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         二戸市・似鳥のサイトギ


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 サイトマップ


赤かと燃え上がるサイトギを長い棒で叩く男達、この時もの凄い火の粉が飛び上がります。

二戸市・似鳥のサイトギについて

サイトギと言うと、蘇民祭で見られる迫力ある「歳戸木、歳燈木」と呼ばれる井桁に組んだ木の櫓のことを思いだします。似鳥地区の「サイトギ」は、旧暦1月6日(今年は2月19日)に行われる似鳥八幡神社例大祭での占い行事です。

「サイトギ」と呼ばれる井桁の雑木を境内に組み燃やします。水垢離で身を清めた男衆が長い棒を手にし、燃え上がる井桁の木を思いっきり叩くと火柱と火の粉が高く舞い上がります。その時の煙や火の粉の流れる方向によって、地域に冷害をもたらす「ヤマセ(寒気を伴った風)」の有無を判断すると言います。

また、例大祭一週間ほど前から「オコモリ」と称する五穀入りのご飯を柱状に凍らせ神殿に置き、「おこもり」の崩れ方や虫の付き方によって作柄を占ってきたと言います。これらのしきたりは、記録によると四百年以上前から当地域で続いていると言います。ここで言うサイトギとは、これらの行事の総称です。

今回は私もサイトギを最重点に置き訪れてみました。似鳥八幡神社は集落北側の小高い山の上にありました。「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に答申されたという記事を見て、私を含めた沢山の方々が訪れて賑わっていました。



浄法寺インターで八戸道から降りナビを見ながら走りましたが、地図上での場所が分かりつつも入り口表示を見つけられません。あれれと言う間に以前に来たことのある馬仙峡入り口駐車場まで行き過ぎてしまいました。再度地図を確認し、何とか神社入り口までたどり着きました。訪れた時間が夕方であったら、現場の神社までは行けなかったと思いました。
やっと見つけた似鳥八幡神社の鳥居でした。ここから神社に入ります。 馬淵川を越え気をつけて走ったら、神社入り口の赤鳥居をがあり、そこから上に向かいました。かなり狭い道路になり、圧雪状態でしたが一気に坂を登り駐車場までたどり着いた。

冬場はちょっと怖い道路である。何とか車を置ける場所があり止めることができました。
水垢離をする場所に置かれた水桶とかぶるときに使用する手桶。 車を止めた広場には社務所らしき建物があり、その横には大きな渡り板が敷かれ、その上に水を張った桶が置かれてあります。桶には竹筒で水が流されていますが、この水は境内の東側に井戸がありそこから汲まれているようです。井戸や桶にも注連縄が張られてありました。

駐車場の西側の境内には本殿があり、向かって右側に二つ、左側にかなり多くの小さな祠があります。

本殿左側には、旧正月で使用したお飾り等が沢山積まれてあります。これはサイトギの焚き付けになるようです。

下の左画像は境内に組まれた井桁のサイトギ、右画像は沢山の小さな祠です。
井桁に組まれたサイトギと置きに見える八幡神社本殿です。 境内西側にある小さな祠、かなりありました。
右側の立て札に、サイトギと刻まれた石板が立てられてあります。

本殿左側の境内にはサイトギが組まれてあります。高さ3mぐらい巾が2mぐらいありますか・・、さほど太くない生の雑木が井桁状になっています。

サイトギの角には、サイトギ叩くための長い木の棒が斜めに立てかけられ上で結んであります。サイトギの周囲には注連縄が張られています。

サイトギの横には古材が燃やされ、よく見たらサイトギと彫り込まれた石の板が杭に打ち付けられてありました。この場所は小高い所にあり、かなりの風が吹いており煙があちこちへと移動しています。夜になったらどのような風向きになるのでしょうか・・。

境内から下に降りる昔ながらの道、裸参りではここを男衆が降りていきます。 駐車場から下に降りる昔ながらの山道です。滑らないように古い木で階段状に組まれてありました。この道をどんどん降りていくと、正式の参道入り口にたどり着きます。

鳥居からは境内まできれいな石段で組まれており、夜になるとこの石段を墓参りの男衆が登ってくる場所でもあります。
山道と参道の交差点。 参道入り口から石段の方を見る。鳥居から上に石段があり境内に続きます。


18:00頃、あたりが薄暗くなったが動きがないので神社の方に行ってみる。社殿内では準備中であり多くの人が動いています。たまたまでしたが、盛岡から来られたという男性が、「写真撮影には、写して良いものの制限があるそうですよ・・」とさりげなく話しておられた。「うーん、どうなるのだろう・・」お聞きしなければならないなと思った。
暗くなった神社 積まれたサイトギ、まだ火が入りません。
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