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十一時四十分頃、境内から猿田彦命を先頭に出た一行は、神社の別当職であった岳妙泉寺跡を経由して参道入り口にある鳥居に降りてきます。私はその様子を撮影したくて先回りをして正面にカメラを構えていました。あまりにも目の前なのでちょっぴり緊張しましたが、ゆっくり降りてくる行列を眺めていました。この行列を称して「お通り」と言うそうですが、私はお通りについて詳しいことを知りませんでした。

花巻市消防団の先導、榊の葉で塩をまき道を清める方、そして天狗の面をつけた猿田彦命、ホラ貝を吹く山伏たちに先導された権現様(数については不明だが40頭ぐらいとのこと)のお通り、御幣を持った子ども達による神楽(しんがく)の舞、奉納された巨大な権現様、そして最後が神輿の渡御、長い列となって岳集落の沿道(100m位)をゆっくりと歩きます。

道々、柄杓で水をかける「火伏の法」があると言いますが、同じ場所にいたためか見ることが出来ませんでした。こんなに多くの権現様があるのかと思うほど、頭(かしら)を上にかざして権現様が進んできます。権現様の衣の後ろを持つのは、正式な装束の方や普段着の方があり様々です。多分ですが、集落の各家(道路に面した家には※※宿坊と書かれてあります)には昔からの権現様が祀られてあると思います。

道路に出るお通り 1・・・先導は消防の方々です。 道路に出るお通り 2・・・塩をまき道路を清めます。 道路に出るお通り 3・・・天狗の面をつけた猿田彦命です。
道路に出るお通り 4 道路に出るお通り 5・・・ホラ貝を持つ山伏スタイルの方。 道路に出るお通り 6・・・権現様がやってきました。頭を上に持ち上げているので大変です。
道路に出るお通り 7・・・衣の後ろを持つのは子どもです。ちょっぴり照れているのでしょうか。 道路に出るお通り 8・・・権現様はたたまれたままです。 道路に出るお通り 9・・・重そうな太鼓を総方と叩く方、後ろには鉦を叩く人が続きます。


何故か道路に面した南側に権現様が一斉に立ち上がり、頭(かしら)の顎の部分を下から打ち付け「カタカタ・・」と音を出します。多数の権現様が打ち鳴らす歯音と言いますか、今まで聞いたことがなかったので珍しいなと思いました。その前を通りながら、子ども達の神楽(しんがく)の舞が行われます。

同じ場所での四コマですが、微妙に権現様の表情(?)が違います。

一斉に立ち上がりは打ちをする権現様 1 一斉に立ち上がりは打ちをする権現様 2
一斉に立ち上がりは打ちをする権現様 3 一斉に立ち上がりは打ちをする権現様 4・・・ちゃんと写せよとと言わんばかりの表情ですね。


路上で舞われる子ども達の神楽(しんがく)の舞をまとめてみました。最初の三コマは後ろから撮影したのでよく分かりません。ならばと言うことで、行列の先頭に出て子ども達が移動して来るのを待っていました。

撮影しながら気がついたのですが、お通りに参加しているのは小学校低学年か就学前の子ども達と見ました。衣装も二通りあり、基本は空色の衣装と濃紺の袴です。その中にあって、先導の大人と同じ衣装をまとった子ども達も居ました。年齢制限なのかなあと思ったのですが、詳細についてはよく分かりません。

先導の方の後ろにいる子ども達の表情が真剣であり、見よう見まねで必死になって舞っている姿に感心しました。地域に生活する子ども達、小学校でも体験学習で地域の行事を取り入れて活動していると言います(これは神社境内でお聞きした話です)。

真剣な表情で刀を振り子ども達をリードしていた先導の方ですが、最後になって後ろの子ども達に笑顔を見せた姿に感動した私です。こうやって子ども達が地域の中で育ち、やがては自分達がその役を引き継ぐようになっていきます。これが伝統の力なのだと思ったら、微笑ましくも嬉しくなった私でした。

太鼓に合わせて舞う神楽 1・・・手にした御幣を振って子ども達が舞います。 太鼓に合わせて舞う神楽 2・・・偶然ですが太鼓を叩くバチが止まっていました。 太鼓に合わせて舞う神楽 3・・・子ども達の側は絶好の撮影ポイントになっていました。

子ども達の神楽舞 1・・・先導の方は御幣の代わりに刀を振ってリードします。 子ども達の神楽舞 2・・・先頭の女のこの目線が真剣です。 子ども達の神楽舞 3・・・後ろの権現様との対比が良いのです。
子ども達の神楽舞 4・・・子どもの目線が先導の方を見てや舞っていました。 子ども達の神楽舞 5 子ども達の神楽舞 6・・・最後になってにっこりと笑って子ども達を見る仕草に感動です。一番のお気に入りの画像になりました。


お通りの一番最後は神輿の渡御でした。小雨が降る中でしたが、荒ぶる様子もなく静かに動いている神輿でした。境内で見た巨大な権現様が最後になりました。
神輿渡御 1・・・神官が先導です。 神輿渡御 1・・・神輿を担ぐ人達、ゆっくりと動いていました。 神輿渡御 3・・・奉納された巨大な権現様、これが舞われたら迫力あります。


お通りの一行がゆっくりと別の参道を通り神社に戻ります。
早池峯神社の例大祭、ここ大迫・内川目地区岳集落に住む方々が地域総出で祭りを盛り上げている様子が伺えました。境内から降りてきて、集落内の道路で権現様の一斉歯打ち、子ども達による神楽(しんがく)の舞の披露、時間にして十五分ぐらいの間のことです。

その後お通りの一行は、別の参道を通り神社の方に登っていきました。私はここでお通り行列を見送りましたが、この後は神楽殿で早池峰神楽・弟子神楽の方々の奉納神楽が延々と舞われると言います。天候が許せば是非とも鑑賞したかったのですが、ここで別れを告げました。

来年は宵宮の岳神楽・大償神楽の舞を鑑賞したいと思います。境内で待つ間そばに居た方とお話したのですが、雨降りだったが良かったよ・・と言います。ただ舞を鑑賞するだけならともかく、雨降りになると撮影はほとんど無理になります。今までも色々な場所で舞われた早池峰神楽を鑑賞していますが、それにも増して演じられる演目が多いと言います。来年に期待したい気持ちで一杯の私です。
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