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日本武尊・・・

この演目は資料を見ましたが演目の説明がありません。資料には胴取りの謡の台詞がありましたので、その内容から組み立ててみました。私の勝手な判断ですので、間違っているかも知れません。

おお吾こそは日本武尊なりしが、当社に治め置きしは天の草薙の剣なり。しかるに岩長姫、帝に少しの意趣あって、出雲の国、日の川の川上にましまして、八つの頭を現して八またの大蛇とこそやなりにける。然るに天照大神の弟すさのおの尊は、神謀りをもって、彼の大蛇を退治せしが、またまたその霊残って形を姫と現して、うばいとったる様子を承って候。吾装束を新め、かの宝剣を取り返し、再び当社納め奉らんと。

時間にして10分ほどの内容ですが、大蛇が変身した岩長姫の般若面が凄く怖い形相で、見ていた会場の子ども達から「怖いー」の声が出たほどです。一連の動きを私なりに分類して五つの場面に分けてあります。特にも面白いのは、怖い形相で演じられる大蛇の仕草が滑稽な場面があったりして見ていて楽しくなりました。


日本武尊登場・・・

やあやあ吾こそは・・・、のセリフが聞こえそうな場面です。面をつけずに右手に扇、左手には御幣を持っての登場です。画面の左端に顔を出している男子中学生ですが、食い入るように舞を見ています。この場面では手平鉦の担当のようでした。多分ですが、こうやって後継者が育成されているのだなあと思いました。
日本武尊 1 日本武尊 2
日本武尊 3 日本武尊 4
日本武尊 5・・・手平鉦の中学生の食い入るような目線が気に入りました。 日本武尊 6

岩長姫が登場・・・

突然ですが、幕が揺れ初め幕の下から般若面を着けた女性が登場しました。この女性は、大蛇の霊が岩長姫に乗り移った姿とされています。
日本武尊 7 日本武尊 8・・・幕を引いての掛け合いが愉快です。
日本武尊 9 日本武尊 10
日本武尊 11 日本武尊 12

大蛇に変身した岩長姫が大暴れ・・・

舞台の上から突然観客席に飛び降りた岩長姫は、観客席をあちこち走り回ります。私もカメラでその姿を追いかけましたが、かなり早いのでぶれたりして大変でした。見ていた観客の男性が、岩長姫に大きな声で語りかけ問答が始まりました。多分ですが、お互いに知り合った方達なのでしょう。見ているみんなもあははと大笑いでした。

日本武尊 13・・・突然舞台から飛び降ります。側にいた人は驚きです。 日本武尊 14
日本武尊 15・・・近くで見ると怖い面です。 日本武尊 16
日本武尊 17・・・会場にいた人との掛け合いです。 日本武尊 18

岩長姫と日本武尊との戦い・・・

この戦いは舞台だけでなく、会場を走り回ったり舞台の柱によじ登ったりと会場からは笑い声が絶えませんでした。見えなくなったと思ったら、突然舞台の陰からひょいと姿を出すなど、神出鬼没とでも言える場面展開でした。しかし、ついには組み伏せられ刀で首を落とされます。

日本武尊 19 日本武尊 20
日本武尊 21・・・突然姿を見せた大蛇です。 日本武尊 22・・・会場からは、あははの笑い声が響きます。
日本武尊 1 日本武尊 1
日本武尊 1 日本武尊 1
日本武尊 1 日本武尊 1
日本武尊 1 日本武尊 30・・・ついに討ち取られます。

岩長姫を討ち取ったり・・・

討ち取った大蛇(岩長姫)の首を持って日本武尊が舞います。表情一つ変えないで舞っていましたが、最後の場面でにこりと笑顔になります。見ていた私も、その時の雰囲気が分かるような気がしました。たまたまですが、最前列におられたお年寄りがゆっくりと舞台に近づき、手にした千円札を「御花」として差し出しました。

このやりとりと言いますか、観客と一体になった演技が地域に愛される由縁だなあと思ったわけです。側で見ている胴取のMさんも、満面の笑みを浮かべて太鼓を叩いておられました。
日本武尊 31 日本武尊 32
日本武尊 33 日本武尊 34
日本武尊 35・・・にこりとした笑顔、色々な意味を思わせます。 日本武尊 36・・・会場にいたお年寄りから千円のお花を受け取る、この仕草が何とも言われませんでした。