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location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>催しアラカルト>海フェスタいわて・日本丸寄港>セイルドリル>その2 |
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◎ヤードの移動・・・ |
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現在乗船しております実習生は、この7月1日に乗船してきたばかりの実習生です。これらの実習生は学校在籍中帆船での実習を経験したことが御座いません。また学校の授業の中でも、高い煙突などに登る授業は御座いません。したがって、7月1日に乗船して来たならばマスト登りの訓練を始めます。 三日程度の期間をかけて、マストの一番高いところに登ってタッチしてきます。ヤードの一番先まで行って、両手を離す。こんな登る訓練を行い、慣れてきたところでデッキ上にあるロープの名前を覚えます。ロープの数は約300種類あり、一本一本名前が違い役目も違います。これらのロープの役目と名前を知らない限り、キャプテンから各マスト担当の航海士、あるいは乗組員が指示を出しても動くことが出来ません。従いまして、これら300本のロープの名を覚えるつらいことが御座います。まだまだ完全に慣れきっていなし未熟な実習生で御座いますが、航海毎に、あるいは日を追う毎に順応して動きが良くなっていきます。 300本のロープの名と用途を熟知することが基本と言われましたが、実際は物凄く大変だと思われます。しかし、帆船上で生活するための命を守る基本中の基本です。まだ、乗船してから20日しか経過していないと言いますが見事なものでした。 |
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◎セイルの展帆・・・ いよいよセイルを展帆する作業に移ります。セイルを開くとどんな形になるのか、帆は大きく分けて四角い形のセイルと三角の形のセイルに分けることが出来ます。それぞれの帆げたの長さが違うように、帆の大きさも変わってきます。一番大きなセイルは、各マストの一番下の長いヤード・ロアヤードに付いているフォースというセイルです。一番小さいセイルは各マストの一番てっぺんにあるロイヤルに付いているセイルです。一番高いセイルは小さなセイルで、非常に取り扱いやすいセイルになっています。 セイルの面積はどれ位あるのか。36枚のセイル全てを合わせますと2760平方メートル、畳で換算すると約1670枚。これから行いますセイルを全部拡げますと、学校にある25mプール25個分の帆を拡げることが出来ます。 まず最初は、船首方向にあります三角の帆、船尾方向にある三角の帆を展帆していきます。二枚のセイルが同時に開かれます。バウスプリット、一番先に突き出たところにある帆が一枚ゆっくりと上がっている様子がお分かりかと思います。 私の居た場所からは船尾方向からの展帆の様子は見えません。三角の帆がするすると上がりました。 |
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次は各マストにあります四角い形の帆が張られていくところです。まず横の帆、揚げる順番は下から順番に揚げていきます。ただ一番低い大きな帆、ロアヤードにありますフォース、これは最後になります。何故ならば、このセイルを揚げると見通しが悪くなります。 これから拡げる帆は、下から二本目のヤードに付いている帆を拡げることになります。帆を拡げる作業の原理は非常に単純です。真下のヤードに導かれてデッキ上に降りてきているシートと呼ばれる呼ばれるロープを引っ張ることによって、セイルの両肩の引っ張りをする作業です。フォア・メイン・ミズンの順番に下から二番目の四角いセイルが張られているのがお分かりかと思います。横のセイル、各マストに付いているヤードのセイルは、下端を引っ張り展帆することが出来ます。 せーの、わっしょいの掛け声と共に、じわりじわりと帆が拡げられていきます。 |
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さて次は、その上の帆げたに付いているセイルを張ることになります。どうやって張るのでしょうか、ヤードの間隔が狭いのです。これは帆げた自体を引き上げていきます。ヤード自体を持ち上げる作業で、ジガーマストでは台形の形をした帆(スパンカー)を張っていきます。 |
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次は四本目のロアーゲルンに付いているロアーゲルンセイルを展帆することになります。セイルの下端を引っ張り降ろすことでセイルが展帆されます。ここまで来ると帆自体が小さくなるのでするすると拡がります。 |
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さて次はフォア・メイン・ミズンマストの5枚目のセイル、これもヤードがくっついた状態ですからヤード自体を揚げることになります。重さは見て分かるように小さなヤードですから約1トンの重さです。すーっと上がっていくと思います。 |
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さて残りは一番上のセイルです。これは、セイル自体とヤード自体を持ち上げる二つの作業を合わせたことでセイルを開くことになります。一番高いロイヤルセイルは、シートと呼ばれるロープを引っ張ってセイルの両下端をアッパーゲルンヤードまで引き下ろします。あとはしっかりと帆を四角い形に張り上げるため、帆のヤードを持ち上げてやります。 各マストにある四角い帆、これは一番下のフォースを残して張ることが出来ました。一番下のフォースを張ると、非常に大きなセイルなので見通しがきかなくなります。したがってそれを残して残り三枚、33枚のセイルを張り終えました。 |
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さて、最後三枚のセイル、大きなセイルが開いております。それぞれ3本のロアヤードに付いているフォース、これの広さは一枚だけで185平方メートル、畳に換算して約110畳分の広さを誇るセイルがいま拡がっていきます。作業を開始して約1時間、36枚のセイルをようやく拡げることが出来ました。 フォースと呼ばれる一番大きな帆は簡単には拡がりません。ヤード付近で甲板部乗組員が確認しながら作業をしていました。 |
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総帆展帆(フルセイル)された状態、それにしてもきれいで見とれてしまいます。 しばらく日本丸はこの状態・フルセイルを14:40まで、その後再び帆をたたむ訓練を再開致します。たたむ訓練は帆を張る訓練の真逆、デッキ上のロープを引いて帆を絞り込んでいきます。そしてヤードに縛り付けていきます。 |
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セイルドリルを終え観衆に挨拶をした後、実習生は揃って岸壁に降りてきます。海王丸との時もそうでしたが、船首の女神像の場所で決まって記念撮影になります。よく見ると本当に若い20代の若者達です。目の前にいた方の腰に安全ベルトがついています。「使ったの?・・」とお聞きしたら、笑いながら「はい」と答えてくれました。私が作業中の様子を見た限り、使用している方が見えませんでした。 |
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