とどヶ埼灯台 〜遠くて近い灯台〜
この灯台は、本州最東端の地とどヶ埼に1902年(明治35年)に点灯して以来、太平洋を航行する船舶の安全に重要な役割を果たしています。太平洋戦争により初代の灯台は焼失しましたが、1950年(昭和25年)に再建され、1990年(平成8年)機器の完全自動化に伴い無人となり、職員が定期的に巡回管理しています。
1966年(昭和41年)までは職員が家族と共に生活をしていましたが、とどヶ埼灯台を含め、全国各地の灯台での暮らしぶりを描いた灯台長婦人の手記が、木下恵介監督の目に留まり、映画「喜びも悲しみも幾歳月(1957年)」として発表され、素晴らしい感動を呼び起こし、その内容は今も「本州最東端の碑」と同じ岩に刻まれ、宮古市の景観のシンボルに欠かせないものとなっています。(※灯台入り口案内板より)
やっとの思いで灯台までたどり着きました。石塀の区画に入り口があり、とどヶ崎灯台の説明が書かれてあります。長年にわたり太平洋の風雨にさらされたせいでしょうか、文字の色やコーティングが剥がれかけています。早速中に入り灯台真下の草原にごろんと寝転がりました。「やっと来たな・・」と一息つきながら、目の前にそそり立つ34mの先端部を見ていたら嬉しくなりました。
側に寝ころんでいた同年代の男性が、空を見上げながらぶつぶつ言っています。あれれと思って耳を澄ますと、何と何と「般若心経」の一節でした。でもその気持ち分かりますね。立ち上がったとき帽子を取ったら、坊主頭が見えましたので住職さんかもしれません。
11月1日は灯台記念日とのことで一般公開されています。今日のクルージングに合わせて、特別に一般公開してくれるという配慮があり嬉しくなりました。私より先に到着した方々は、休憩が終わり灯台に登って上から眺めています。昨日の一般公開では、灯台を訪れたという証明書を発行していたようですが、今日は無かったようで皆さん残念がっていました。係の方のお話ですと、今日はあまりにも多くの方(クルージングメンバーだけで百名)が来られたので、用意した証明書が品切れになったとのことでした。出来ることなら私も欲しかったのです・・・。
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