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           遠野市・卯子酉様


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恋愛の神様、卯子酉様です。
小さい頃の原風景になっている水車を求めて遠野市内を散策していたとき、通り道にあった卯子酉様(うねどりさま)を見つけました。正式には卯子酉神社とも言いますが、若い頃陸中山田に住んでいたことから、いつも通る場所にひっそりとあった神社でした。

観光協会発行の案内しおりには次のように書かれてあります。

恋愛の神様としてカップルがよく訪れるのが、この小さな祠。境内の無人販売で売っている赤い布を、左手だけで社前にある木に結ぶことが出来れば縁が結ばれる、縁結びの神様として知られています。(※案内しおりより)


卯子酉様(うねどりさま)は岩手県遠野市の愛宕山の麓にある神社。恋愛の神として知られる。卯子酉神社、卯子酉大明神とも呼ばれる。

江戸時代、遠野の商人港屋平兵衛が、普代村鳥居の卯子酉明神を勧請して創建したと伝わる。 祠の前にある木々の枝に、左手だけで赤い布を結びつけることができたら、縁が結ばれると云われる。 ここの他に、岩手県内には遠野市を中心に各所に卯子酉様と呼ばれる祠がある。(※ウイキペディアより)



この場所は遠野市から花巻に向かう旧道の町はずれにあり、新奥の細道・・五百羅漢への道散策の入り口にあります。卯子酉様の境内に入るためには、隣にある民家の庭を通らなくてななりません。しかも、ガラス戸越しに中におられる家の人達がはっきりと見えるので、庭を通るのにちょっぴり抵抗を感じます。外からですが「お邪魔します」と挨拶し通り抜けました。

鉄骨で作られた鳥居が二基あり、ここを通り境内に入ります。鳥居をくぐると、境内に鎮座する祠が二つが見えてきます。右手には「卯子酉大明神」と刻まれた古い石碑があり、左手には観光案内のパネルと、大きな花崗岩に刻まれた男女のレリーフを両手で抱えている姿の置物があります。奥に見える右の祠が卯子酉様で、左の小さな祠は水神様でした。

二つめの鳥居をくぐった場所から見た様子。 境内のほぼ全体の様子です。
花崗岩に刻まれた男女の絵と、それを支えるような感じの両手が何とも言われません。 男女二人が刻まれたレリーフを見ていると、人の顔のように見えてきます。レリーフの上には、遠野物語第35話の一部が書かれたパネルがあります。

卯子酉様・・・遠野一帯が大きな湖であったその昔、鮭の背に乗って宮家と倉堀両家の先祖が猿ヶ石川をさかのぼってここにたどりついたという話しがあります。

境内の小さな池は淵の跡で、ここの片葉の葉に恋の願いを書いた紙を結びつけておくと願いがかなうと伝えられています。

「遠野物語」第35話にも不思議な男女の縁が結ばれたと書かれています。(※現場の案内板より)

花崗岩に掘られた男女の姿、手がしっかりと結ばれていました。 レリーフの上半身部分です。はっきりとは見えませんが、貴人の若様とお姫様の姿が刻まれ、二人の手ががっちりと結ばれています。
祠正面から周囲の木々に結ばれた赤い布。 更に境内を進むと、赤い布が一面に結びつけられた木々が見えてきます。かなり大きな「イチイ」の木には、新しい布や古い布が隙間無く結ばれています。

願い事は誰にも秘密ですから、第三者の私が願い文を読むことは不謹慎な行為です。伝承園にあるおしらさま堂にも、無数の願い事が書かれてありました。

赤い布と一緒におみくじも結ばれてあります。
新しく結ばれた赤い布。 以前に結ばれた赤い布。
一番のお気に入りの木の根の拡がりです。 境内で撮影していて一番心に残ったのが、水神様と書かれた小さな祠の脇にあるの木の根の拡がりです。この木の根は(多分桂の木)、周囲へと一面に拡がっています。

見方を変えると、多くの根の集まりをたどって行くと最後は一点に集まります。そして、集まったところに水神社の祠があります。

私なりに解釈すると、この世に生まれた無数の男女の中から、赤い糸(布)に繋がった運命の一組の男女が結ばれることを意味するからです。

私の勝手な想いはともかくとして、一面に拡がる根の様子は「見事・・」の一語に尽きます。


卯子酉様の正面の様子です。拝殿の中はうかがえませんが、入り口にある長い赤い布のひも状の様子を正面から撮影することが出来ません。やむを得ず横から撮影してみました。一般の神社ですと、この場所には太い綱が下がっていて、上の方には鈴があります。

ここでは結ばれた赤い布が長い綱状になっていて、欄間から床まで繋がっています。長さは2m位あり、かなり太くなっていました。赤い布の上には黒くなった扁額が掛けられ、年代を感じさせる「酉子卯」の黒っぽい文字が書かれています。
拝殿正面に下がる赤い布。 赤い布の上にある扁額、赤い布が両手を広げった人の様に見えます。
正面欄間にある扁額と彫り物。 欄間に掛けられている扁額は、左から「社神水」、中央が「酉子卯」、右端が竹林に中のネコ・虎??の様に見える彫り物です。

拝殿の左側には、願いを書いて結びつける赤い布がつるされており、一枚百円と書かれてあります。代金は賽銭箱があり、そこに入れるようでした。

右側には百円と書かれた「おみくじ」の箱が置かれてあります。
拝殿左側にある赤い布、ここで百円を支払い赤い布を買います。 拝殿右側、この下にはおみくじの箱がありました。
「水神社」の小さな祠

卯子酉様の祠の隣に「水神社」の小さな祠があり、その前の方に「金神日・・?」と刻まれた石碑が置かれてありました。こちらの祠にも、前の方に赤い布が結ばれてあります。

「桂の木?」の前にも石碑がありますが、表面がかなりざらついていて文字が読めません。

卯子酉様の祠右側の壁面、沢山の剣が奉納されていました。 卯子酉様の祠右側の壁面です。ここには奉納された「剣」が沢山ありますが、いずれもかなり錆び付いていますし説明の文字等が消えています。

周囲に綱が張られ、ここにも沢山の赤い布が結ばれてあります。でも、かなり退色していて古さを感じました。
卯子酉様の祠後ろと左側の様子 卯子酉様の祠後ろと左側の様子です。手前に水路のような場所がありましたが、これが昔の名残の池なのでしょうか?・・、良く分かりません。

もし昔の池の名残があるとしたら、また訪れて探してみたい気もします。そして、片葉の葦なる植物を見つけてみたいなと思います。

そして、以前から気になっていた五百羅漢の様子も見たいなと思います。ここから山登り400m程と言います。

遠野市には惹かれる原風景が結構あり、撮影したい被写体が沢山あります。