海が荒れると激しい波が打ち寄せ、砕け散ったしぶきが島をおおい、自然の猛威を目の当たりに見ることが出来ます。潮のおだやかな合間には、遊覧の小舟が静かに通り、海食によってできた洞門や洞穴を見せてくれます。
(※頂いた資料から)

私が撮影したときは静かな海で、ほとんど波が無く静かな状態でした。

北側にある乱瀑谷。 南側にある乱瀑谷 1 南側にある乱瀑谷 2


雷岩(かみなりいわ)・・・この付近の岩石は、比較的軟らかい砂(砂岩)と泥(頁岩)が重なり合って生じた地層から出来ています。海食を受けて生じた洞穴に波が打ち寄せると、中の空気が圧縮され、逃げ出す時に雷のような音を出すことから「雷岩」と名付けられています。

乱瀑谷の南側にあたりますが、島にぶつかる波浪が岩の下に空いた空洞を通るとき、圧縮された空気が逃げ道が無くなり「ドドーン・ゴゴンー」と音を出します。この音が雷のように聞こえることから付いた名前です。この雷岩の様子は、「残したい日本の音風景百選」に選ばれているとのことでした。

白い波が出ている場所ですが、海が荒れていないと豪快な音は聞こえません。

南側にある乱瀑谷で雷岩付近の様子。白い波が立っている所。 雷岩の名が付いた波の出口ですが、静かな海で泡が立つだけでした。
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