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         岩沼市・金蛇水神社


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二年ほど前に宮城県にドライブした時、何気なくもらった観光案内に有ったのが金蛇水(かなへびすい)神社でした。
金蛇水神社は、宮城県岩沼市三色吉(みいろよし)地区にあります。この神社の名前が何故か、頭の隅に残っていました。御神体である金蛇とは、金で造られた雌雄一対の蛇のことでした。また岩沼市には、日本三稲荷の一社に数えられる竹駒神社が近くにあります。


御由緒・・・金蛇水神社の創祀は、その水源の神としての性格からみると、この地方に人々が初めて足跡を記した悠久の太古にさかのぼるものと考えられる。御社名をめぐっては、次のような縁起が伝えられている。

一条天皇の御代、永祚元年(989)というから平安時代も半ばの頃のことであるが、京都の三条に住む刀匠小鍛冶宗近が天皇の御佩刀を鍛えよとの勅命を賜り、名水を求めて諸国を遍歴してた。たまたまこの三色吉(みいろよし)の地を訪れたところ、水神宮のほとりを流れる水の清らかさに心をうたれ、早速、水神宮に参籠祈願して神恩を請い、遂に宝刀を鍛え上げることができた。

そこで宗近は神の御加護に感謝し、雌雄一体の金蛇を斎鍛して水神宮に奉納し、都に上ったという。以来、この金蛇を御神体と崇め、御社名も金蛇水神社 (かなへびすいじんじゃ)と称して今日にいたっている。
(※頂いた神社の資料から)



岩手の江刺では桜がまだ咲いていないこともあり、宮城の桜を見に出かけた4月20日ときのことです。岩沼市三色吉地区の奥まった場所に金蛇水神社があります。広い駐車場からの参道には奉納された石灯籠がずらりと並び、その奥に一際白く目立つ鳥居がありました。鳥居の右端の石碑には、読みにくかったのですが神社の由緒が昔の言葉で書かれてあります。

鳥居をくぐった参道には藤棚があり、咲き出すのは五月中旬からのことです。頂いた資料によると、・・・境内の巨大な藤は、その昔、一本の株から9本の枝が分かれていたことから「九竜の藤」と呼ばれています。樹齢三百年あまりに及ぶと言われる・・・とのことです。咲き誇ったら凄いだろうなと思います。

金蛇水神社 1・・参道から鳥居を望む。 金蛇水神社 2・・立派な鳥居でした。
金蛇水神社 3・・樹齢300年の「九竜の藤」 金蛇水神社 4・・左奥に見えているのが社務所です。


金蛇水神社の様子です。参道にある石段を登り、一番高いところに鎮座しておりました。当日は凄く良い天気であり、私達以外にも参拝する方々が沢山ありました。

以前に頂いた資料に、興味を引く寓話が載っていましたので一部を紹介いたします。

・・・水神宮のほとりを流れる水の清らかさに心を打たれ、さっそく神前に参籠し、名刀の完成を祈願した上で刀作りにとりかかりました。ところが、あまりにもカエルが鳴くわ、水を汚すわで、どうしようもありません。そこで、考えに考えた宗近は、雌雄一対となった金蛇をつくり水中に投げ入れたところ、それまでうるさくてどうしようもなかたカエルどもは、ピッタリとなりをひそめ、宗近は心をこめて宝刀を鍛えることができました。そこで宗近は心願の成就を神に感謝し、この金蛇を水神宮に奉納し・・・

なるほど、蛇とカエルと言うことです。金蛇の出来具合が本物そっくりで、池のカエルがびっくりしたと言うことになりますか・・。

金蛇水神社 5・・石垣の上の奥まった場所に本殿があります。 金蛇水神社 6・・本殿正面の様子、狛犬の前には大きな丸い石がありました。
金蛇水神社 7・・正面の様子、ガラス張りで中が良くは見えません。 金蛇水神社 8・・金色に輝く扁額。


本殿の入り口にあった金蛇弁財天です。最初の画像に写っている方ですが、本当にしばらく平身低頭して礼拝していました。何気なく撮影している私は、気まずくなりそっと現場を離れました。たまたま入り口の戸が開いていましたが、中の様子が撮影できませんでした。

金蛇弁財天・・・金蛇弁天は、等身大の八臂弁天である。弁天様は、元来川の女神であり、水神様とは大変ゆかりの深い神である。「えびす様」や「大黒様」とともに福徳円満の神として日本人に広く知られており、また、芸能の神としても信仰されている。

等身大の八臂弁財天は東北最大の御神像であり、八つの手を持ち、自然の恵みの宝玉、神の威厳をあらわす剣が両手に、ほかの六つの手には、太陽・船舵・蔵の鍵・如意棒・斧・弓矢が持たれています。これは人々に大いなる恵みを授け、護り、天から来る災いや、地をはって来る災いを封じる働きを意味しています。(※頂いた資料から)
金蛇弁財天 1・・長時間礼拝している方があり遠慮しました。 金蛇弁財天 2・・中の様子ですが丸い輪があります。八臂弁財天のお姿は見えません。 金蛇弁財天 3・・正面右から見た様子。


本殿の境内にさりげなく置かれている、蛇の姿が浮き出ている自然石です。驚いたのは、その姿が人の手で加工したとは思えない自然の状態です。本当だろうかと疑うことは奉納した方に失礼なのですが、一千年の歴史を持つ神社ならではと思い知られた私です。実際に触れてみても、蛇と岩石との境界がなく、着色した様子も無いのです。

一番自然だったのが最後の岩石の画像でした。花崗岩でしょうか、マグマから生成する過程で別の成分が入り込み変成しています。私にすれば、これが一番自然の状態であり、偶然のなせる産物だなあと思いました。

それにしても、こんな石が十個以上ごろごろあるのです。テレビのお宝シリーズでもやっていましたが、形態石(呼び名が不正確ですが)として、有名になりそうだなあと思ってしまいました。
蛇の形態石 1・・自然石に彫り上げたとしか思えません。それにしてもリアルです。 蛇の形態石 2・・別の形をした蛇石
蛇の形態石 3・・あまりのリアルさにびっくりです。さすがに目と口は着色していましたが・・。 蛇の形態石 4・・本当に自然だなあと思った蛇石です。


入り口の右側に池があり、不思議な感じのする井戸がありました。柵を回した掘り抜きの井戸は、底が見えずに不気味な感じすらします。ここだけを見つめていると、一千年前の刀匠小鍛治宗近が身近に感じられます。
社務所と古い井戸。 曰くがありそうな掘り抜き井戸で、怖いなと思いました。 入り口左奥にある整備された庭園です。