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       奥州伊達軍火縄銃鉄砲隊演武


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9名の鉄砲隊が一斉に山に向かっての発砲です。ドカーンという音が山間に反射し迫力満点でした。
3月16日、待望の住田町・滝観洞インターチェンジが開通しました。インターの開通は、昨年開通した仙人峠道路の工事に伴って設けられた念願のインターチェンジでした。このインターの開通を記念し、観光センター前で「滝観洞まつり」が開催されました。

私が滝観洞まつりにひかれた理由が二つありました。一つはリニューアルされた滝観洞の見学ですし、二つめは以前に見た奥州伊達軍五葉山火縄銃鉄砲隊演武です。特にも鉄砲隊演武は、昨年夏に住田町夏祭りで見たのが夜の演武でした。その迫力にひかれ、今度は昼の演武をみたいなと思っていました。

早めに現場に入り駐車場で待機していたら、たまたまでしたが鉄砲隊の皆さんと荷物を積んだトラックが私の側に来ました。その場にシートを敷き着替えをし、色とりどりの甲冑を身につけていましたので、撮影しながら色々な話をお聞きする事が出来嬉しい限りでした。

昨年の夏に訪れた住田町夏祭りの記事に、奥州伊達軍五葉山火縄銃鉄砲隊の詳しい解説等がありますので参考までにこちらをご覧下さい


駐車場に鉄砲隊のトラックと人が入ってきた。ここで装束と武装の準備が始まった。側にいて見ながら撮影し、おばちゃんと話をする。「鉄砲の音はすごい音だが、慣れれば気にならないよ。今日はあちこちに出し物があって、人数が少ない。神楽などがあるので・・。」と話していた。

トラックから荷物が次々に降ろされます。黒色の箱には使用する甲冑一式が入っています。布のケースに入った火縄銃が側に置かれてありました。
トラックから降ろされた荷物 1 トラックから降ろされた荷物 2・・・黒い箱には甲冑類が入っています。 フェンスに立てかけた火縄銃。


武装する装束は、甲冑の下に着る衣装から始まります。撮影は遠慮しましたが、現場でパンツと下着一枚になり、その上に色々なものを着込んでいきます。「今日はさみーなあ、去年は雪降ったじゃなあ・・」、「さみーと思って股引はいたらきつなあ・・」そんな会話がぽんぽんと飛び交います。

甲冑をつけるのは大変で、一人で完全にはやれないようだ。お互いに手伝いながら紐等を結んでいる。おもしろい会話をはさみながら、装束が出来上がっていく。甲冑の胸の部分は厚さ1ミリの鉄板で作り重いと言う。一緒に来たおばちゃん達に手伝ってもらっている方もある。

武装の準備 1・・・すっかり着替えて脛当てを付けています。 武装の準備 2・・・甲冑の胴の部分を締めてもらっているのでしょうか。 武装の準備 3・・・中央の男性は兜だけ残して着替え完了です。

中央の床机に座っている方が大目付役の最高責任者です。この方から色々とお聞きしましたが、笑顔で話してくれた事に感謝します。「武装すると、何でかトイレに行きたくなるのよなあ・・」と笑っています。思わず「大小の用足し大変なんですね・・」とお聞きしたら、あははと笑いながら「袴の下に切れ込みがあってそこから用を足すので、それほど大変ではないよ・・」とのことです。なるほどと納得です。

着替えをしている別の方から、気になっていた鉄砲の音についてお聞きしてみました。「慣れればそれほどでないよ。側で打つ音は良いが、後ろで筒先(銃口)の前にいると耳がきーんと鳴る。だから絶対に水平にして人の頭に向けて打たないようにしている・・」。兜の耳だれの部分が音をふさぐ耳当てになっていると言います。「耳栓しているの?」「そんなのしてないよ」、いやあ驚きです。毎回ですから、いくら慣れているとは言え大変だなと思いました。

銃口には、「前は筒先から火薬を入れて紙を詰めていたが、危ないので今はやってないで火薬だけ」とのこと。「紙でも近くから打たれると怪我するし、背負っている旗にあたると穴が開くよ」。そうだよなあ、あの身体全体に響くドカンと言う音を聞けば納得できます。細心の注意と訓練をしてなしえる、現代に蘇った平成の武士ならではの鉄砲の扱いです。

武装の準備 4・・・外国人男性がわらじを履いているところです。中央の方が、最高責任者の大目付役の方です。 武装の準備 5・・・胴体の紐を締めてもらっている若衆です。夏祭りでは太鼓を叩いていました。 武装の準備 6・・・火縄銃鉄砲隊と記された手拭いを頭に巻き兜を兜を付けます。

気がついたのですが、一人だけ背の高い大柄の外国人男性がおりました。彼の身につける甲冑類も自分の手作りなのでしょうか興味があるところです。どうやら鉄砲隊の装束が終わり、平成の奥州伊達軍の武士が登場しました。荷物を降ろしてから完全武装するのに50分ほどかかっていました。
武装の準備 7・・・一緒にいた女性から兜の顎紐を締めてもらっています。この方が唯一の外国人の方でした。 武装の準備 8・・・大目付役のリーダーです。着付けを手伝ってもらっていました。 武装の準備 9・・・右端の大目付役の方は、兜を残して着替えが完了したようです。

鉄砲隊のシンボルの旗と幟があり、それぞれの背中に付ける「旗指物」を付けると完成です。中央の画像のずっしりとした鉄砲を持った方、夏祭りでも拝見しましたが戦場にタイムスリップした感じさえ抱かせる姿です。

右側の画像で兜を付けていない方は鉄砲奉行で、鉄砲隊の一切の指揮と号令を出す方です。
旗と幟が見えています。 完全武装の姿が勇ましいです。。 鉄砲奉行の方と合図を送るホラ貝の奏者。


たまたまでしたが、私のほかにもう一人の方が側にいて火縄銃について色々お聞きしていました。その時の様子を撮影したものです。

少しピントが甘いのですが、火挟みについた火縄と、開いている火蓋の様子がお分かりかと思います。説明しているのは外国人の鉄砲手でした。はっきりとした日本語で説明しているのに感心しました。「重たいですよ・・」と言いながら持たせてくれましたが、鉄の棒そのものでありズシリと重いものでした。

最後の画像は、完全武装した様子です。左手に持つ火縄が40センチほどあり、右手の甲までかかる籠手を付けています。この方は一番迫力がありました。
火縄銃 1・・・火蓋と火縄の部分の拡大です。
火縄銃 2・・・間近に見た火縄銃。 火縄銃 3・・・完全武装の平成の迫力ある伊達軍武士です。

火薬を詰めているところ。 この火薬を砲薬と呼んでいた。普通の火縄銃では5グラム位で、大きい銃は15グラムにもなると言う。フィルムケースに入れて保管されていた。

「今日は5発だよ・・」とリーダーが叫んでいました。フィルムケースから火薬を取り出し、細長い筒(薬莢)のようなものに入れ、腰に付けている胴乱に保管します。バックには火縄が沢山入っていました。
保管されている火薬。 火縄銃と言っても一般の鉄砲と同じ扱いです。保管や火薬の管理には厳しい決まりがあると言います。フィルムケースに入った火薬は、更にブリキ製の箱に入れられて厳重に管理されているのでしょう。
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